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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

山陰土産

  • 2020/04/24 06:39
  • カテゴリー:読み物

青空文庫で色々見ている際、島崎藤村のリストの中に「山陰土産」というタイトルがあるのに気付いた。ぴんと来るものがあった。いかにも紀行文っぽいこれには、おそらく、あのことが書かれているのだろうと。あれは、大学に入って最初の夏休みのことだ。オケの先輩たちに連れられて、鳥取県の浦富海岸へ遊びに行った。その折に見かけた案内板に、かつて、ここを島崎藤村が訪ねた、とあったのだ。果たして、「山陰土産」のファイルを開けてみると、浦富海岸の節があった。藤村が、次男鶏二とともにこの地を訪ねたと記している。それは昭和2(1927)年7月。おれが案内板を見たのは、それから54年後のことだった。

浦富海岸には、あれ以来、何度か遊びに行った。鳥取市で開かれた学会に参加したついでに訪ねたこともある。行く度、専ら、熊井浜で過ごした。羽尾坂トンネルの手前で車を降りて脇道を上る。峰を越えて少し行くと見えて来る。こじんまりした砂浜に、両側の岩場がすぐそこに迫る。その様子から、クロワッサンの窪みの中に入り込んだような気分になったものだ。またあの浜辺を訪ねることはあるだろうか。

作家別作品リスト:島崎藤村|青空文庫沢田廉三 - Wikipedia、ハマボウフウ、スナビキソウ、クロマツ、トベラ、タイトゴメ

天地明察

  • 2020/04/23 06:50
  • カテゴリー:読み物

江戸という時代は、人間の才能を掘り起こさなければやっていけない時代だった

今もそのはず、社会は所詮は人が作るものなのだから。しかし現代日本は本当の意味で人を大切にしていない。冲方丁著「天地明察」(角川文庫、12年)の、養老孟司氏による解説から(下巻p290)。この部分を読んで、明治は良い時代だったと詠った、中村草田男のあの句を思い出した、脈絡もなく。

保科正之武家官位頒暦貞享暦(いずれもWikipediaの項目)、冲方丁(うぶかたとう)

ひとごろし

  • 2020/04/21 06:27
  • カテゴリー:読み物

「なにしろその、道に落ちている財布を拾う、というようなわけにはいかない問題だからね」「お拾いなさいよ、道にはよく財布が落ちているものですわ」

妹にそうけしかけられた六兵衛は、自他ともに認める臆病者。それが、道に落ちていた財布を拾うかのように、上意討ちの討手に「つい」名乗り出てしまう。新潮現代文学17巻「山本周五郎」(新潮社、79年)に収載された「ひとごろし」から(p378)。

青空文庫を訪ねてみると本編はそこにもあった。ファイルの末尾に、2020年1月24日作成とある。つい最近のことだ。山本周五郎(1903-1967)の作品は、没後50年経た翌年の2018年からパブリック・ドメインとなり、文庫への収録が始まったのだろう。なお、その年の末にTPPが発効され著作権の保護期間は70年に延びた。1968年に死没した作家、例えば子母沢寛や広津和郎ら、の著作権が切れるのは、2019年ではなく2039年となった。三島由紀夫は2041年。

寒橋TPP 発効と著作権(いずれもサイト内)、山本周五郎著「ひとごろし」青空文庫

朝日ぎらい

  • 2020/04/18 12:35
  • カテゴリー:読み物

1) 国際社会では「リベラル」、2) 若者に対しては「ネオリベ」、3) 既存の支持層に対しては「保守」、4) 日本人アイデンティティ主義者に対しては「ネトウヨ」

これが「安倍一強」の秘密か、なるほど。意図して四つの顔を使い分けているのか、それとも、各パーティから、たまたま、そんな風に見えるのか。いずれにせよ上手く機能して来たんだろう。コロナ禍の有事で、だいぶ綻びが見えているようだが。引用は、橘玲著「朝日ぎらい-よりよい世界のためのリベラル進化論」(朝日新書、18年)から(p171)。著者会心の作なのか、「文筆家の仕事は、他人がいわない主張を紹介し、言論空間にゆたかな多様性を生み出すこと」と冒頭で謳っている(p3)。確かに、興味深い指摘が少なくない。今、図書館がお休みで返却はちょっと先になる。読む本がなくなったら、この本、また読んでみよう。

既得権を巡る世代分裂(p30)、会社を憎む日本人(p38)、ネトウヨは右翼ではなく日本人アイデンティティ主義者(p79)、共同体維持のための安易なバッシング(p91)、愛国は右翼の独占物となった結果、朝日=愛国でないもの=反日の図式(p107)、帰属意識を掻き立てるポピュリズム(p113)、正義をめぐる4つの立場(図3-1、p144)、保守とリベラルの「道徳の味覚」(p159)、どこまで許容するか=道徳センサー=良心(p228)、リベラリズムを蝕む自らのダブルスタンダード(p254)

日本人は右傾化したのか安倍政権は、なぜ続くのか(いずれもサイト内)、若者が「朝日新聞ぎらい」になった謎を考える(18/9/11)、WEIRD。[追記]揺らぐ1強、力学変化 コロナで混迷、安倍政権(4/19)

不死身のひと

  • 2020/04/17 06:15
  • カテゴリー:読み物

帰りの船の中で海鼠はぐったりしたり、死んでしまう。そこで、漁師は船の海鼠の生簀にカニを投入した。海鼠は食われまいと必死に抵抗し、港まで生きて帰って来た

イギリスの話と著者は書いている。同じ趣旨の、イワシとナマズの話を聞いたことがある。特に根拠なく日本の話と思っていたけれど、あらためて調べてみると、ノルウェーのお話のようだ。Wikipedeiaには、Catfish effectの項目がある。引用は、村串栄一著「不死身のひと-脳梗塞、がん、心臓病から15回生還した男」(講談社+α新書、17年)から(p180)。

人生五十年、「今はゴムを引っ張るようにして八十歳まで伸ばしている」(p106)。耐久性に限りがあるのだから、そこそこの年齢になれば、身体のあちこちに故障が出るのは当然。程度の差こそあれ誰にでも起こる。長生きには相応の覚悟が要る。

Catfish effect - Wikipedia、Arnold Joseph Toynbee(1889-1975)英国の歴史家、台湾の外省人と本省人[福佬(ふくりょう)人と客家人]

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