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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

一茶

  • 2019/11/20 05:54
  • カテゴリー:読み物

一体に一茶は、瓦版の記事になるような出来事に、強く興味を惹かれるたちだった。火事があった、泥棒が入った、どこそこで心中があったという事件を聞きこむと、丹念に句帖の端に記した。のがさずに書いた。

いわゆるメモ魔だ。生涯に二万句を詠んだと言われる。そのアウトプットを支える膨大なインプットがあったことは想像に難くない。引用は、藤沢周平著「一茶」(文春文庫、81年)から(p177)。この評伝では全編に渡って一茶の句が引かれている。おれが知っているのは、唯一、目出度もちう位也おらが春(p293)のみだった。

三屋清左衛門残日録(サイト内)、小林一茶 - Wikipedia、夏目成美、鈴木道彦、浅間山の噴火(p37、1783年、天明噴火)、乳母が前もくぞう蟹のごとくなり(p73)

失敗の科学

  • 2019/11/17 06:17
  • カテゴリー:読み物

メンバー全員に「プロジェクトが大失敗しました」と告げる。メンバーは次の数分間で、失敗の理由をできるだけ書き出さなければならない。その後、プロジェクトの責任者から順に、理由をひとつずつ発表していく。それを理由がなくなるまで行う。

プロジェクトの「実施前」に弱点を洗い出し強化を図る、事前検死(pre-mortem)というグロテスクな名の手法。マシュー・サイド著「失敗の科学-失敗から学習する組織、学習できない組織」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、16年)から(p325)。

ビジネス書図鑑(サイト内)、ランダム化比較試験(RCT)、外科医アトゥール・ガワンデ(p79)

シャイロックの子供たち

  • 2019/11/12 05:57
  • カテゴリー:読み物

結局のところ仕事というのは、人と人とのつながりだ。どんな仕事であれ、またどんな肩書であれ、期待されているということがなにより大切だ。

池井戸潤著「シャイロックの子供たち」(文春文庫、08年)から(p183)。

よくできたサスペンスだ。組織への復讐を誓った男は、転勤する先々の支店で、その機会を窺っていた。座して待っていたわけではない。将来を見越して、いくつか、仕込みをしておいた。その仕込みの一つがどうやら使えそうだ。かつて1千万円の黒い金をつかませておいたやつが、男と同じ支店に転勤して来たのだ。そろそろ兄の会社も危ない。潮時だ。男は、架空融資のシナリオを発動させることにした。ただし一点、気になっていることがあった。妻には高額の慰謝料を請求させたものの籍はそのままにした。それで良かったのかどうか十分に判断つかないまま見切り発車となった・・・。背景はそんなところじゃないだろうか。

# キンセラ著「野球引込線」(p181)、「いつか利用価値が出てくるかも知れない」(p249)。スリーパー(浸透工作員、残置諜者、根草、草)

白鯨

  • 2019/11/11 06:08
  • カテゴリー:読み物

If that double-bolted land, Japan, is ever to become hospitable, it is the whale-ship alone to whom the credit will be due; for already she is on the threshold.

メルビル著「白鯨」には、日本に関する記載が何か所か登場する。Project Gutenberg のサイトで、原書 "Moby Dick; or The Whale" を開き、Japan で検索した。引用は、第24章 The Advocate. から。「鎖国をしている日本がいつか門戸を開くとするなら、それはひとえに捕鯨船の功績によるものだ。なにせ、もはやすぐ近くにまでやって来ているのだから」とでも訳せば良いだろうか。実際、1853年にペリーの艦隊が浦賀に現れ、捕鯨船が寄港できるよう、幕府に対して開港を求めた。それは、「白鯨」が米国で出版されてから2年後のことだった。

作品全体に様々な聖書的イメージがちりばめられている(略)、様々な示唆が交錯する中で、結局、白鯨は何を表しているのかということは謎のままである。

「世界文学あらすじ大辞典」第3巻(国書刊行会、06年)、「白鯨 Moby-Dick」から(p385)。

現代人には、「身体が叫ぶ」というような、身体で生きているという実感が不足しているように思えてならない。『白鯨』には、身体性を呼び戻す力がある。

斎藤孝著「クライマックス名作案内」第1巻(亜紀書房、11年)から(p115)。

コーヒーチェーン店スターバックスの名は、『白鯨』に登場する一等航海士のスターバックからとられている

石弘之著「名作の中の地球環境史」(岩波書店、11年)から(p164)。

人間臨終図巻ことばでたどる歴史(いずれもサイト内)

フレームワークの落とし穴

  • 2019/11/10 06:36
  • カテゴリー:読み物

ポストイットの販促用キット

と、小見出しにあるのは、「ビジネスモデル・キャンバス」の項だ。多用されているにもかかわらず、このフレームワークから「画期的なモデルが生まれたという話は、あまり聞こえてこない」、これで「儲かっているのは、おそらくコンサルタントとポストイットであろう」と、斬って捨てる。「ビジネスモデル・キャンバス」の信奉者が読んだら卒倒するんじゃないだろうか。引用は、山田英夫著「ビジネス・フレームワークの落とし穴」(光文社新書、19年)から(p89)。

本書は、3C、5F をはじめ、巷で有名なフレームワークはおおよそ採り上げている。全編に溢れる辛口のコメントの中には、各々のフレームワークを上手く使いこなすヒントを見付けられるかもしれない。その点、J・ボイエットら著「経営革命大全」の類書と言える、深耕の度合いがだいぶ違うけれど。

# A・オスターワルダーら著「ビジネスモデル・ジェネレーション」、機械学習活用のためのフレームワークを開発

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