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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

化学式で書いてみた

  • 2020/05/31 07:17
  • カテゴリー:読み物

水の沸点はもちろん100℃であり、エタノールは78℃です。これら2つの分子は、大きさのわりに高い沸点をもちます。その理由は、水もエタノールも「水素結合」を形成しているためです。

そうだったそうだった水素結合。山口悟著「身のまわりのありとあらゆるものを化学式で書いてみた」(ベレ出版、20年)から(p195)。感染症騒ぎの前に予約しておいた本、ようやく順番が回って来た。残念ながら期待外れ。

参考文献のリストが、中学校・高校の参考書から始まっている。その年代向けだろうか。ニンニクのアリシン、セッケン、PET、リチウム電池、石油の分留、窒素固定など、幅広く雑多な話題が採られている。

独ソ戦

  • 2020/05/29 06:41
  • カテゴリー:読み物

日露戦争で、日本軍よりもずっと優勢な大軍を擁しながらも敗北した経験が、ロシアの軍人たちに深刻な思索をうながしたのだ。

その思索は、1930年代に「作戦術」として結実する。戦略と戦術の間に「作戦」という次元があり、戦争遂行に重要な意味を持つ。当時のその新しい軍事理論を、ロシアは20世紀初頭から鋭意検討した。独ソ戦での勝因は、圧倒的な人的・物的資源と、この「作戦術」の優位によるものだった。引用は、大木毅著「独ソ戦-絶滅戦争の惨禍」(岩波新書、19年)から(p150)。

日露戦争を戦った一方の日本はどうだったか。「寡をもって衆をやぶる」桶狭間式奇襲で日露戦争に勝った。陸軍の首脳は、その固定観念から抜け出せず、第二次大戦で陸軍が崩壊するまでそのスタイルに終始した。司馬遼太郎著「坂の上の雲 (4)」(文春文庫、99年、新装版)から(p256)。

# 桶狭間の戦い(1560年)、日露戦争(1904-05年)、ロシア革命(1917年)、ノモンハン事件(1939年)、独ソ戦(東部戦線、1941-45年)、クレフェルト「補給戦」、敵の重心(Schwerpunkt)を叩く、通常戦争・収奪戦争・世界観戦争(絶滅戦争)、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

散り椿

  • 2020/05/24 06:50
  • カテゴリー:読み物

商いと申しますのは、ひとの欲によって成り立っております。欲があればこそ、売り買いが続けられるのです。それがなければ、この世は立ち行きません

葉室麟著「散り椿」(角川文庫、14年)から(p145)。お話はもう一つか。あれやこれや事件が起こる感じがして目まぐるしい。

螢草峠しぐれ蜩ノ記(いずれもサイト内)

坂の上の雲 (4)

  • 2020/05/21 06:42
  • カテゴリー:読み物

「黒木の軍団は三個師団ほどだというが、それはうそだ。あと三個師団はもっている」と、クロパトキンは、判断するようになった(略)。実情は黒木は裏も表もなく三個師団の一枚看板だけでやっている。

日本兵の猛攻は凄まじい損耗を伴っていた。そんなことできるのは予備兵力が豊富にあるから、と欧州の軍事専門家なら判断する。それが常識だ。しかし何のことはない、兵力不足の日本は、損耗覚悟で短期決戦をやらざるを得ない状況にあった。司馬遼太郎著「坂の上の雲 (4)」(文春文庫、99年、新装版)から(p133)。常識が思い込みになってしまうと誤解を産み、それが、その後の心象風景を支配してしまうことがある。

# 下瀬火薬(p80)、ユダヤ人ヤコブ・シフ(p168)、明石元二郎(p175)、民は倚らしむべし(p181)、桶狭間式奇襲(p256)、落語「蒟蒻問答」「花筏」

坂の上の雲 (3)

  • 2020/05/18 07:05
  • カテゴリー:読み物

日本は、朝鮮半島を防衛上のクッションとして考えているだけでなく、李王朝の朝鮮国を、できれば市場にしたいとおもっていた。

日露戦争(1904-05年)の原因は一つはそこにある。明治維新から30余年、工業力はまだまだ幼稚で売るものもないのに、欧州列強のまねをしようとした。アジアの一等国を目指して。司馬遼太郎著「坂の上の雲 (3)」(文春文庫、99年、新装版)から(p67)。この巻の最初の章で子規逝く。

あれから百年経った今の世界はどうか。ちょっと力のある国は、依然、同じようなことをやっているのではないだろうか。列強や、植民地、占領ではなく、経済大国や、同盟、協定とか、表現は穏当になってはいるけれど。

# 坂の上の雲 (1) (2)(いずれもサイト内)、Great power - Wikipedia、朱子学の合理主義(p197)

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