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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

名作の中の地球環境史

  • 2019/11/08 06:24
  • カテゴリー:読み物

カムチャッカ半島で起きた巨大噴火(略)と同時に約300年にわたる干ばつがはじまり、地中海東部から西アジアの広大な地域に影響をおよぼした。

大規模な飢饉の発生に伴い、水や食料を求めて人や家畜が移動。イスラエル人も、西アジアからの民族移動の一部としてエジプトの肥沃なナイル・デルタへ入植したとみられる。石弘之著「名作の中の地球環境史」(岩波書店、11年)、第22章のモーセ「出エジプト記」から(p293)。OPAC で「白鯨」を検索していて、興味深いこの本を見付けた。

古代イスラエル人の放浪は、火山の冬が原因とも考えられるんだな。カムチャッカのシベルチ山による紀元前22世紀来の火山活動が北半球に火山の冬をもたらした。寒冷そして乾燥がメソポタミア文明にも襲い掛かる。長期に渡る飢饉から逃れるため多くの民が周辺へ移動して行く。前17世紀、南へ向かう一群の中にアブラハムの一族があった。カナン辺りに行けば救われる、という噂もあったけれど、その地の飢饉もひどい。さらに南下し肥沃な地に達する。ナイル流域のデルタ地帯だ。住み始めた当初こそエジプトのファラオに厚遇されるが、その後は、前13世紀、モーセに率いられてエジプトを脱出するまで、4百年の長きに渡って奴隷として虐げられる。

シベルチ山イスラエルの失われた10支族(いずれも Wikipedia から)

ようこそ、わが家へ

  • 2019/11/07 06:26
  • カテゴリー:読み物

銀行員というのは数字を見ているようでいて、結局は人を見る商売なのだ。(略)対峙する相手の感情の揺れひとつが、数字以上に重要な判断要因になることも少なくなかった。

相手の顔に浮かぶ一瞬の狼狽を目にする。何かあると確信する瞬間だ。考えるに、人を見るのは、銀行員に限ったことではなく、またビジネスの場面に限ったことでもない。日々ごく普通に誰でも行っている。表情や声の変化ばかりか、ちょっとした仕種にも、何らかの情報が含まれているものだ。引用は、池井戸潤著「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫、13年)から(p88)。「七つの会議」が面白かったので、web の評判を見て、同著者のこれを借りて来た。

タイトルはどういう意味か、それは明示されていない。何に対してようこそと言っているのか。名も無いストーカーに対してか、傷ついたネコに対してか、主人公やその家族の身に起こった厄災すべてに対してか、それとも、それらが解消したあとにやって来る何か、例えば気付きや安堵、に対してだろうか。

七つの会議(サイト内)

インフルエンザ・ハンター

  • 2019/11/06 06:51
  • カテゴリー:読み物

予防が最良の策であると思われる。実際に、1997年に香港の生鳥市場をすべて閉鎖した際には、ヒトでの H5N1 ウイルス感染例の発生は即座に止まった。

パンデミック・ウイルスは、野生の水禽に起源がある。渡りの中継地などで地域の鳥へ伝播され、生鳥市場にもたらされる。引用は、ロバート・ウェブスター著「インフルエンザ・ハンター」(岩波書店、19年)から(p195)。

本書の副題は、「ウイルスの秘密解明への100年」。100年前、第一次世界大戦最終局面の1918年から翌年にかけて、スペイン風邪(H1N1亜型インフルエンザ)が世界中で流行した。第14、15章では、ノルウェーやアラスカの永久凍土に埋葬された1918年の犠牲者から当時のインフルエンザ・ウイルスを採取しその遺伝子塩基配列全長を解明したことが紹介されている。

# 毒ガスによるウイルス変異(p4)、タミフルの開発(p41)、デラウェア湾のカブトガニ(p50)、第一次世界大戦 - Wikipedia

「権力」を握る人の法則

  • 2019/11/05 06:36
  • カテゴリー:読み物

自分は優れている、能力がある、と思っていたい。だが失敗をすれば、この自尊心はいたく傷つく。ところが意図的に失敗の確率を高めるような細工をしておけば、実際に失敗しても、自分の能力が低いせいではないと言い訳できる。

セルフ・ハンディキャッピングという悲しい性(さが)だ。J・フェファー著、「権力」を握る人の法則(日本経済新聞出版社、11年)から(p26)。原題 "Power" が、この訳書では権力云々のタイトルとなった。ドラッカー著 "The Effective Executive" の邦題が「経営者の条件」になった例もある。いずれも、権力や経営を目指さない人にとっても有用な内容だけに、邦題がそういう人たちを遠ざけているとしたら残念なことだ。

# 最高の創造性は、習慣と鍛錬から生まれる(p53)、メモをつけることによる自己省察、思わぬ閃きを得る、他人の考えを書き留め対人スキルが向上する(p65)、昇給や昇進と最も相関性が高いのは先進技術の理解度、次がネットワーク力(p135)、前回16年8月

ことばでたどる歴史

  • 2019/11/03 17:08
  • カテゴリー:読み物

そもそも「そうならないように」を支える「なぜそうなってしまったか」という問いとその答えを模索するための検証や分析が不十分だったということはなかっただろうか。

1894(明治27)年の日清戦争から、1941(昭和16)年の第二次世界大戦まで、約50年に渡って戦争を繰り返していた。戦後70年、この国は「そうならないように」して来た。ところが、今、それが揺らいでいる。今野真二著「ことばでたどる日本の歴史-幕末・明治・大正篇」(河出書房新社、18年)から(p240)。最寄り図書館の新着コーナーにあったのを借りて来た。

# エイハブ船長がモビィ・ディックを発見するのは「日本の沖の太平洋」(p36)、Moby-Dick at Project Gutenberg

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