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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

あるいは不思議の環

  • 2023/07/19 06:10
  • カテゴリー:読み物

六声のフーガを即興でつくるという業(わざ)は、目かくしをしたまま同時に六十のチェスをして、それに全部勝つようなものである。八声のフーガの即興演奏は、まさしく人間にできる業ではない。

バッハの「音楽の捧げもの」をめぐる挿話で、この壮大な物語は幕を開ける。

ダグラス・R・ホフスタッター著「ゲーデル,エッシャー,バッハ-あるいは不思議の環」野崎昭弘ら訳 (白揚社、1985年)から(p23)。県立図書館で借りた。

ゲーデルの定理に登場する不完全性、その背後には「不思議の環」(strange loops)が潜んでいる。エッシャーの騙し絵や、バッハが書いた転調するカノンにも似たような構造が見て取れる。と著者は言う。

エッシャー 視覚の魔術師(サイト内)。Douglas Richard Hofstadter(1945-)

米中戦争前夜

  • 2023/07/12 06:08
  • カテゴリー:読み物

なにより重要なのは、両国のリーダーと一般市民の双方が、これまでの態度と行動を根本的に変えることだ。トゥキディデスの罠を逃れるためには、考えられないことを考え、想像できないことを想像しなければならない。

グレアム・アリソン著、藤原朝子訳「米中戦争前夜-新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ」(ダイヤモンド社、2017年)から(p12)。

「アテネの台頭とスパルタの不安」、これがペロポネソス戦争の本質だと、トゥキディデスは見抜いた。台頭する新興国は、自分たちに敬意を払うよう周囲に求め、既存の序列を変えるべきと思い始める。一方、覇権国は勢力均衡を維持することは当然の論理だと考える。ここに巨大な構造的ストレスが生じ、ちょっとした偶発的衝突や経済的ないざこざが戦争の引き金になり得る。

ギリシャの昔から歴史はこれを繰り返して来た。今、舞台の上には米国と中国がいる。果たして米中両国は戦争を避けることができるだろうか。

米中戦争を避けるために焦るアメリカ(いずれもサイト内)。「同盟国を増やすことに夢中になり」(p79)、トゥキュディデスの|Wikipedia

逸脱

  • 2023/06/23 05:50
  • カテゴリー:読み物

せっかく採用した社員を、どうやってきちんと戦力にするかが問題なんです。どんな人間にも武器がある。それをいかに会社のために生かすかが問題なんですよ。そのために会社がどれほど大変な努力をしているか

堂場瞬一著「逸脱-捜査一課・沢村慶司」(角川文庫、2012年)から(p163)。

メンバーを戦力にする、エンジンを積んでばりばり働けるようにする、そのための方法論は色々あって、そこそこ奏効する。ただし、10人いたら10人とも上手く行くとは限らない。見極めることが大切。パレトの法則によれば、本物は2人しかいない。早くその2人を見付け出して(すぐ判る)、まずは彼らにエネルギーを集中する。その内に、他の8人への波及効果も生まれて来る。

メンバーが少ない場合にはどうする。極端には自分以外に1人だけのような場合。性根を据えてその人と付き合うことになる。その人物の中の光るところを嗅ぎ分けて、それを核に強く大きくしていく作業になるだろう。それこそ、引用にある「武器」を磨くことなのかもしれない。

甚だ上から目線で申し訳ないのだけれど。

エンジンを積むチーム(いずれもサイト内)。就活における「噓」問題 人材探しである現実直視を(6/20)

自分史ブームの先駆け

  • 2023/06/21 06:18
  • カテゴリー:読み物

「民衆史」のジャンルを確立し、権力におもねらない独自の歴史観を貫いた。著書「ある昭和史」は、その後の自分史ブームの先駆けとなった。

色川大吉氏の死去を伝える記事(2021/9/7)から。工房での作業中に、古新聞で氏の訃報が目に留まり、あらためてweb検索した。

自分史発見のすすめ過去と未来を繋ぐ(いずれもサイト内)、色川大吉さんが死去 歴史学者、「自分史」開拓(nikkei.com、2021/9/7)、色川大吉(1925-2021)、「ある昭和史-自分史の試み」(中央公論社、1975年)

なぜ沖縄に基地なのか

  • 2023/06/13 06:17
  • カテゴリー:読み物

こんにちの沖縄の基地問題は、歴史的にみれば、本土の「身代わり」になって沖縄が引き受けた結果なのである。

最寄り図書館の新着コーナーに並んでいた、川名晋史著「基地はなぜ沖縄でなければいけないのか」(筑摩書房、2022年)から(p210)。筑摩選書0241。

オビに「膨大な資料と、長年の研究をもとに、沖縄への基地の集中と固定化の経緯を明らかにし、基地問題解決のための選択肢を示す」とある。参考文献のリストも充実している。

沖縄復帰51年実質的にまだ占領下にある小指の痛みは全身の痛みなぜ日本に米軍基地が(いずれもサイト内)

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