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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

カールの罪状

  • 2025/09/05 06:16
  • カテゴリー:読み物

わたしは今後、みなさんの監督役となり、計画の提案を受けて許可あるいは却下の判断をします。

悪の親玉シスルがそう言う。長年に渡って緻密な計画をやり遂げて来ただけあって、やるべきことは判っている。ユッシ・エーズラ・オールスン著「特捜部Q-カールの罪状」吉田奈保子訳(早川書房、2023年)から(p367)。シリーズ第9作。

「提案」と「判断」。強力かつ重要なフレームワークだ。そんな説があるかどうか知らないけれど私はそう確信している。組織はこの二つで動いていると、はっきり認識して以降、仕事、特に新規事業の開発は、随分、進めやすくなった。

今作で、特捜部Qのリーダー、カール・マーク警部補は逮捕されてしまった。次は最終作となるらしいのだが、果たして、カールは、そして、例のアマー島の事件はどうなる。

特捜部Qフレームワーク十選(サイト内)

賃上げ成長論の落とし穴

  • 2025/08/27 14:42
  • カテゴリー:読み物

基本的には転職によってより賃金の高い企業へ移動する。もしくは、各企業や産業において生産性を高め、より付加価値の高いシステムを構築することにより賃金を引き上げる

今後、賃金を引き上げていく、それを持続させる、そうするためには、と第7章第2節「今後の賃金上昇のために」は始まる。

中村二朗・小川誠著「賃上げ成長論の落とし穴」(日経BP、2024年)から(p296)。最寄り図書館の新着本コーナーにあったのを借りて来た。

働く者の立場からすると、要するに、より賃金の高い企業で職を得る、ということだ。

企業側は、「生産性を高め、より付加価値の高いシステムを構築する」、いわゆる高度化することが求められる。それにより、利益率の向上を図り、賃上げ余力を生み出す。

産業や事業の高度化は、例えば、巷でよく言われるITとかDXとかAIなどを駆使して、これまでの延長線上ではない、事業内容や、仕事の進め方へとがらっと転換するイメージか。

そんな高度化は、どんな会社でも実施できるわけではない。大企業は比較的やりやすいだろう。本書の表7-1「事業所規模間賃金格差の国際比較」が示す通り、既にその傾向は現れている。大企業と中小零細を比べた賃金格差は、日本は他国より強く出ている。

つまり、日本の中小零細企業にとっては高度化は容易ではなく、積極的に賃上げに取り組めない状況にあることが判る。

そういう会社はいったいどうしている。早々と給料が上がった人たちの購買力は向上し、物価も上昇。結果、中小零細でも、商品の値上げが可能となって来る。わずかばかりの賃上げの原資を得て、最低賃金ラインをなんとか死守する。そういう構図から抜け出せずにいるのではないだろうか。

最低賃金(サイト内)

ジャッカルの日

  • 2025/08/22 06:00
  • カテゴリー:読み物

最終的にこのプランでいこうと決心するまでに、一ダース余りのアイデアを子細に検討した。"いつ"と"どこ"はすでに決定していたので、最後に残った"どうやって"を解決したのである。

F・フォーサイス著「ジャッカルの日」篠原慎訳(角川書店、1973年)から(p73)。

主人公ジャッカルは、一ダース余り、十数個のアイデアを検討。そして、一つの暗殺計画を練り上げた。採用されなかった残りのプランはどういうものだったのだろう。

似たような話があった。5つほど案を出して、まず手初めて第1のプランでやってみたら上手くいって一件落着。その顛末を聞いて、残り4つほどの未実施のプランを聞けないのは残念なことだ、と助手が悔やむエピソードがあった。確か、ホームズとワトソンの物語だと思うのだけれど、どういうタイトルか全く思い出せない。

事の成否は選択肢を並べられるかどうかに依る。数があればいいと言うものではない。どれを採っても有効な選択肢を、それも最低3つは用意したい。

フォーサイス氏死去名探偵の誕生選択を間違えた場合に矢部正秋(いずれもサイト内)。変装のエキスパート(p354)

本音を引き出す質問

  • 2025/08/07 06:19
  • カテゴリー:読み物

人は質問に対して本能的に答えようとする性質がある

商談やビジネスを進めるには、そういう「性質」を覚えておくと良い、と著者は言う。渡瀬謙著、本音を引き出す「3つの質問」(日経ビジネス人文庫、2016年)(p132)。

フレームワークのようにパターン化するのもありかもしれない。場面によって、答えにくい質問と答えやすい質問を、順次、繰り出し、相手の気持ちをコントロールする。

どこか、こすからい感じもしなくもないが、商売なんて何にせよ、相手の物欲を刺激して商品をお買い上げいただく取り組みだ。本来、そこに、きれいごとはない。

フレームワーク十選(サイト内)

Re: 希望の糸

  • 2025/08/02 06:36
  • カテゴリー:読み物

モニターが消えたままのカラオケボックスというのは、こんなにうらさびしい空間なのか、と思った。

警視庁捜査一課の刑事、松宮脩平は、この時、捜査対象から話を聞くのにカラオケボックスを予約していた。街中で手軽に使える個室だ。

東野圭吾著「希望の糸」から(p227)。再読。加賀恭一郎シリーズ第11作。

かつて私もカラオケ以外の目的でカラオケボックスを使っていたことがある。一人のこともあったけれどたいがい二人で。用途は、楽器の練習。20年いや30年も昔の話。

モニターなどカラオケ設備はオフにしておいてもらった。ソファに座っては吹けないのでパイプ椅子など普通の椅子をお店から借りた。譜面台は持参。

二人だとデュオ(二重奏)をすることになる。これは練習という名のお楽しみ、完全にお遊び。ドヴィエンヌ作曲「6つの二重奏」の楽譜は必ず用意した。ほかにもあれもこれもと棚から引き抜いて持って行くと楽譜の束だけでもかなりの重さになった。

楽器は数キロある。譜面台(Wittner)も軽くない。それに楽譜。そんな一式を、どこか外で吹くとなると運んでいた。なかなかの荷物だ。

希望の糸(サイト内)。6 Bassoon Duets, Op.3 (Devienne, François)|IMSLP

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