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女形に生きた男たち

映像の世紀バタフライエフェクト「人間国宝 女形に生きた男たち」の再放送を観た。2月の初回放送時には観なかった。一か月しか経っていないのに再放送されたので、何かあるな、と思い直して観たのだった。
 
世界史の連鎖を見せてくれるこのシリーズを、毎回、見逃さないようにしている。なのにこの回は歌舞伎というローカルな話題だ、これは何かの間違いだろうかと思った。それに歌舞伎に材を採った「国宝」という映画が大ブームになっている(観てないが)。あ、姑息な便乗で視聴率を取ろうとしているなとも感じた。これが2月には見ようとしなかった理由。
 
だが、この度、観てみると、芸道のアーカイブ・フィルムがふんだんに盛られているのは当然だが、GHQが歌舞伎上演を禁じた際にフォービオン・バワーズがそれを救ったとか、六代目歌右衛門らのソビエト公演とか、六代目と三島由紀夫の対談とか、しっかり歴史の交差点が描かれている。それに、華やかな舞台の裏側にある、小児麻痺、不義理、嫉妬、名跡の空位など、冷徹な現実も映像で証明する。NHKドキュメンタリーの意地を見る思いがした。
 
現代の価値観からすると女形という異形の俳優をどう見ればいいだろうか。六代目歌右衛門は父の跡を継いだ。番組はそれに宿命という言葉をあてる。あまりにも暴力的な表現と思うけれど、どうやら、それを、歌右衛門の名跡が今は「空位」であると強調して回収したのだろう。フィクションの映画では華々しく描かれたけれど、実際のところ、もはや誰もそのような狂気の人生を選ばなくなったのだと。
 
映像の世紀(サイト内)。「取材協力 児玉竜一」、渡辺保著「女形の運命」、映像の世紀バタフライエフェクト「人間国宝 女形に生きた男たち」(NHK総合、3/5 23:50)[再]

N響公演はどう語られるか

N響公演の放送での案内役が今の方に代わって何年になるだろうか。彼女の、はしゃぐような語り口は、どうもしっくり来ない、と聞く度に思う。公共放送のNHKにとって、自局専属オーケストラであるN響の演奏会放送は、文化枠での中核番組だろう。それにはそぐわないように感じられて仕方がない。
 
口調の好き嫌いなど趣味の問題、と言ってしまえばそれまでだけれど、番組を放送しているのは天下のNHKだ。案内役に誰を選び、その人に、どのように語らせるか、そこには制作者側の意図が込められているはず。その意図を解き明かしてみようと考えた。
 
2月にNHK-FMで放送された第2055回定期公演(【解説】舩木篤也【案内】金子奈緒)を題材にすることにした。同じ解説者による第2045回、第2047回、そしてN響「第9」演奏会が手元に音源が残っていたのでこの3本も追加。さらに、別の解説者による第2049回(【解説】野平一郎)を対象区とした。【案内】金子奈緒は、5本すべてに共通している。なお、いずれの音源も、らじる★らじるからスマホのアプリらくらじ2でダウロードした。
 
分析資料をつくるために、語り部分の音声ファイルを作成。普段は、その語り口を聞きたくないので、すっ飛ばしている語り部分だけを、元音源(m4a)からffmpegで切り出し、繋ぎ合わせて一つの音声ファイルにする。一回分で15分前後の長さになった。
 
そして、その音声ファイルから逐語文字起こしする。これはAIに手伝ってもらった。何が面倒くさいって文字起こしはその最右翼だろう。これをAIがやってくれるから、この一連の作業をやる気になったと言っても良いくらいだ。かなり頑張って文字にしてくれる。
 
ただし、その精度には限界がある。例えば、解説者がしゃべっている時に案内役が相槌を挟む場面。話者が区別されなかったり、相槌が抜け落ちたり、ということが起きる。現在無料で使えるAIの場合、モデル選定や条件設定を慎重に行っても完璧は期待できない。そこそこ発生する。以下はその例、
 
修正前)解説:はい。えーっと、これはあの、非常に軽快な演奏でしたね。えー、軽快だからって言って何もその内容がどうのこうのということではなくて、非常にこうテンポ感がいいというか、あー、どんどん、どんどんこう楽想が進んでいくっていう意味で、非常にあの軽快な演奏だったと思います。
 
修正後)解説:はい。えーっと、これはあの、非常に軽快な演奏でしたね(案内:はい)。えー、軽快だからって言って何もその内容がどうのこうのということではなくて、非常にこうテンポ感がいいというか(案内:ああ)、どんどん、どんどんこう楽想が進んでいくっていう意味で(案内:はい)、非常にあの軽快な演奏だったと思います。
 
という具合に、AIによる文字起こしテキストに対し、手作業で、修正、追記を施す。相槌や笑い声が語りの雰囲気に影響するので丁寧に書き入れていく。手間はかかるけれど、一から文字起こしすることを思えばだいぶまし。
 
資料づくりの最後に、語り機能タグ、[鑑賞補助]、[価値誘導]、[感情共有]、[祝祭フレーム]などを、相当する発言に付ける。
 
そして分析。その結果は、自分でも驚くほどはっきりしていた。案内役は、どうやら番組の中で明確な役割を与えられているようで、同調シグナルや、感情温度の上げ下げ、フレーム補強は常に発動している。解説者が、祝祭方向に強く振ると共振するし、構造説明に振ると抑制的に働く。解説者の語りを増幅する係になっているのだ。あのべちゃべちゃと纏わり付くような口調でそれをやられると、いやほんと、閉口する(あくまでも個人の意見)。
 
これに関連してコラムを一つ書き、NHKへの投書を二通送った。以下は投書の一つ。
 
いつもN響公演の放送を愛聴しています。最高水準の演奏を全国どこでも共有できる公共放送の役割に深く感謝しています。一つ番組制作への提案があります。以前から、案内役の方の語り口が「感動の先導」に傾いているように感じています。「室温が上がるほどの熱狂」といった演奏後の感情的な形容や、「ゲネプロも拝見したのですが」という関係者目線の発言は、熱意の表れと理解しつつも、ラジオの前の聴取者には「身内のサロン的熱狂」に聞こえ、疎外感を覚えることがあります。オーケストラ鑑賞の醍醐味は、響きの変化を聴取者自身が真っ新な耳で受け止め、独自の解釈を深める「余白」にあります。案内役には、聴取者の感動を規定・先導するのではなく、客観的な情報の提示と専門家の解説をフラットに引き出す「静かな伴走者」であって欲しいと願います。聴く者の想像力を信頼する、より成熟した番組作りを期待します。
 

自民党圧勝の背景

webにあったこの記事「NHK党首討論ドタキャンで完全に流れが変わった…データが暴く自民党歴史的圧勝のまさかの背景」(2/19)に関して、AI(Gemini)に教えてもらった。
 
(内容の要約)2026年衆院選での自民党圧勝は、野党の候補者乱立による敵失と、高市首相のNHK討論会欠席への批判が「同情票」に転じたことが主因です。中道改革連合の自滅や無党派層の雪崩的流入が、歴史的な大勝利を支えました。
 
(主たる不足論点)本稿では「野党分裂」と「高市氏への同情」が強調されていますが、自民党が掲げた具体的な政策(経済や安全保障)が、他党と比較してどう有権者に評価されたかの実質的な分析が不足しています。また、高市氏の持病や「円安ほくほく」発言を巡るメディアの報じ方が、単なる感情論を超えて、有権者の「統治能力への信頼」にどう影響したのかという多角的な検証も、勝利の正当性を測る上では不可欠な論点と言えます。
 
(創価学会副会長、佐藤浩氏の貢献)自公連立を解消させ、立憲民主党と公明党を合流させた「中道改革連合」を主導した人物とされています。この枠組みが結果的に「壮大な自爆装置」となり、野党を壊滅させ自民党に議席を流出させた立役者と評されています。
(この見解の客観的評価)連立解消という戦略的失敗が自民勝利を招いたとする見解は、選挙結果の数字上は整合性があります。しかし、創価学会内部の論理や高市氏との過去の確執が背景にあり、純粋な「自民への貢献」とするのは皮肉な結果論です。
 
(れいわ新選組共同代表、大石あきこ氏の貢献)NHK討論会を欠席した高市氏を激しく罵倒したことで、逆に有権者の「高市氏への同情」を誘発したとされています。大石氏が批判の急先鋒に立ったことで高市氏へのヘイトを背負い、自民党への追い風を作った貢献者と語られています。
(この見解の客観的評価)強烈な批判が逆効果となり「判官贔屓」を生む現象は政治史で散見されます。大石氏の言動が保守層や無党派層の結束を強めた側面は否定できませんが、勝利の主因とするにはデータの相関関係をさらに精査する必要があります。
 

アルファベットの木札

木の板を中抜き(窓抜き)してアルファベットの木札を作って欲しい、と家人からリクエストがあった。「G」「P」「Y」の3文字をご所望。
 
「Y」は特に問題なさそう。「P」は中に島があるので、ステンシルのようにその部分を支える必要があるが、糸鋸作業では現実的ではない。外側の輪郭だけ切り抜きすることにした。
 
それと、「G」は、開きが狭いと、中に残る部分の強度が問題になる。何かいいのはないかと既存のフォントを探し、Montserratというサンセリフ体を見付けた。これをベースに開きの大きめな「G」にした。「Y」は同じフォントから選んだ。「P」もそうしようと思ったが好みの形ではない。別途、Poppinsというフォントから採った。
 
Jw-cadで実寸大に3つを製図。各々80mm角の板に文字高48mmとした。そのプリントアウトをスプレー糊で板に貼り付ける。紙の線に沿って糸鋸で切り抜く。今回、材料には硬めのカバザクラ(12mm厚)を選んだ。
 
できあがりは上々。家人も喜んでくれたようだ。
 
Chapter 5 - Burr Puzzles成都の切り絵(いずれもサイト内)。作品リスト、57) 6本木パズル補充、58) 6本木の収納箱、59) パソコン台、60) 木製マグネットA、61) 木製マグネットB、62) 額縁4つ、63) 木製マグネットC、64) パソコン台の台、65) アクセサリー用トレイ、66) 額縁、67) パズル3x3x3の箱、68) GPY木札

クリスマスの足音

ご指摘の「Murder is murder.(殺人は殺人だ)」というセリフは、3番目のシーンに登場します。
 
AI(Gemini Flash 3 Preview)がそう回答した。英国ドラマ、刑事フォイル「クリスマスの足音」(2007年)について分析を頼んだ。
 
YouTubeのURLを提示し、「この中から、ポール・ミルナー(Paul Milner)、イーディス・アッシュフォード(Edith Ashford)、二人だけの会話シーンを抽出し、タイムスタンプを付し、二人のセリフを原語のまま逐語文字起こししてください。Murder is murder.というセリフがあります。確認してください。」とプロンプトに書いた。
 
散歩をしながらクリスマスの予定を話すシーン(06:56)、暗い路地を歩きながら将来を語るシーン(15:12)、事件の嫌疑をかけられたポールとイーディスの会話(18:06)、3か所について要望通りセリフを書き出してくれた。残念ながらタイムスタンプに間違いがあるけれど、文字起こしは見事な逐語になっている。
 
URLを示すだけで、こんなことを簡単にやってのける、AIってすごい。
 
こう尋ねてみた、「第3の場面での二人の心理はどう推察されますか」。「ポールの潔癖な正義感と、イーディスの献身的(あるいは盲目的)な愛情が衝突する、非常に緊張感のある重要なシーンです」と、まず答えた上で、イーディスの「愛ゆえの道徳的ゆらぎ」と、ミルナーの「刑事としての誇りと、理解されない孤独」について滔々と語ってくれる。表にはあらわれない二人の気持ちをしっかり文字化する、AIってすごい。
 
刑事フォイル(サイト内)。刑事フォイル「クリスマスの足音」(Bleak Midwinter)

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