エントリー

カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

Re: 文明の生態史観

  • 2021/08/03 06:31
  • カテゴリー:読み物

せいぜい文化論で、文明という言葉をつかうと、学術書ではないという雰囲気がありました。しかし、それが今日、一九八三年に比較文明学会という学術団体もできていますし、文明を無視して世界を語ることがむずかしくなってきました。

梅棹忠夫著「文明の生態史観」(1967年)の意義の一つ、日本における文明学の先駆。川勝平太氏が著者との対談でそう語る。梅棹忠夫編著「文明の生態史観はいま」(中央公論新社、2001年)、第3章 対談「文明の生態史観」の今日的意義から(p64)。

特集「二十世紀図書館」(文藝春秋、1998年8月号)に、後世にのこすべき本を識者に訊ねたアンケートの集計が出ているとか。1) 司馬遼太郎「坂の上の雲」、2) 西田幾多郎「善の研究」、3) 夏目漱石「吾輩は猫である」、4) 梅棹忠夫「文明の生態史観」・・・

文明の生態史観(サイト内)、ethnocentrism(自民族中心主義、p12)

文明の生態史観

  • 2021/07/28 06:31
  • カテゴリー:読み物

日本はかならずしも西欧化を目ざしていたのではない。いまでもそうではない。日本には日本の課題があった。ただ、西ヨーロッパ諸国と日本とは、いろんな点でたいへん条件が似ていたために、平行的な道をあゆんでしまったとみるのである。その途中で、どちらに由来する要素がよりおおいかという系譜論は、じつはあまりたいした問題ではないようにおもう。

梅棹忠夫著「文明の生態史観」(中公文庫、1974年)、表題作から(p90)。論文の初出は1957年、単行本は1967年刊。著者独特の、ひらがなが多い文章。

旧世界の両端、西ヨーロッパと日本は、「いちじるしい共通点をもっている」。封建体制があった。革命によってブルジョアが支配権を握る。帝国主義をやった。資本主義国である。二次大戦後はいっせいに落ち目。それが基になった学説に欧米の人たちがどう反応したか。少なくとも、極東の島国とは一緒くたにされたくないと、当時、強く思ったに違いない。今でもそうだろうと思う。

次の本へ(サイト内)

次の本へ

  • 2021/07/26 06:30
  • カテゴリー:読み物

お二人の現実認識は大きく異なっている。なぜこのようなことが起こったのかについてのお二人の説明はさらに大きく異なっている。現実は一つしかなく、その正しい認識も一つであるという常識は本当に正しいのだろうか。

林原の倒産について、社長と財務担当専務が各々本を書く。同じ会社の経営に携わり、きわめて近くにいた二人なのに、「二冊の本を読むと『現実は一つ』という常識が変わる」(加護野忠男著)。苦楽堂編「次の本へ」(苦楽堂、2014年)から(p120)。

# カバーや本文中の装画は、青山大介「海文堂書店絵図1914-2013」とある。「文明の生態史観」から「坂の上の雲」へ(彼らは友人同士だった、江坂彰著)

知略の本質

  • 2021/07/22 06:37
  • カテゴリー:読み物

相反しながらも相互補完的な性質を持つ二つの要素は、両極の一方のみがつねに正しいのではなく、どちらも一面的には正しいのであり、両者を相互作用させながら、情況と文脈に応じて両者の重点配分を変えつつ、ダイナミックに実践し、有効であることを実証してこそ真理である

二項対立(dichotomy)ではなく、両者の利点を生かす二項動態(dynamic duality)。野中郁次郎ら著「知略の本質-戦史に学ぶ逆転と勝利」(日本経済新聞出版社、2019年)から(p374)。「失敗の本質」に始まる四部作の第4巻。

企業の場合、例えば、利益を、ステークホルダへ配分するのか、それとも内部留保して研究開発や設備への投資に備えるのか、そのバランスということになるだろうか。ここに経営の賢愚が如実に表れる。

「実践知リーダーシップの六要素」(p381)、1) 共通善、2) 現実直観、3) 場づくり、4) 物語り化、5) 物語り実現、6) 実践知組織化。これを見てコッターが唱える「変革の8段階」のことを思い出した。

失敗の本質(サイト内)。J・P・コッター「企業変革力」

Re: 組織戦略の考え方

  • 2021/07/20 06:22
  • カテゴリー:読み物

社内で新規事業開発の企画を正当化するのに、事業内容の検討に六割、社内正当化プロセスに四割の時間を必要とするというのは明らかに病気であろう。社内から出てくる批判の対処に四割も時間をとられていては仕事が遅くなり、また実質的な内容の吟味が浅くなる。

大雑把に言って「三割以上」で、かなり深刻な病状。沼上幹著「組織戦略の考え方」(ちくま新書、2003年)、第10章「組織腐敗の診断と処方」から(p206)。一年前に欲求階層説のところ(第4章)を拾い読み。今回、人にすすめた手前、また借りて来て、全体にざっと目を通した。

フリーライダーの件(第5章)は、例示されている労組の話が、今一つ、適切でないように思った。上手く換骨奪胎して、実地への応用を図りたい。

多くの章は、雑誌「プレジデント」で連載されたエッセイだったことが、あとがきでふれられている。それは一度、伊丹敬之ら著、一橋大学ビジネススクール「知的武装講座」(プレジデント社、2002年)に、「三人の先輩方」のエッセイとともに、まとめて収められた。通して読むと、沼上氏担当部分がちょっと毛色が違うように感じたものだ。そこで使われていた図も印象に残っている。

組織戦略の考え方(サイト内)

ユーティリティ

« 2024年05月 »

- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

小林稔侍▽私の人生手帖
2024/05/06 06:10
憲法施行77年
2024/05/05 05:48
Re3: たそがれ清兵衛
2024/05/04 06:18
終わらない戦争
2024/05/03 05:45
北部の山沿いって、どこ
2024/05/02 06:05
ホームベーカリー
2024/05/01 06:01
衆院3補選で自民全敗
2024/04/30 05:57
Re: 二重小協奏曲ヘ長調
2024/04/29 06:00
社会不安高めるSNS悪用
2024/04/28 05:57
走り梅雨、2024年
2024/04/27 06:05

Feed