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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

米製兵器を買わされる日本

  • 2022/12/17 06:21
  • カテゴリー:読み物

当時、日本の防衛費はGNP(国内総生産=当時の経済指標)一%と定められていたが、一九八七年に楽々と突破してしまったのは、アメリカの国内産業政策と無縁ではない。

80年代、米レーガン政権は、ベトナム特需後の疲弊した米経済を、産軍複合体の活性化によって再び甦らせようとしていた。当時、ソ連を悪者にして冷戦激化を根拠に、前線基地である日本に軍備増強を迫ったのだ。

松本利秋著、日本人だけが知らない「終戦」の真実(SB新書、2015年)から(p15)。引用部分の小見出しは、「冷戦下、アメリカ製兵器の巨大マーケットと化した日本」。

きのう(12/16)、安全保障関連3文書が閣議決定された。反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有が明記され、防衛費GDP比2%への増額が盛り込まれた。上で引用した80年代の1%超えと同様、今回の2%も、かの国の「産業政策」に関係しているのだろう。

何しろ構造は似ている。悪者(今回は主に中国)を設定して、台湾海峡波高しと煽り、日本の世論を防衛強化へと誘導。こっそりトマホークの商談も進めている。米国の景気は後退局面に入ったとも言われる。現在と40年前と、構図は、そっくりだ。

いったいどこに反撃する米下院議長、台湾訪問沖縄復帰50年と日米安保(いずれもサイト内)。反撃力保有へ歴史的転換 安保3文書、長射程ミサイル配備(12/16)

Re: 11/22/63

  • 2022/12/14 06:31
  • カテゴリー:読み物

「あなたはいったいだれなの、ジョージ?」「もうひとつの人生できみが知っている男だよ、ハニー」

過去は共鳴する。そしてパラレル・ワールドは相応じて進む。引用は、スティーヴン・キング著「11/22/63」白石朗訳(文藝春秋、2013年)下巻の最後のページから(p515)。上下2段組み515頁。

セイディーの身に痛ましい災いが降りかかる。それ以降の下巻後半は一気呵成に読んだ。

作者はあとがき(p523)で、ジャック・フィニイ著「ふりだしに戻る」にふれている。懐かしい。「時間もの」の秀作だ。その内にまた読んでみよう。グリムウッドの「リプレイ」や、北村薫の三部作なども。

文庫100冊時生(いずれもサイト内)。リー・ハーヴェイ・オズワルド|Wikipedia

11/22/63

  • 2022/12/08 06:26
  • カテゴリー:読み物

世の中には偶然が存在する。ただし極めて稀だ。なんらかの力が働いている。この大宇宙のどこか(あるいはその舞台裏)で巨大な機械がかちかちと音をたて、その途方もなく巨大な歯車がまわっているのだ。

時間は、必然を好み、時間旅行者が企てる改変に抵抗する。引用は、スティーヴン・キング著「11/22/63」白石朗訳(文藝春秋、2013年)上巻から(p372)。上下2段組み529頁。

11/22/63-1963年11月22日、ケネディ大統領が暗殺された日。それからちょうど59年経った日に本書を読み始めた。が、今はまだ下巻の半ば辺りをめくっている。読むのに時間がかかっている。

というのは、本が分厚いということもあるけれど、就寝前の普段は読書する時間に、ここしばらくは映画を観ることが多いからだ。ABEMAの「本日無料」に良さそうな作品が並んでいるとついついクリックしてしまう。ま、その内それにも飽きて、読書のペースは元に戻って来るだろう。

文庫100冊(サイト内)。Kaopectate(p232、下痢止め)、本日無料|ABEMA

教育反対の経済学

  • 2022/12/01 06:27
  • カテゴリー:読み物

学業で成功するのは良い仕事を獲得するにはいいが、良い仕事をするすべを学ぶ方法としては役に立たない

多くの雇用主が、学業・学歴を手っ取り早い採用基準としている以上、所謂いい大学を目指さないわけにはいかない。しかし、そこでは「卒業後は使わない退屈な内容を山ほど学びながら過ごす」ことになる。

ブライアン・カプラン著「大学なんか行っても意味はない?-教育反対の経済学」月谷真紀訳(みすず書房、2019年)の「結論」から(p407)。原著 The Case against Education: Why the Education System is a Waste of Time and Money [Bryan Caplan, 2018]

著者の主張するところは一理ある。が、「良い仕事をするすべ」とは一体どんなものだろうか、とか、一見「使わない退屈な」学問が人生を豊かにしてくれる可能性がある、どうやら普通の学校(四年制総合大学含む)と職業訓練校を区別して議論する必要がありそうだ、など、いくつか気になることはある。

ABEMAの「本日無料」で映画を観ていたら、こんなやり取りがあった。「こういう仕事って特殊な技術でしょどうやって勉強したの」「この会社に入ってから教わりました」「へえこういう仕事って素人でも雇ってもらえるの」。映画「カラスの親指」(2012年)での上田耕一、能年玲奈(のん)お二人の会話。

プリズン・ブック・クラブABEMA(いずれもサイト内)

運も実力のうち

  • 2022/11/29 06:29
  • カテゴリー:読み物

「一寸先は闇」というが、それは「一寸先は光」ということでもある。幸運な人の前には光が、不運な人の前には闇がある。

最近、出先でちょっと待ち時間がある時などにこの本を開くことが多い。秋庭道博著「ことばの切れ味」(東洋経済新報社、1992年)。引用はそのp16から。

日曜日、実家へ電話した折、11月場所で遠藤が負け越したと母は残念がっていた。高安はまたもや惜しいところで優勝を逃したとか。運はなかなか味方してくれない。サッカーW杯の方はどうだろう。その電話の頃にはもうコスタリカ戦は始まっていた。サッカー日本は運を引き寄せることが出来るだろうか、と思ったものだ。

ことばの切れ味(サイト内)。気の毒を絵に描いたようだったのは高安。何と声をかければよいのか言葉がない【北の富士コラム】(11/28)、ワールドカップ 日本 コスタリカに敗れ決勝T進出は持ち越し(11/28)

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