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キーワード「フェルディナント・フォン・シーラッハ著」の検索結果は以下のとおりです。

ドイツ都市部はカオス状態

ドイツ社会では、70年代にやってきたトルコ(クルド)、イタリア、レバノン系などの移民がすでに定着している

ところが、メルケル首相時代以降、中東やアフリカからぞくぞくとやって来る大量の難民を受け入れ、今ドイツはパンク寸前なのだとか。引用は、川口マーン惠美氏のコラム「ウクライナ戦争の裏でエスカレートするEUの難民問題…ドイツの都市部はもはやどこの国なのかわからないカオス状態に」(10/6)から。

20年ほど前、仕事でドイツに駐在していた、その頃のことを思い出した。

3つほど向こうの駅で爆発騒ぎがあった。当時、地域で発生したテロっぽい事件はそれくらいだった。レバノン系だかトルコ系だかの移民がやらかしたらしい、ちょっと物騒になって来たね、と職場の連中が話していたことを覚えている。

が、もっと物騒なことがあった。それも頻繁に。地元サッカー・チームのゲームがある日は熱心なファンが騒ぐ。勝っても負けても駅前や広場で大いに騒ぐ。そっちの方がよっぽど物騒だと思ったものだ。移民や難民による凶悪犯罪が多発する現在に比べると、まだまだ長閑な時代だったのだ。

そういえば、当時親しくしていたイタリア系の同僚がいた。彼は70年代の生まれだ。もしかすると移民2世なのかもしれない。

フェルディナント・フォン・シーラッハ著(サイト内)。ウクライナ戦争の裏でエスカレートするEUの「難民問題」…ドイツの都市部はもはやどこの国なのかわからないカオス状態に(10/6)

刑罰

  • 2021/07/10 06:33
  • カテゴリー:読み物

新しい人生を歩みだせば楽になれると、私は思っていた。だが楽になど決してなれなかった。結局おなじなのだ。薬剤師であろうと、家具職人であろうと、作家であろうと。それぞれの決まりごとはすこし違うものだが、疎外感は残り続ける。そして孤独感やさまざまな思いも。

キャリアの切り替えなのか、区切りなのか、ここにもそれを考えている人がいる。フェルディナント・フォン・シーラッハ著「刑罰」酒寄進一訳(東京創元社、2019年)、それに所収の短篇「友人」の終わりの部分から(p213)。

シーラッハ八本目の槍オールドメディア上等(サイト内)

カールの降誕祭

  • 2021/06/09 06:31
  • カテゴリー:読み物

Das ist doch keine Vernissage hier, bring das Glump in dein Zimmer, sei so lieb.

挿絵にある文章は、原文からの引用なのだろう。大文字、小文字は調整した。フェルディナント・フォン・シーラッハ著「カールの降誕祭」酒寄進一訳、タダジュン絵(東京創元社、2015年)に所収の表題作から(p58)。

この部分、本文の訳は「ここは展覧会場ではないのよ。所詮はクズなんだから、お部屋に持ってかえりなさい、お願いね」となっている。Glumpは「所詮はクズ」。おそらく、訳語にも「五つの文字」(p80)の言葉が選ばれたのだろう。

挿絵が、かなりの数、付されている。なぜこうまで仰々しく禍々しい必要があるのだろうか。表紙の絵もそうだ。絵の力を借りないとストーリーの意図するところが伝わらないとでも思っているのだろうか。作り手のセンスや良識を疑う。原書は、挿絵があるかは判らないけれど、表紙に限っては本編同様にスマートさが表れている。

シーラッハ(サイト内)。ルフトハンザのセネターカード(p63)。Carl Tohrberg: Drei Stories von Ferdinand von Schirach - Amazon.de

テロ

  • 2021/06/05 06:58
  • カテゴリー:読み物

わたしたちは毎日、悲惨な光景を目にしますが、それが自分の身に降りかかるとは思っていません。わたしたちの生活から死を追いだし、ずっと平和な暮らしがつづけられると思っています。わたしたちは死から解放されたかのようにさえ見えます。しかしわたしたちの社会、わたしたちの自由、わたしたちの生き方は脅威にさらされているのです。

弁護士が言う。フェルディナント・フォン・シーラッハ著「テロ」酒寄進一訳(東京創元社、2016年)から(p117)。引用にある「脅威」は、テロリストによる惨事のこと。さて、以下はちょっと別の話。

「医療従事者でも結構多くの人が副反応で苦しんでるとの話もあるそうですが、どう思いますか」と、ワクチンの副反応について訊ねられた。厚生労働省のサイトで公表されているデータを見て、次のような返事を書いた(「Re: 相談」、5/20)。「都度、審議会で報告されています。最新は、5/12の開催だったようです。ここから、ざっと数字を拾いました。

  • 期間、2/17~5/2(2か月半)
  • 接種数、3.8百万回
  • 死亡、28例(65歳以上18例、未満10例)
  • 副反応疑い、664例、その内、
  • アナフィラキシー、107例

死亡28例は、いずれも、情報不足でワクチンの副反応が死因かどうか評価できないとあります(略)。さて問題の、副反応のアナフィラキシーです。107例の内訳を見てみると、大半の99例が女性です。女性に多いことを初めて知りました。それも20歳代から50歳代に集中しています。60歳代は3例です。それ以上はなし。

107例の症状は、ほとんどが回復か軽快になっています。未回復は3例のみ。46歳(食物アレルギー)、63歳(狭心症)、64歳(造影剤アレルギー)、いずれも女性です。( )内にあるように、基礎疾患などがある方です。

アナフィラキシーで呼吸困難などになると、確かに、苦しむとは思います。が、3.8百万回に107例ですから、率は、10万で3例です。日本の1億人なら3千人です。年間の交通事故死もそれくらいなので、普通はほとんど起こらないと感じるレベルではないでしょうか。ただ、交通事故と同じで当たるとたいへんですが。」

ワクチンの副反応で苦しむ、交通事故で死ぬ、はたまた、テロリストによる惨事に巻き込まれる。まさか「自分の身に降りかかるとは思って」いない、それが多くの人の心情ではないだろうか。

なお、6/5現在、厚生労働省のサイトでは、5/26に開かれた審議会でのデータが公表されている。この次(6/9?)には、10百万回接種のデータになるだろうか。

  • 期間、2/17~5/16(3か月)
  • 接種数、6.1百万回
  • 死亡、55例(65歳以上38例、未満17例)
  • 副反応疑い、943例、その内、
  • アナフィラキシー、146例

# 航空チケットの購入(p76)、より小さな悪(p115)。シーラッハ(サイト内検索)。新型コロナワクチンの副反応疑い報告について|厚生労働省

禁忌

  • 2021/05/29 06:51
  • カテゴリー:読み物

説明には、つねに別のバージョンがあるものだよ

ビーグラー弁護士が、ランダウ検察官にそう言う。フェルディナント・フォン・シーラッハ著「禁忌」酒寄進一訳(東京創元社、2015年)から(p207)。

本作の評価は賛否両論に分かれたと訳者あとがきにある。Die Zeit で「二度読んでも理解できなかった」と評されたとか。確かに、読み終えてすぐには何のことか判らなかった。ちらちらと読み返して以下のような理解に至った。

これは、主人公エッシュブルクと彼の異母妹、二人による狂言犯罪だ。法廷で新たなインスタレーションを発表することを目的としている。如何に芸術表現とは言え、神聖であるべき場を虚仮にするのはいかがなものか。書名のタブー(禁忌)はそこから来ている。

主人公は、このインスタレーションで「自画像」(p219)を描こうとした。ティツィアーノが筆ではなく、直接、指で自画像を描いたように、写真家の主人公が写真ではなく自身が出演するインスタレーションでの表現を試みた。一回限り、ぶっつけ本番の自作自演には、数か月に及ぶ勾留付き。

隣人セーニャ・フィンクスは、主人公だけに見えていた。本人には真実だったけれど、現実には存在しない架空の産物(スフィンクス、p210)だ。それを典型として、主人公が半生を供述する前半部分は、「真実と現実」(p153)が綯い交ぜになっている。その整理役としてビーグラー弁護士が起用された。

刑事による拷問の件は、インスタレーション作品には計画されていなかった部分。ビーグラー弁護士が法廷で「うまく利用」(p219)し、作品に花を添えることになった。

シーラッハ(サイト内検索)。公判での刑事への証人尋問(p188-203)

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