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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

去就

  • 2022/03/17 06:27
  • カテゴリー:読み物

判断をし、責任を取る。俺たちにできるのは、それだけなんだ

今野敏著「去就」(新潮文庫、2018年)から(p296)。隠蔽捜査シリーズ第6作。平成三十年十二月一日発行、令和三年一月三十日三刷。奥付では、依然、和暦が使われている。

企業の合理化というのは、経営者のための合理化(p43、p144)、ジャーナリズムよりセンセーショナリズム。それが今の日本のマスコミの現状(p212)、考え過ぎと言われる場合は、たいてい、考えが足りないとき(p237)、メタメッセージ(p305)

今野敏リーダーの役割経営者の条件リーダーの条件(いずれもサイト内)

天国でまた会おう

  • 2022/03/15 06:26
  • カテゴリー:読み物

環がひとつ欠けただけで、鎖は用をなさなくなる。

名士と見做されるには様々な条件を整えねばならないという話。しかし、この男、不正で金儲けしようと企てる。それが露見し没落。性根が腐っていたら外面をいくら取り繕っても何にもならない。引用は、ピエール・ルメートル著「天国でまた会おう」平岡敦訳(ハヤカワ・ミステリ文庫、2015年)から(上p170)。災厄の子供たち三部作の第一。次作も借りて来よう。

この「天国でまた会おう」上下巻を読んでいるちょうどその頃に、鎖と環の喩え話を二つほどwebで読んだ。両方ともサプライチェーン(バリューチェーン)に関する話題。

一つは、トヨタへのサイバー攻撃。本丸は対策十分でも、系列会社の「最も弱い輪」が攻められ、鎖が断たれてしまった。結果、部品調達ができず全工場の稼働を停止。記事はトーマス・リードの格言「鎖の丈夫さは、最も弱い輪によって決まる」を引いている。

もう一つは、イケアの持続可能な戦略優位。デザインや、製造、物流、販売、各々を最適化し自社で管理。すべての強みが「優れた鎖構造」を形成し、集客力の維持に繋がっている。

ピエール・ルメートルサイバー対策(いずれもサイト内)。トヨタの「弱い輪」が餌食に サイバー空間依然緊迫(3/4)、弱みが決める組織の成果 秀吉とイケアの「鎖構造」戦略(3/7)

64(ロクヨン)

  • 2022/03/12 06:25
  • カテゴリー:読み物

仕事は裏の裏まで知り尽くし、なのに妻のことは何も気づかないなんて、そんなものが人生と呼べるか

主人公は知っていながらずっと気付かないふりをしていた。引用は、横山秀夫著「64」(文藝春秋、2012年)から(p635)。読むのは初めて。NHKのドラマ(2015年、ピエール瀧主演)を観たからだろうか、何となく読んだような気になっていた。

事件の背景で、キャリアとノンキャリアの確執や、広報とメディアとの攻防が描かれる。その点、今野敏著「隠蔽捜査」に少し似ている。この「64」の方がだいぶ陰湿な感じが出ているようだが。

隠蔽捜査20年前の声(いずれもサイト内)。自分を俯瞰している自分(p234)。D県警シリーズ

自覚

  • 2022/03/08 06:32
  • カテゴリー:読み物

訓練の目的は、疑似体験を通して新たな能力を身につけることだ。自分自身のためにやるものだ。だから、人それぞれに成果は異なる。一つだけ言えるのは、体力を使うより頭を使うほうが、ずっと大切だということだ。

今野敏著「自覚」(新潮社、2014年)に収載の「訓練」から(p66)。隠蔽捜査シリーズの第7作はスピンオフ集(第5.5作)。

伊丹がこんなことを思う。「幹部を育てられない会社、社員が設立の理念を理解できない会社は、いずれすたれていく」(「送検」p238)。こと企業に関しては、図体がデカくなればなるほど、創立の理念や事業の精神は、忘れ去られて行くものかもしれない。

今野敏(サイト内)

倭国の古代学

  • 2022/03/05 06:34
  • カテゴリー:読み物

さまざまな権力による抗争が幾度となく繰り広げられるなかで、前方後円墳が築造されたことは明らかである。その規模の違いに実力の大小があることは確かではあるものの、規模とデザインの選択は、あくまでもその人物による趣向が働いていた

坂靖著「倭国の古代学」(新泉社、2021年)から(p174)。県立図書館の新着コーナーにあるのを借りて来た。帯に「倭国統一への過程。」とある。

墓のサイズと覇権はどんな関係にあったのか。例えば、国内最大の前方後円墳である大山古墳(大仙陵古墳、伝仁徳天皇陵)の場合はどうだろう。築造は、5世紀半ば。群雄が割拠する激動の時代だ。被葬者は一大勢力であったことは間違いないだろうが、王の中の王ではなかった。倭国の統一は、6世紀と考えられている。

では、その墓に葬られているのはいったい誰なのか。本書著者は、宋書に登場する倭の五王の一人「讃」と推定する。有力説の一つでもあるようだ。讃は、421年、宋に朝貢した。日本書紀に登場するオオサザキ(仁徳)がその人で、「讃として中国に遣使したものとみてよい」と本書にある(p185)。

やはり大山古墳は、仁徳陵なのだろうか。男系が数代続いたと伝えられている。その隆盛ぶりは巨大墳墓の被葬者に似つかわしい伝承だ。後々の覇権者たちにとっては、その血筋を継いでいると記録することは自身に都合の良いことだったに違いない。

# 仁徳天皇(?-427年?、倭の五王の讃)、雄略天皇(418年?-479年?、倭の五王の武、ワカタケル、獲加多支鹵)、稲荷山古墳出土鉄剣|Wikipedia。「斉明天皇陵」の整備完了 牽牛子塚、白い八角墳に(3/2)

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