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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

自分史発見のすすめ

  • 2022/09/17 06:24
  • カテゴリー:読み物

七十二年の「円周チャート」を、十年単位、十二年単位、十八年単位などと規則的に区切ってみたり、または、自分にとっての時代感覚によって主観的に区切ってみると、失われていた「時間感覚」が甦えってくる。どんな人でも「時」の中に生まれ、「時」の中を通り過ぎて行く存在であることには変りがない。

人生を円周一巡りで考えてみる。小川俊一著「自分史発見のすすめ-イメージ・カード60枚による自己確立の技術」(産業能率大学出版部、1979年)から(p47)。四十数年前当時の男子平均寿命は72歳だった。

タイトルに「自分史」の文字がある書籍がいつどれくらい出版されたか、国会図書館のサイトで調べた。戦後1945年から1970年までには見当たらない。その後、5年間ずつ検索してみると、1970-1975年に1冊あり段々増えて行く。[ ]内にヒット件数。

1945-70年 [0]、1971-75年 [1]、1976-80年 [13]、1981-85年 [40]、1986-90年 [98]、1991-95年 [190]、1996-2000年 [201]、2001-05年 [210]、2006-10年 [171]、2011-15年 [174]、2016-20年 [155]

ヒット数が最も多かったのは2001-05年の210件。この中に「55歳から楽しむパソコンで自分史作り」(日経PC21編、日経BP社、2001年)という一冊がある。その頃に55歳だったのは団塊世代の人たちだ。彼らの興味が「自分史」本のピークとなったのだろう。人数が多いだけあって何かとブームを作る人たちだ。

国立国会図書館サーチ、立花隆著「自分史の書き方」(講談社、2013年)

探花

  • 2022/09/15 06:32
  • カテゴリー:読み物

あなたって、そんな人だったかしら

長年連れ添った伴侶にそう言われるのはどんな気分だろう。引用は、今野敏著「探花-隠蔽捜査9」(新潮社、2022年)から(p18)。シリーズ最新刊、数か月待って借りることができた。

警察ものなので当然事件が起きる。県警刑事部長の竜崎は捜査へ口出しはしないと言ってはいるけれど彼の貢献度は決して小さくない。その活躍ぶりもさることながら、周囲の人間との微妙な関係が巧みに描写されている。特に部下の阿久津参事官、大森署時代の貝沼副署長を彷彿とさせる。米海軍犯罪捜査局(NCIS)のキジマ特別捜査官は次作以降も登場するだろうか。大森署の戸高のように活躍すると面白い。

今野敏(サイト内)。探花|Wikipedia

ミレニアム1(下)

  • 2022/09/13 06:23
  • カテゴリー:読み物

悪党にも私生活を守る権利はある。他人の生き方を攻撃するのは、その人を傷つけるとても安易なやり方なんだ。

スティーグ・ラーソン著「ミレニアム1-ドラゴン・タトゥーの女」ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳(早川書房、2008年)、下巻から(p107)。

ミカエルによる謎解きは下巻に入って一気に進む。第16章、三つの発見(p41)。一つは娘から教えられる。彼女はたまたま見た古いメモ書きが何を意味するか判った。思いがけない幸運だ。しかし、三十数年来の謎がそんなに簡単に暴かれてしまうのは、ストーリーとしてちょっと無理があるんじゃないだろうか。

タイトル「ミレニアム」に込められた意味は第2部以降で明らかにされるのだろうか。この下巻に「二十世紀のスウェーデンには、未解決の殺人事件が何十件もある」(p155)とある。これは何か関係するだろうか。

「ミレニアム」(サイト内)。牛一頭牽いて卵の殻の上を歩く(p143)

ミレニアム1(上)

  • 2022/09/10 06:24
  • カテゴリー:読み物

人生の総決算として、未完成のものを整理したくなる時期にきている。

そう言うヘンリック・ヴァンゲルは82歳。三十数年来、解くに解けない謎を抱えている。スティーグ・ラーソン著「ミレニアム1-ドラゴン・タトゥーの女」ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳(早川書房、2008年)、上巻から(p121)。「プリズン・ブック・クラブ」で目にして読んでみる気になった。

探偵役のミカエル・ブルムクヴィスト(経済誌「ミレニアム」の記者)が嘆く。「ヴァンゲル姓の人たちがあまりに多いので、誰が誰だかわからない」(p221)。読む側にとってもその状態がしばらく続く。倦むことなくページをめくる。だんだん様子が判って来る。

ミカエルとリスベット・サランデル(フリーの調査員、ドラゴン・タトゥーの女)との接触が仄めかされたところで上巻は終わる。さて続きはどうなるだろうか。第2部以降もあるらしい。読み進めよう。

プリズン・ブック・クラブ「ミレニアム」(いずれもサイト内)。経済ジャーナリスト批判(p148)、チュニジアの夜(p258)、PowerBook G4 1GHzモデル PowerPC7451 res1440x900(p299)

名もなき町の殺人

  • 2022/09/08 06:27
  • カテゴリー:読み物

一般的に人間は、何かを想像しながら話そうとすると目が右上を向きやすい。逆に事実を思い出しながらだと左上を向く。極めて大雑把にいうと、嘘をつく時は右、本当のことをいう時は左だ

探偵役の神尾武史が言う。なかなかユニークな人物だ。東野圭吾著「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」(光文社、2020年)から(p294)。家人が図書館から借りて来ていたのでこれ幸いと読ませてもらった。

武史は巧みな話術で様々な情報を相手から聞き出す。新潟県生まれのあの有名な宰相も同じ手を使ったのだろうか。「えぇと君は」「はい、○○です」「それは判っている。下の名だよ」「はい、△△です」「そうそう○○△△君だったね」と、さも、相手のフルネームを覚えていたかのよう。実は相手に言わせている。一度聞いた名前を忘れない、それが人心掌握の基本だとか。忘れてしまっていても、そう気取られずに、また言わせる。その話術こそが基本の基本かもしれない。

東野圭吾(サイト内)。腹上死(p129、現在分詞・動名詞)

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