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2024年08月の記事は以下のとおりです。

息子と狩猟に

  • 2024/08/31 05:58
  • カテゴリー:読み物

必然を積み重ね、偶然を待つ。無理を通そうとするとうまく行かない。つねに用意はして決定はしない。

服部文祥著「息子と狩猟に」(新潮社、2017年)から(p14)。

まったく関係のない二つの話が並行して進む。一方は、息子を連れて狩猟に出かけようと準備をする。もう一方は、詐欺グループ内の諍いに決着をつけようとしている。

二人の男は生まれも育ちも異なるのだけれど、「秘密は自分の口からバレる。しゃべらなければ絶対にわからない」(p41)、「秘密は自分の口から漏れんだよ」(p45)と、似たようなことを言ったりする。二人は吸い寄せられるように一つの山を目指す。そして、そこで事が起こる。

表題作のほかに、カラコルムの高峰での出来事を描いた短編「K2」が併載されている。これを読んでいるちょうどその頃、著名な登山家二人がK2で遭難したという記事を読んだ。

百年前の山を旅する(サイト内)。世界第2の高峰K2で山岳カメラマンの平出和也さんと中島健郎さん滑落、安否は不明(7/28)、K2西壁未踏ルート滑落の登山家2人 所属先が遭難死の見解「追悼」(8/22)

8月の買い物、2024年

ガスレンジ。まだ6年半しか経っていないけれど調子がたいへん悪くなっていた。修理ではなく買い替えることに。使ってる機種の後継品をwebで。型番の数字は365から380へとアップ、買値は6千円ほどダウン。

サーキュレーター。エアコンからの冷風をかき回すために。それ用に使っていた小さな扇風機を別の場所へ移動したので。卓上据置き、DCモーター、32畳適用。デザインと静かさ重視で決めた。

工房へ履いて行く靴を新しくした。1年半前に買ったクロックスもどきは底が擦り減って穴が空きそうになっていたので。ワークマンで底がラバーのサンダルを千円弱で。

カーテンレールのキャップストップ。一つ。プラスチックの劣化でぼろっとレールの端から脱落した現物を持参し、ホームセンターで似たようなものを探した。完全に同じではないけれど使えるだろうと踏んで購入。TOSO製「ネクスティ」シリーズ。百円弱だった。

普段履きの靴。New Balance 880。この番号は初。今回も373のシリーズにしたかったけれど気に入るのがなくて。これは7月の買い物。前の373は、木工などの作業用に回す。もひとつ古い作業用574はこれでお払い箱。3年ほどで順送り。

電子レンジ買い替え(サイト内)

トムは真夜中の庭で

  • 2024/08/29 05:54
  • カテゴリー:読み物

キラキラかがやいている黒い目は、たしかにハティの目だった。身ぶりや、声の調子や、笑うときの表情などがおばあさんのなかにあることに気づきはじめた。

トムは、目の前のおばあさんが庭園で会ったあの小さな女の子だということを知る。思わず乗り出して、あなたはハティだと囁く。二人の再会に心が揺さぶられる。

引用は、フィリパ・ピアス著「トムは真夜中の庭で」(岩波書店、1975年第1刷、2000年新版第1刷)から(p330)。四十数年ぶりの再読。

昔持っていた本は背が緑色だったが新版のこの本は赤っぽい背。表紙の絵や本文中の挿絵はかわっていないように思う。遥かなる時間を越えてスケート靴を受け渡す場面にはどきどきしたし、二人がスケートする後ろ姿を眩しく眺めた。そうそうこの挿絵だ。印象深く覚えている。懐かしい。

別の時間の流れの中で誰かに出逢う。映画「ある日どこかで」(1980年)もそうだ。女性の方がおばあさんになってしまう点も似ている。トムは最後にハティを抱きしめる。が、映画の方ではリチャードにはそれは叶わない。

眠れない時に読む本ある日どこかで(いずれもサイト内)

浜畑賢吉さん死去

7月に亡くなられたとか。追悼2024でアラン・ドロンの訃報を読んだあと、8月そして7月と遡ってスクロールする内に浜畑さんの名前に行き当たった。

「日めくり万葉集」(2008年)に出演しているのを観た。その折、彼が選んだ一首は、蟹を憐れんで乞食者(ほかいびと)が詠んだ長歌だった(巻16-3886)。ちょっと驚いた。

詠み人の乞食者は、文字通りの乞食ではない。現代で言うところの芸能人。芸を売り見返りを得ていた。芸を売る乞食者が、蟹を擬人化して詠む。その蟹も芸を売る。

蟹にお座敷がかかる。「歌うたいとして呼ばれるはずもない。笛吹きとしても呼ばれることがあろうか。琴弾きとして呼ばれるはずもない」と、本人は承知している。が、とにかく出かけてみる。すると、蟹は、縄で縛られ料理され食われてしまうのだった。

どんな気持ちでこの一首を選んだのか、番組の中で述べられたかどうか記憶にない。現代の俳優がこれを選んだ、それに驚いたことをよく覚えている。

「日めくり万葉集」メモ(サイト内)。巻16-3886|万葉百科、追悼2024 写真特集|時事ドットコム

松本隆(作詞)作品集

  • 2024/08/27 06:10
  • カテゴリー:音楽

ラジオ深夜便の3時台の枠で放送される「作家で綴る流行歌」。これに毎年のように登場する「松本隆(作詞)作品集」。手元にいくつか録音(mp3)が残っていて、その一番古いのは2005年4月5日放送分。

その2005年の番組で紹介されたのは9曲。お題の通りすべて松本隆作詞。まずは、大ヒット曲、太田裕美「木綿のハンカチーフ」(筒美京平)。( )内は作曲者、以下同じ。

寺尾聰「ルビーの指環」(寺尾聰)や、松田聖子「赤いスイートピー」(呉田軽穂)、森進一「冬のリヴィエラ」(大瀧詠一)、アグネス・チャン「ポケットいっぱいの秘密」(穂口雄右)と、よく知られた曲が続く。

さらに、森山良子「バス通り裏」(財津和夫)、ザ・リリーズ「好きよキャプテン」(森田公一)、はっぴいえんど「夏なんです」(細野晴臣)、そして最後は、大瀧詠一「1969年のドラッグレース」(大瀧詠一)。

大瀧が唄う曲は、アルバム「EACH TIME」(1984年)の「1969年のドラッグレース」が採られた。そのアルバムの全曲いずれも松本隆作詞。大瀧の曲はもちろん松本の詞も冴えている。とりわけ、「ガラス壜の中の船」や、「ペパーミント・ブルー」、「レイクサイドストーリー」。

前作(と言うべき)アルバム「A LONG VACATION」(1981年)でも、二人は作曲作詞で組んだ(一部例外あり)。ただし、詞に限っては、「EACH TIME」の方がだいぶ良いように思う。

敬称略。

# 大瀧詠一しあわせ未満(いずれもサイト内)

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