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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

極大射程

  • 2021/08/16 06:16
  • カテゴリー:読み物

ほかの誰でもない、真の敵は自分自身の心臓だった。それはボブにもコントロールできず(誰にもコントロールできはしない)、身体の各部分に気ままに裏切りのメッセージを送りだす。まさに肝心かなめの瞬間に、心臓はその持ち主を裏切り、様々な形態の悲劇を引き起こす恐怖の稲妻を放つことがある。

脈動する物理的な存在のことだけを言っているのだろうか。スティーヴン・ハンター著「極大射程」佐藤和彦訳(新潮文庫、1999年)から(上巻、p76)。

溶接(上211)、良いアイデアは単純(上292)、ヘンリー・ソロー(上338)、わずかを求めるもの(下93)、才能の怖さ(下206)。

文庫100冊ボブ・リー・スワガー三部作(いずれもサイト内)

[ 朝刊休刊日 ]

Re: 文庫100冊

  • 2021/08/14 06:20
  • カテゴリー:読み物

塩沼亮潤の出家の動機を知って、あっけにとられた。「小学校五年生のころ、NHKのテレビ番組で比叡山の酒井雄哉大阿闍梨様の回峰行を拝見しまして、何かそれに吸い込まれるような気がして、自分の人生はこれだ、と思った」というのだ。

勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」(草思社文庫、2015年)から(p520)。塩沼亮潤、板橋興宗「大峯千日回峰行-修験道の荒行」(春秋社、2007年)が、千日回峰行に関する本の一冊として紹介されている。

引用にある「テレビ番組」は、1979年のNHK特集のことだろう。調べてみると塩沼亮潤大阿闍梨は1968年の生まれなので年次は符合する。あれを観て、千日回峰行を目指した人がいたんだな。私もその番組を観た。高校一年の冬休みだった。激しく心を動かされ、出家する決心をした。家族と進路について話し合った折に、それを果敢に伝えたのだけれど、母に泣かれ、父や兄に強硬に反対された。18歳のあの時、意志を貫ぬいていたら、果たして、どんな僧になっていたろうか。回峰行を実践することになっただろうか。

文庫100冊(サイト内)。NHK特集「行-比叡山千日回峰」(NHK総合、1979/1/5)。酒井雄哉|Wikipedia

ねじの回転

  • 2021/08/10 06:27
  • カテゴリー:読み物

そうなのだ、決して戦争は軍だけが行うのではない。殺せ、奪え、あの陣地を取ってこいと銃後で囃したてたのは国民なのである。目の前に提示された情報を吟味することなく、すぐに浮き足立って他人の尻馬に乗り、その場の雰囲気に酔うのは日本国民の特性である。

恩田陸著「ねじの回転-February moment」(集英社、2002年)から(p116)。

過去を変えようとする三者の思惑が錯綜する。安藤ら青年将校は決然として維新完遂を目指す。石原莞爾は、国を悲惨な戦争へ引きずり込む東条英機をこの段階で消そうとする。そして、組織(国連)は、後に終戦工作をする岡田鈴木両名の殺害を図る。

2.26事件恩田陸北支事変(いずれもサイト内)

文庫100冊

  • 2021/08/07 06:28
  • カテゴリー:読み物

どんなに理不尽でも、ひとたび死地に入ったかれらはどう戦い、どう死に、どう生きたのか。わたしはかれらに敬意を払う。戦記物を読むのは、「死」ということが、年老いたわたしの人生の先行きにぼんやりと見えてきたことと無関係ではないような気もする。やがて来るわたし自身の死を、かれらの死によって相対化したがっているような気がする。

勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」(草思社文庫、2015年)から(p185)。著者の本を読むのは初めての事。KechiKechi Classicsで著者の名を知り読んでみる気になった。

文庫本百冊、作家百人が紹介されている。馴染みのある作家を数えてみると、31人にも上った。この手のガイドと自分の好みが3割もの高率で重なることは珍しい。ここまで一致すると、他の知らない7割も期待が持てる。もしかすると鉱脈を掘り当てたかもしれない。

# 銀バエ(p56)、俺は俺は(p100)、必読書などない(p413)、村上春樹というブランド名(p430)、千日回峰行(p518)。音楽日誌|KechiKechi Classics

浦島太郎伝説とは

  • 2021/08/05 06:30
  • カテゴリー:読み物

獄内の発掘によって外耳土器とともに鉄滓と石炭が発見された、という。

石垣島にも浦島太郎に似た話が伝わる。その聖所、崎原獄(さきはらおん)が発掘調査されたのは1971年のこと。引用は、高橋大輔著「浦島太郎はどこへ行ったのか」(新潮社、2005年)から(p207)。「フィクションとノンフィクションが重なり合う接点を求める旅」、今回は浦島太郎伝説の旅。

皆が知るこの伝説は、どんな実話が基になったのだろうか。話の主要素は、海難救助(カメの救済)、報恩(竜宮城での接待)、禁断の贈物(玉手箱)、そして、災禍(急激な老化=死)。これに上で引用した部分から想起されることを組み入れて一連の物語を思い描いてみた、

日本がまだ倭と呼ばれていた頃の丹後地方。太郎は、嵐で難破し浜辺に漂着した異国の漁民を手厚く介抱し、傷が癒えた後、母国へ送り届ける。先方では命の恩人とばかりに歓待を受け、帰国する際に、たっぷりの土産物を持たされる。それには鉄の農具や、その鍛冶の手法も含まれていた。別れ際に約束させられる。鍛冶で作るのは農具だけ、決して、刀や矢尻を作らないと。しかし約束は反故にされる。殺傷力抜群の武器が、その製法とともに、たちまち、国中に拡散して行く。これを手にした人びとは、凄惨な戦を繰り広げるようになってしまうのだった。

実際のところは、そうなのかどうなのか判らないけれど、何にせよ、時の為政者にとって不都合な事実が、ぼやかされて伝えられているような気がする。伝説や神話とは大体がそのようなものなのだろうから。

高橋大輔(サイト内)。唐や宋の古い建物はほとんど残っていない(p103)、478年の謎(p229)。浦島太郎はなぜあんなに有名?実は深い話が…。(2021/3/5)。温羅(うら)|Wikipedia

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