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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

刑罰

  • 2021/07/10 06:33
  • カテゴリー:読み物

新しい人生を歩みだせば楽になれると、私は思っていた。だが楽になど決してなれなかった。結局おなじなのだ。薬剤師であろうと、家具職人であろうと、作家であろうと。それぞれの決まりごとはすこし違うものだが、疎外感は残り続ける。そして孤独感やさまざまな思いも。

キャリアの切り替えなのか、区切りなのか、ここにもそれを考えている人がいる。フェルディナント・フォン・シーラッハ著「刑罰」酒寄進一訳(東京創元社、2019年)、それに所収の短篇「友人」の終わりの部分から(p213)。

シーラッハ八本目の槍オールドメディア上等(サイト内)

八本目の槍

  • 2021/07/09 06:25
  • カテゴリー:読み物

こちらに来ないかと誘ったことがある。槍働きでの出世はここらが限界、新たな知識や技術を付けねば大名への道は開けない。

キャリアには、いつかどこかで切り替えが必要だ、と人は言う。引用は、今村翔吾著「八本目の槍」(新潮社、2019年)、第6章「六本槍 権平は笑っているか」から(p316)。

賤ヶ岳の七本槍|Wikipedia

2.26事件 (5)

  • 2021/07/07 06:36
  • カテゴリー:読み物

かれらの最大の挫折の原因は天皇の激怒にある。

松本清張著「昭和史発掘9」2.26事件Ⅴ(文春文庫、2005年、新装版)から(p369)

青年将校らの蹶起はなぜ失敗したのか。上部工作の不手際、宮城占拠の挫折、すべてを束ねるリーダーの不在、そして天皇の激怒。さらには国民の不支持もある。「海外への暴力(日清、日露、シベリア出兵、満州事変など)には馴らされていた国民も、国内の流血手段には神経質であった」(p373)

内心では助命を期待した赤穂浪士との類似性(p205)。神聖な本拠を農村出の兵隊に泥靴で占拠されたエリート幕僚部の屈辱感と憎悪(p226)。九割九分までの黒に一分の白をもって全体を白といいくるめる真崎公判(p307)。破滅戦争に向かう足音(p323)。解説加藤陽子(p385)

2.26事件加藤陽子(サイト内)

2.26事件 (4)

  • 2021/07/05 06:26
  • カテゴリー:読み物

実力者が自己の意見を無能な上長の言葉にスリかえるのは常套手段である。

実力者とは石原莞爾大佐のこと。石原は、東京警備司令部参謀として反乱軍の鎮圧の先頭に立った。この時、参謀本部作戦課長が本務。松本清張著「昭和史発掘8」2.26事件Ⅳ(文春文庫、2005年、新装版)から(p28)

「中隊長殿(安藤大尉)が自決なさるなら、中隊全員御伴を致しませう」(p171)。包囲部隊に暴発や中毒死など事故があった(p211)。「一般国民は、自分らには縁遠い上層部の悲劇か、軍人の暴行としか思わない。これが自分らの将来の運命を支配する方向につながっているとは夢想だもしなかった」(p281)。軍部大臣現役武官制、軍閥専横の最大の武器(p294)。軍隊を私に使用した将校、その命令に服従して行動した兵、どう裁くか「もっとも難問題」(p320)

2.26事件静かなノモンハン(サイト内)。石原莞爾|Wikipedia

2.26事件 (3)

  • 2021/07/02 06:28
  • カテゴリー:読み物

その残した電話が銀座の服部時計店の番号と似ていたらしく、ハットリですか、という間違い電話がずいぶんかかってきた

襲撃した首相官邸の電話は一本だけ残して、みんな切った。元上等兵談。松本清張著「昭和史発掘7」2.26事件Ⅲ(文春文庫、2005年、新装版)から(p46)

北村薫著ベッキーさんシリーズ全3巻は、この間違い電話の挿話から着想を得た、と何かで読んだ。確か、シリーズ最終話「鷺と雪」で、主人公がその間違い電話をかける場面があったと思う。

宮城占拠計画、大久保利通らによる慶応3年のクーデターに似ている(p196)、芝浦に到着した第一艦隊は「艦砲を議事堂方面にむけて実弾をこめて待った」、宮城占拠「そのときは、何とかして陛下を洋上の比叡にお乗せして横須賀へお連れする」(p363)。秩父宮と平泉澄(p414)

2.26事件天皇と東大(サイト内)。服部時計店|Wikipedia

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