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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

Re: 好きな歌・嫌いな歌

  • 2024/03/23 05:56
  • カテゴリー:読み物

歌というものは、本来、誰かの心から流れ出て、それをのどが渇いている人が飲むものなのだ。

「ひこうき雲」を聴いた時と同じように、「雨のステイション」にも感じ入ったと著者は書いている。團伊玖磨著「好きな歌・嫌いな歌」(読売新聞社、1977年)(p127)。

著者は、「この若い、見知らぬ女の子が作詞し、作曲し、自ら歌う歌」に、なぜこんなに惹かれるだろうかと考察する。世の中、「余りにも商業主義の入り込んだあざとい歌」が溢れかえる中、「商業主義の色彩を感じられぬ歌」だからではないかと。ただ、これとてレコードになって売られている以上、「商業主義のコンベアーの上に乗っている」ことに違いないので「いつかは変質して来るかも知れない」と付け加える。

好きな歌・嫌いな歌ユーミンのアルバム十選(いずれもサイト内)。You can lead a horse to water but you can't make it drink.(サポートすることはできても、結局、やるかやらないかは本人次第)

好きな歌・嫌いな歌

  • 2024/03/22 05:51
  • カテゴリー:読み物

正直のところ、荒井由実という女性がどういう人か僕は全然知らない。然し、これらの歌は僕を惹き付けた。こういう関係こそ、音楽とそれを聞く人間との一番純粋な段どりだと思う。

この女性が、のちに国民的ミュージシャンになることを、著者はこの時点で想像もしなかっただろう。引用は、團伊玖磨著「好きな歌・嫌いな歌」(読売新聞社、1977年)、「ひこうき雲」から(p104)。

この本には、「雨のステイション」の項目(p126)もある。

県立図書館の新サービス(サイト内)。團伊玖磨(1924-2001)

失われた兵士たち

  • 2024/03/13 06:00
  • カテゴリー:読み物

一つの時代を後世の価値観で裁くことは、私たちがおちいり易い錯誤である。国家に殉じることが、最高の名誉とされた時代もあったのである。反戦を叫ぶ現代の日本人が一時代前に戦って死んだ人々よりもすぐれていることにはならない。

野呂邦暢著「失われた兵士たち-戦争文学試論」(文春学藝ライブラリー、2015年)から引用した(p26)。作者唯一の評論。

「文学論というより、一種の書誌的論考」とあとがきで記されている。「戦争文学の枠をとりはずし、ドキュメントや手記のたぐいをも紹介することで、日本人が戦った戦争とは何であったかを考えてみた」(p450)。

万葉集をぱらぱらと見ることがあって、そんな折、「現代の日本人が一時代前」どころか古代の人たちに比べても「すぐれていることにはならない」と思ったりする。この野呂の評論や戦争文学とはまったく関係のない話なのだが。

例えば、「我妹子が額に生ふる双六のこと負の牛の鞍の上の瘡」(巻16-3838)という、わけのわからない歌がある。意味不明の歌をつくれる者に褒美をとらす(或有作無所由之歌人者賜以錢帛)、その問いかけに応じて献上されたのだとか。千数百年前にそんなユニークでナンセンスな言葉遊びに興じる人たちがいた。今の人が古い人より優れているなんて決して言えない。

昭和史百冊野呂邦暢(いずれもサイト内)。万葉百科|奈良県立万葉文化館

音楽を生きる

  • 2024/03/08 05:49
  • カテゴリー:読み物

ニューヨーク・フィルの楽団員たちの指導を受けるという特権を手にすることにもなった。フィルハーモニックはスタンと、世界的なバスーン奏者であるサイモン・コヴァールをペアにした。

なんと、スタン・ゲッツはバスーンをコヴァールに教わったんだな。1940年代初頭、高等学校でバスーンを吹き、全市高校選抜オーケストラの一員となって、地域の優れた奏者や教師たちに接することになった。

引用は、最寄り図書館で借りて来た、ドナルド・L・マギン著「スタン・ゲッツ-音楽を生きる」村上春樹訳(新潮社、2019年)から(p35)。

訳者は、あとがき「叙情と悪魔」を寄せている。その中で、ゲッツのことを「ジャズの世界における革命家ではなかった」、「誰かが正しいツールを与えてくれれば、彼は誰もかなわないような最良のやり方でそれを利用し、使用した。しかしそのツールをゼロからこしらえることは、彼の役目ではなかった」と評し、「ビリー・ホリデーやマイルス・デイヴィスやセレニアス・モンクやジョン・コルトレーンのような人たち」と対比する(p565)。

世の中には、0から1の人と、1から10の人がいる。

スタン・ゲッツイヌ的?ネコ的?(いずれもサイト内)。Simon Kovar|Wikipedia

悪魔のパズル

  • 2024/03/05 06:01
  • カテゴリー:読み物

あなたのエレガントな六角柱の六本組木を見たあとで、それが、あんまりスッキリしているものですから、フィガロの結婚の第2幕の大好きな旋律を思い出してしまいました。

シンプルなのに、ほかの誰にも書けない、天才モーツアルトにしか書けない旋律。あなたのパズルはそれに匹敵すると称賛。S.コフィンが作者デュボアに手紙を書いた。

ジェリー・スローカム、ジャック・ボタマンズ共著「悪魔のパズル」芦ヶ原伸之訳(日経サイエンス社、1995年)から引用した(p75)。

フィガロの旋律はどれだろうか。「手紙」にちなんで手紙の二重唱「そよ風に寄せて」だろうか。あれは第3幕か。第2幕となると「恋とはどんなものかしら」かな。

Five-Piece Solid Block芦ヶ原伸之(いずれもサイト内)

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