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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

せんそうをよむ

  • 2021/01/20 06:51
  • カテゴリー:読み物

最寄り図書館のOPACで「せんそうをよむ」と入力するとタイトル3つがヒットする。目当ての1冊だけでなく、まとめて借りて来た。以下、各々の導入部から少し抜き書きをした。3冊とも戦争の本を多数紹介している。採り上げている本に重なりはないようだ。ちらほら登場する著者はある、その一人が松本清張だ。

戦争を否定することによって欲望する平和は、時にはその戦争を生み出す原因へと変貌を遂げてしまうかもしれない

中川成美著「戦争をよむ」(岩波新書、2017年)の「まえがき」から(p x)。副題「70冊の小説案内」の通り、小説中心のガイド。松本清張著「遠い接近」が紹介されている。

八十年代以降、学術的用語としては「アジア・太平洋戦争」という表記が定着している。政府が公の場で発話する際には、「先の大戦」という極めて曖昧な表現が多い

石川巧ら編「戦争を<読む>」(ひつじ書房、2013年)の「はじめに」から(p iii)。大学の教科書。特攻や、敗戦、疎開など、15のテーマごとにテキストが選定され本文が採録されている。テーマ「引揚げ」は、松本清張著「赤いくじ」がテキスト。

次なる戦争がいかなる形態をとり、いかなる論理を装い、まったく思いもつかなかった筋道で起こってくるのか

加藤陽子著「戦争を読む」(勁草書房、2007年)の「はしがき」から(p ii)。1930年代の日本政治史を専門とする著者が紙誌に書いた書評を集めた一冊。専門書が多い。松本清張の著作、「昭和史発掘」などに触れている。

加藤陽子(サイト内検索)

感染症

  • 2021/01/18 06:38
  • カテゴリー:読み物

飛沫感染の起こりにくさに日本語の発音の特徴も関係している

著者はこの仮説を「ランセット」で発表したとか。例えば、侵襲性髄膜炎菌感染症は、日本では極めて稀な病気になった。これはもちろん我が国の「清潔文化」によるところが大きいが、それに加えて、発声時に唾の飛沫で菌が飛び散ることが比較的少ないことが関係しているのではなかろうか、と。井上栄著「感染症−広がり方と防ぎ方」増補版(中公新書、2020年4月)から(p34)。

補章で、新型コロナウイルスについて言及している。例のいわゆるソーシャル・ディスタンスは、日本では他国より短くて良いだろうと(p216)。本件も、日本の感染者数が少ない理由の一つが、唾が飛び難い日本語の発音にあると推測しているわけだ。

倍加時間分析、コロナ禍(サイト内)。有気音と無気音

レイニー川にて

  • 2021/01/16 07:27
  • カテゴリー:読み物

それから私は兵士としてヴェトナムに行った。そしてまた故郷に戻ってきた。私は生き延びることができた。でもそれはハッピー・エンディングではなかった。私は卑怯者だった。私は戦争に行ったのだ。

この終わり方には意表を突かれた。ティム・オブライエン著「本当の戦争の話をしよう」(文藝春秋、1990年)に収載の「レイニー川にて」から(p96)。村上春樹訳。

徴兵通知が届く。兵役に就こう。国のために戦う。体面を保つ。卑怯者と呼ばれたくない。いやいや拒否しよう。この戦争には賛成できない。大義はあるのか。侵略戦争ではないのか。もちろん死の恐怖もある。拒否するだけの強さを持っているのか。カナダへ逃げ込んでしまえば簡単だ。主人公は、国境のレイニー川まで車を走らせる。その畔でさらに逡巡の数日を過ごし、そして、自身の立場を思い知るのだった。

# 「二十年を経て振り返って」(p87)。雷鳥の森(サイト内)

尖閣諸島の不都合な真実

  • 2021/01/14 07:02
  • カテゴリー:読み物

購入後に島を整備すると言っている石原都知事に購入されるよりも、国が買ってしまって何もしないほうが、まだ中国とのいい関係を保てると考えても不思議ではありません。

政府は当初、港も造るし整備もすると言っていた。対外的に「固有の領土」と主張しているのだから、さもありなんと誰しも思っただろう。ところが国有化が決まると、島を整備する話は反故にされたのだ。詳細は不明。どっかから「圧力」などがかかったのではと著者は推測している。

引用は、中山義隆著「中国が耳をふさぐ尖閣諸島の不都合な真実−石垣市長が綴る日本外交の在るべき姿」(ワニブックス、2012年)から(p187)。

引用した例で見るように、この島のことでは、伏せられた事情があるようだ。それに、領土問題の議論は、偏った情報に基づいてなされる傾向が強い。いずれも、詐術を見せられているようで、良い心持ちがしない。

尖閣(サイト内検索)

米朝核戦争

  • 2021/01/12 06:55
  • カテゴリー:読み物

北朝鮮のミサイルのうち迎撃できたものが一つでもあるのか、疑問視する声もある。ミサイルが飛行中に壊れた、あるいは核弾頭が大気圏に再突入する際に壊れた可能性のほうがはるかに高い、というのだ。

北朝鮮が発射した13発のミサイルの内、米国に核弾頭を落とした7発はもちろんのこと、どうやら、届かなかった6発も、アラスカのミサイル迎撃システムが防いだのではなかった。引用は、ジェフリー・ルイス著「2020年・米朝核戦争」(文春文庫、2020年)から(p243)。核不拡散と地政学の世界的権威が書いたシミュレーション小説。最寄り図書館の新着コーナーにあった本書、たいへん興味深く読んだ。

二つのミサイル(サイト内)。『2020年・米朝核戦争 』ひっそりと世に現れていた奇書|HONZ

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