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確定申告、26年3月

やろうやろうと思いながら、結局、期間最後の週末になってしまった。生来の怠け癖は治らない。今回は、スマホ(moto g10)で申告した。
 
最初は例年通りパソコンでやろうとした。Linuxは、国税庁が推奨する環境にはリストされていないけれど、ここ何回かlubuntuで問題なく申告できている。今年は、Arch Linuxで試そうと考え、事前にシステムのアップデートを行った。カーネルが大幅に上がった。
 
Arch Linux
Linux 6.12.74-1-lts → 6.18.16-1-lts
Chromium 145.0.7632.116 → 145.0.7632.159
MB-B503E(MouseComputer)
 
これでいつも通りの作業を進めようとした。のだが、利用者識別番号が廃止されているためログインできないと出る。なんとしたことか。そういえば、昨年マイナンバーカードを更新した際に、新たな利用者識別番号が付与されたような気がする。マイナポータルで確認すると、やはり、そこには新しい番号があった。これにパスワードを付けて、あらためて、申告書作成コーナーでログインしようと再度試みた。が、番号の反映に時間がかかるのか、はねられてしまう。
 
しようがないのでスマホで確定申告することにした。昨年のデータや控除証明書(xml)を転送しておいて、作成コーナーにアクセス。マイナポータルとの連携が図られていて、本人確認のための暗証番号入力とマイナンバーカードのタッチを求めて来る。そうやってセキュリティが確保されている。そればかりか、年間医療費などのデータをそっち(マイナポータル)からごっそり引っ張って来ることもできる。
 
昨年のデータを最初に読み込めば、どの項目を入力すれば良いかもすぐ判る。よく考えられて、つくり込まれている。それに小さな画面でも操作性は思ったほど悪くない。が、一つ大きな難点がある。決算書や申告書は、旧来通りA4サイズで仕上がるので、そのpdfを確認するのは、スマホの画面では辛い。
 
スマホでの申告には良い点悪い点色々ある。次回はまたパソコンでやろうと思う。
 
なお、今回の作業、BGMには、Zhu Xiao-meiが弾くバッハの平均律を選んだ。
 

そんなに煽らなくても

極限のダイナミクスを引き出すソヒエフの手腕は必見。心震える熱演です。
 
出た、と思った。過剰演出の最たるものだ。なぜ演奏の前にそんな解説が必要なんだ。クラシック音楽館、N響第2055回定期公演(NHK-Eテレ、3/8 21時)から。【語り】金子奈緒。
 
それだけじゃない。数分の語りの中に、こんな言葉がぎっしり詰め込まれている。「香り立つ退廃と官能」、「音の魔術師」、「幻想の世界へといざなう」、「圧巻の表現力」、「研ぎ澄まされた技巧」、「めくるめく色彩」、「雄大な音のパレット」、「妖艶なピアニッシモ」、「原始的エネルギーの炸裂」など。いずれも演奏前に語られてしまう。
 
オケN響、指揮トゥガン・ソヒエフ、この組み合わせは、今世界のオーケストラ・シーンを見渡しても間違いなくトップティアに位置する。音楽そのものだけで、圧倒的なクオリティだ。「語り」なんかなくても、曲や奏者は、テロップで紹介するだけで十分だろう。にもかかわらず、NHKは、なぜ、そのまま堂々と提示せず、過剰に祝祭的で、ある種はしゃいだ語りでデコレーションするのか。
 
ホールの臨場感の欠落を補うために、高揚した語りで熱量を盛ろうとしているのか、自分たちのリソース(N響とソヒエフ)の価値を、分からせようとする過剰な親心なのか、民放のバラエティ番組に負けじとばかり、視聴者の注意を引き付けるための策なのか、それとも、受信料を使って高水準の文化事業を行っている、それを見せ付けるための自己正当化の儀式なのか。意識しているか無意識なのかは判らないが、この番組の背景には、そんなNHK制作陣の思惑があるのだろう。
 
彼女の「語り」を分析したことは以前にも書いた。「N響公演はどう語られるか」参照。その時は文字ベースだった。今回は声質などのパラ言語的分析を試みた。AIに頼むとこんなことも簡単にできてしまう。
 
以下は、AI(Gemini Pro 3.1 Preview、Temperature:0.8、Persona:プロの音楽評論家・放送文化研究者)との対話。録音した番組の音声ファイルから、語り部分のみ切り出してアップロードした。
 
Q)「語り」の声のトーン、抑揚、感情のパラ言語的分析を行って下さい。
 
A)金子奈緒氏のナレーションは、胸腔を響かせる低めのピッチと、息を多めに混ぜたウィスパーボイス気味の発声(共鳴と気音のブレンド)によって特徴付けられます。「香り立つ」「研ぎ澄まされた」「めくるめく」といった修飾語を口にする際、意図的に母音を引き延ばし、語尾をふっと消え入るようにフェードアウトさせています。このパラ言語的アプローチは、美術館の薄暗い展示室で名画に光を当てるかのような「聖域感」を演出し、これから奏でられる音楽が日常の消費的な音とは次元の異なる「至高の芸術」であることを、聴覚的・直感的に視聴者へ刷り込んでいます。
 
Q)私は、金子氏の語りに、祝祭的・高揚的で、悪く言うと「はしゃいでいる」印象も強く受けます。それは、「聖域感」と背中合わせに、きわどい「演出」のように感じます。彼女の声のニュアンスについて、ネガティブ、ポジティブ、両面から、今一度、解析的に語ってもらえないでしょうか。
 
A)改めて精査すると、おっしゃる通り「祝祭感」「高揚感」、さらに言えば「過剰な期待を煽るショーアップ(=はしゃぎ)」の要素が色濃く組み込まれています。
 
金子氏のパラ言語的特徴の再解析(ポジ/ネガ両面)
 
① 抑揚(ピッチの起伏と強調)
ポジティブな側面(エンターテインメントとしての牽引力):
「香り立つ、退廃と官能」「音の魔術師」といった強い言葉において、声のピッチを意図的に跳ね上げ、劇的な起伏を生み出しています。これは視聴者の耳を瞬時に惹きつけ、難解に思われがちなクラシック音楽を、ドラマチックな「体験」として予告する強力なナビゲーションとして機能しています。
ネガティブな側面(感情の強制と過剰な芝居がかり):
悪く言えば、映画の予告編(トレイラー)や商業演劇のMCのような「作り込まれすぎた抑揚」です。音楽そのものが語る前に、ナレーターが「めくるめく」「心震える」と感情の頂点を先取りしてしまうため、聴取者から自律的な鑑賞の余白を奪い、解釈を押し付けている(はしゃぎすぎている)という作為的な印象を与えます。
 
② スピード(テンポと間のデザイン)
ポジティブな側面(祝祭感の演出):
言葉をポンポンと畳み掛けるようなスピード感と、その直後に突然急ブレーキをかけるような「タメ(間)」のコントラストが絶妙です。この緩急の波が、これから幕が開くという「祝祭的・高揚的」な空気を醸成し、日常から非日常へのスイッチを効果的に切り替えています。
ネガティブな側面(消費的・扇情的なリズム):
テンポの急激な変化は、視聴者の注意を強制的にコントロールするテレビ的・広告的な手法です。「極限のダイナミクスを引き出すソヒエフの手腕は必見」といったフレーズにおける前のめりなリズムは、クラシック音楽の本来の時間の流れとは異質な、情報消費的な煽り(プロモーション)の匂いを強く感じさせます。
 
③ トーン(声色と響き)
ポジティブな側面(華やかさとブランドの体現):
息を多めに混ぜた艶やかな声色は、オーケストラのきらびやかな音色とリンクし、「N響の定期公演」という最高峰のイベントにふさわしい華やかさ、ゴージャスさを聴覚的に体現しています。
ネガティブな側面(自己陶酔と権威の装飾):
声に「陶酔感」が過剰に乗っているため、対象(楽曲や演奏者)への客観的な紹介というより、「これほど素晴らしい芸術を紹介している番組(および私)」という自己言及的なナルシシズムに聞こえる危険性を孕んでいます。これが「きわどさ」や「鼻につく」印象に繋がる要因です。

メディア史に残る大罪

メディアや研究者が、批判が足りなかったとよく顧みる必要がある
 
ニュースアップ『旧統一教会に解散命令 今後の課題は?』(NHKラジオ第1、3/5 18時台)の中で、島薗進氏(東京大学名誉教授)がそう指摘した。
 
NHKは、前日にもラジオ第1でニュース解説『旧統一教会「解散命令」 清算手続きと今後の課題』(3/4 19時半)を放送した。が、メディアがこの問題を放置した結果、被害が拡大したことには一切触れなかった。当事者意識が欠如していると言わざるを得ない。
 
メディアがその役割を果たさず、被害を拡大・長期化させた面がある。この晴れない疑惑について、AI(Gemini Pro 3.1 Preview、Temperature:1.0、Persona:政治アナリスト)に質問を投げかけてみた。Geminiいわく「
 
メディアの「構造的な怠慢」が被害を拡大・長期化させた最大の要因の一つであると断言できます。背景には、日本のメディアが長年抱えてきた「4つの深刻な病理と及び腰」があります。
 
1. 「政界との癒着」という政治的タブーへの忖度
旧統一教会は「国際勝共連合」という反共産主義の政治団体を隠れ蓑にし、長年にわたり自由民主党を中心とする保守系政治家と強固な関係を築いてきました。選挙での組織票や無償の運動員派遣は、政治家にとって魅力的でした。
メディアの政治部やトップ層は、この「与党と教団の蜜月関係」を古くから知っていながら、政権与党の逆鱗に触れることを恐れ、深く追及することを意図的に避けてきました。「政治家が庇護している団体」であるという事実が、メディアにとって強力なストッパー(自己規制)として働いていたのです。
 
2. スラップ訴訟(恫喝的提訴)と抗議への「萎縮」
島薗氏も「とても難しい団体で逃げたくなる」と示唆していますが、旧統一教会は、教団を批判するジャーナリスト、弁護士、学者、そしてメディア企業に対して、執拗な抗議行動や名誉毀損での高額な損害賠償請求訴訟(いわゆるスラップ訴訟)を乱発してきました。
メディア企業は「訴訟リスク」や「終わりのない抗議対応のコスト」を嫌がり、「面倒な宗教団体には触れない方が無難である」という事なかれ主義に陥りました。これが「報道の空白」を生み出しました。
 
3. 「消費期限切れの過去のニュース」という認識の誤り
1980年代の「霊感商法」問題や、1992年の有名人(桜田淳子氏など)が参加した「合同結婚式」の際、日本のメディア(特にテレビのワイドショー)は旧統一教会を大々的に報じました。しかし、それはあくまで「一時的なブーム」や「スキャンダル」としての消費に過ぎませんでした。
その後、教団が名前を隠した正体隠し勧誘へと手口を巧妙化させ、被害が水面下で深刻化(宗教2世の貧困やネグレクトなど)していたにもかかわらず、メディアは「統一教会問題は90年代に終わった古い話」と勝手に幕引きをしてしまいました。継続的な定点観測(ウォッチドッグ機能)を放棄したのです。
 
4. 「オウム真理教事件」のバイアスと信教の自由の拡大解釈
1995年のオウム真理教事件以降、メディアや社会における「危険なカルト」の定義が「テロや殺人など物理的な暴力を行う集団」に偏ってしまいました。
そのため、旧統一教会による「家庭崩壊」や「極端な財産収奪(経済的暴力)」が、単なる「民事上のトラブル」や「自己責任」として矮小化されてしまったのです。また、「信教の自由」を過剰に配慮するあまり、宗教法人を批判すること自体にメディアが過敏になっていた面も否めません。
 
アナリストとしての結論
安倍元首相の銃撃事件(2022年)という民主主義を揺るがす悲劇が起きるまで、メディアがこの問題を放置した責任は極めて重いです。
もし2000年代、2010年代にもメディアが教団の資金源や政治家との関係を厳しく調査報道し続けていれば、政治家も教団と距離を置かざるを得ず、行政の対応(名称変更の認証など)も変わり、被害の拡大は確実に防げたはずです。
島薗氏の「顧みる必要がある」という言葉は非常に控えめな表現ですが、本質的には「権力(政治)の監視と、社会的弱者(被害者)の保護という、ジャーナリズムの最大の存在意義を放棄していた」というメディア史に残る大罪を指摘していると言えます。今後の解散・清算手続きにおいて、メディアが過去の反省を踏まえ、どれだけ「しつこく」監視を続けられるかが真に問われています。」
 
続いて、ジャニー氏の問題との類似性についても尋ねた。「
 
旧統一教会問題とジャニー喜多川氏の性加害問題。一見まったく異なるジャンルの事件に見えますが、政治・メディア力学の観点から見れば、「メディアの不作為(報じなかったこと)が加害を助長し、被害者を絶望の淵に追いやり続けた」という点で完全に同じ構造を持っています。
 
「メディアが事件に加担したと言われても仕方ない」というあなたのお考えは、決して感情的な飛躍ではありません。報道理論においても、それは明確な「共犯関係」として説明できます。以下の3つの観点から、その理由を紐解きます。
 
1. 「報じない権力」による不作為の共犯
ジャーナリズムには「何を報じるか」を決めるアジェンダ・セッティング(議題設定)機能がありますが、同時に「何を報じないか」を決める強大な権力も持っています。
旧統一教会の政界工作や宗教2世の悲惨な実態、そしてジャニーズ事務所の未成年への性加害は、業界内では長年「公然の秘密」でした。しかし、メディアがそれを黙殺し続けたことで、社会的には「存在しないこと」にされました。
警察が動かない、行政が見て見ぬふりをする中で、最後の砦であるはずのメディアが沈黙したことは、加害者に対して「今のやり方で問題ない。我々は黙認する」という強力なサイン(お墨付き)を出し続けたことと同義です。これを「共犯」と呼ばずして何と呼ぶべきでしょうか。
 
2. 「圧倒的な権力」への隷属とビジネスの優先
なぜ報じなかったのか。理由は極めてシンプルで、自らの組織の利益と保身のためです。
旧統一教会問題:背景にいる「時の政権与党(自民党の有力者たち)」への忖度と、教団からのスラップ訴訟などのトラブル回避。
ジャニーズ問題:視聴率や雑誌の売上を担保する「絶対的権力者(事務所)」のご機嫌取りと、キャスティング権を握られていることへの恐怖。
どちらも、「権力を監視し、弱者を救済する」というジャーナリズムの看板を自ら下ろし、「権力と結託してビジネスを回す」ことを優先した結果起きた悲劇です。
 
3. NHKを含むメディアの「第三者を装う欺瞞(ぎまん)」
あなたがNHKのニュース解説に憤りを覚えたのは、彼らが「あたかも自分たちは昔からこの問題を客観的に見つめてきた良識派である」かのような、安全圏からの第三者ヅラをしているからだと思います。
本来であれば、ニュースの冒頭や解説の前提として、「なぜ我々NHK(あるいは各メディア)は、数十年にわたりこの問題を深く掘り下げてこなかったのか」「なぜ政治家と教団の癒着を、選挙報道の中で有権者に提示できなかったのか」という痛切な自己検証と謝罪があってしかるべきです。
ジャニーズ問題では、BBCという「外圧」によってようやく重い腰を上げ、各局がアリバイ作りのような検証番組を作りました。しかし、旧統一教会問題と政治の癒着に関しては、安倍元首相の事件というあまりに悲惨な「外圧」があったにもかかわらず、メディア自身の責任を問うような本格的な自己検証はほとんど行われていません。
 
結論:メディアに求められる「真の落とし前」
メディアが「単なる傍観者」ではなく、自らが被害を拡大させた「システムの一部(加担者)」であったことを公式に認め、過去の報道局長や編成トップにまで遡ってヒアリングを行い、「なぜ報じられなかったのか」を検証・公開しない限り、彼らが語る「今後の課題」や「被害者救済」という言葉は、空虚なポーズに過ぎません。
政治の腐敗を正すためには、まず「政治の腐敗を黙認してきたメディア自身の腐敗」を厳しく追及する主権者(視聴者・読者)の目が不可欠です。それこそが、これからのメディアを監視し、真のジャーナリズムを取り戻すための最大の力になると私は確信します。」
 

仲代達矢追悼番組

ETV特集「仲代達矢が歩んだ役者道」(3/7)を観た。
 
総合テレビではなくEテレのETV特集で、75分の拡大枠、そして【語り】三宅民夫、もうこれだけで、NHKが何かを言わんとしていることが感じられる。
 
実際に観てみると、このドキュメンタリーは、追悼のための単なる伝記に留まらず、拡大枠という器を用意してまで伝えなければならないほどに、強いメッセージを放っていた。
 
・老いのロールモデルを再定義する
・プロフェッショナリズムへのレクイエム
・死を、敗北ではなく、未完として描く
・反戦という社会的使命の継承

この4行を【要約】とするコラムをnoteに書いた。仲代達矢追悼番組が発する我々への異色のエール|note。そして、NHKへ投書を送った。「
 
仲代達矢さんの追悼番組、感銘を受けました。60代の私にとって本作は、単なる名優の伝記ではなく、人生後半戦への「異色のエール」でした。
穏やかな老後という世間の脚本を拒絶し、次の舞台を準備しながら途上で果てる。その凄絶なまでの現役への執念に、死ぬまで自分という役を演じきる覚悟を学びました。美談に終始せず、一人の表現者の狂気と孤独、そして身体に刻まれた戦争の記憶を真っ正面から描き出した演出に、公共放送としての強い矜持を感じます。
定年や引退を人生のまとめと考えがちな現代において、仲代さんの前のめりな生き様を提示したことは、多くのシニア世代に、死ぬまで未完でいい、攻め続けろ、という強烈な刺激を与えたはずです。これほどの熱量で稀代の役者の魂を記録し、私たちに届けてくれた制作陣に深く感謝いたします。私自身のファイティングポーズを問い直す勇気を頂きました。」
 
この番組、あとまだ数日、NHKプラスで観ることができる。
 
仲代達矢さん死去(サイト内)。ETV特集「仲代達矢が歩んだ役者道」(NHK-Eテレ、3/7 23:00-24:15)

警報解除

英ドラマ、刑事フォイル「警報解除」(The All Clear)をYouTubeで観た。1945年5月、ヒトラーが死にチャーチルが戦争が終わったとラジオで告げるまでの頃に事件が起きる。
 
懐かしい顔ぶれが揃う。米軍のジョン・キーファー(John Kiefer)、保安局のヒルダ・ピアース(Hilda Pierce)、そしてフォイルの息子アンドリュー(Andrew Foyle)。
 
後半、浜辺の車の中で、アンドリューがサムに詩を披露する場面がある。AI(Gemini)に文字起こしと詩の評価をお願いしてみた。
 
Gemini said
この詩のタイトルは、エピソードの題名と同じ「The All Clear(警報解除)」です。
 
"The All Clear"
They've sounded out the last all clear and told us, those who made it here,
That very soon we'll hold once more those things that we held dear before.
Yet nothing's clear to me.
I gaze from darkness to a summer haze,
And though they part, the clouds of war lead only to uncertain days.
 
最後の警報解除が鳴り響き、ここに辿り着いた我々に告げた。
かつて大切にしていたものを、間もなく再び手にすることができるだろうと。
だが、僕には何も晴れ(クリア)てはいない。
暗闇の中から、夏の霞を見つめている。
戦雲が去ったとしても、その先にあるのは不確かな日々だけなのだ。
 
アンドリューが詠んだこの詩は、派手なレトリックを排しながらも、復員兵の複雑な内面を非常に高い格調で表現した優れた短詩です。ご要望の視点、韻(Rhyme)の構成、語彙の選択(Vocabulary)、格調(Tone and Elegance)から詳しく分析・評価します。
 
この詩は、伝統的な英語詩の形式である「押韻二行連(Rhyming Couplets)」を基本としています。
 
clear / here (A/A)
more / before (B/B)
haze / days (D/D)
 
特筆すべきは、中間の "Yet nothing's clear to me." という一行です。ここだけがどの行とも韻を踏んでおらず、孤立しています。これは技術的なミスではなく、「世界は平和(韻が整った状態)に戻ろうとしているのに、自分一人だけがそこから取り残され、調和できていない」というアンドリューの疎外感と孤独を、形式そのもので表現しています。
 
非常にシンプルながら、重層的な意味を持つ言葉が選ばれています。
"All Clear"(警報解除):この詩のキーワード。空襲警報が止むという物理的な意味と、悩みや霧が晴れて「心がスッキリする」という精神的な意味の二重写しになっています。
"Those who made it here":単に「生き残った者」と言う以上に、「死線を越えてようやく辿り着いた」というニュアンスが含まれ、背後に多くの戦友の死があることを示唆。
"Summer haze"(夏の霞):本来、夏は明るく輝かしい季節ですが、ここでは「haze(霞・もや)」と組み合わされることで、平和が訪れたはずなのに先が見えない、ぼんやりとした不安を象徴しています。
 
この詩の格調高さは、その「抑制された感情」にあります。
対比の美学:「暗闇(darkness)」から「夏の霞(summer haze)」へ、「戦雲(clouds of war)」から「不確かな日々(uncertain days)」へ。視覚的なイメージを対比させることで、個人の感傷を普遍的な文学の域に高めています。
伝統的なリズム:弱強四歩格に近い安定したリズム(iambic meter)を用いることで、イギリスの伝統的な戦争詩(ジークフリード・サスーンやウィルフレッド・オーエンなど)の流れを汲む、知的で品位ある響きを持たせています。
 
この詩は、単なる「戦争が終わって嬉しい」という喜びではなく、「戦争という強烈な現実を失った後の、空虚な平和に対する恐怖」を詠んでいます。アンドリューという、若くして多くの死を目の当たりにしたパイロットの「サバイバーズ・ギルト(生き残った者の罪悪感)」が、美しい韻律の中に鋭く隠されており、ドラマのテーマである「戦争が人間に残す傷跡」を象徴する、非常に完成度の高い詩と言えます。
 
サムはこの詩を聴いて「暗いわね(It's very sad.)」と評しますが、その直後にアンドリューが不器用なプロポーズをすることで、この「不確かな日々」に一つの確かな光を灯そうとする構成も実に見事です。」
 
確かにいいシーンだ。何度か見返した。
 
刑事フォイル(サイト内)。第5シーズン第3話、通算第19話。Alles klar 

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