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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

自覚

  • 2022/03/08 06:32
  • カテゴリー:読み物

訓練の目的は、疑似体験を通して新たな能力を身につけることだ。自分自身のためにやるものだ。だから、人それぞれに成果は異なる。一つだけ言えるのは、体力を使うより頭を使うほうが、ずっと大切だということだ。

今野敏著「自覚」(新潮社、2014年)に収載の「訓練」から(p66)。隠蔽捜査シリーズの第7作はスピンオフ集(第5.5作)。

伊丹がこんなことを思う。「幹部を育てられない会社、社員が設立の理念を理解できない会社は、いずれすたれていく」(「送検」p238)。こと企業に関しては、図体がデカくなればなるほど、創立の理念や事業の精神は、忘れ去られて行くものかもしれない。

今野敏(サイト内)

倭国の古代学

  • 2022/03/05 06:34
  • カテゴリー:読み物

さまざまな権力による抗争が幾度となく繰り広げられるなかで、前方後円墳が築造されたことは明らかである。その規模の違いに実力の大小があることは確かではあるものの、規模とデザインの選択は、あくまでもその人物による趣向が働いていた

坂靖著「倭国の古代学」(新泉社、2021年)から(p174)。県立図書館の新着コーナーにあるのを借りて来た。帯に「倭国統一への過程。」とある。

墓のサイズと覇権はどんな関係にあったのか。例えば、国内最大の前方後円墳である大山古墳(大仙陵古墳、伝仁徳天皇陵)の場合はどうだろう。築造は、5世紀半ば。群雄が割拠する激動の時代だ。被葬者は一大勢力であったことは間違いないだろうが、王の中の王ではなかった。倭国の統一は、6世紀と考えられている。

では、その墓に葬られているのはいったい誰なのか。本書著者は、宋書に登場する倭の五王の一人「讃」と推定する。有力説の一つでもあるようだ。讃は、421年、宋に朝貢した。日本書紀に登場するオオサザキ(仁徳)がその人で、「讃として中国に遣使したものとみてよい」と本書にある(p185)。

やはり大山古墳は、仁徳陵なのだろうか。男系が数代続いたと伝えられている。その隆盛ぶりは巨大墳墓の被葬者に似つかわしい伝承だ。後々の覇権者たちにとっては、その血筋を継いでいると記録することは自身に都合の良いことだったに違いない。

# 仁徳天皇(?-427年?、倭の五王の讃)、雄略天皇(418年?-479年?、倭の五王の武、ワカタケル、獲加多支鹵)、稲荷山古墳出土鉄剣|Wikipedia。「斉明天皇陵」の整備完了 牽牛子塚、白い八角墳に(3/2)

宰領

  • 2022/03/03 06:24
  • カテゴリー:読み物

悪い面だけ見てむやみに批判的になったり、虚無的になったり、あるいは冷笑的になる人々、そういう連中に限って、自分では何もしていない

なかなか厳しいご指摘。今野敏著「宰領」(新潮社、2013年)から(p124)。本書で語られる事件がもし実際に起こったら、衆議院議員による殺人教唆で、世の中、大騒ぎになるだろうな。

この隠蔽捜査シリーズでは、マネージメントの基本やヒントが度々語られる。例えば本書では、「誰にとっても一日は、等しく二十四時間しかないのだ。常に優先順位を考えて仕事をしないと、たちまちパンクしてしまう」(p72)、「指揮を執る者は二手三手先を考えなくてはならない」(p143)、「机上の空論という言葉があるが、それは論理的な検証が足りない場合に使われることが多い」(p178)。

今野敏格差と民主主義(いずれもサイト内)

  • 2022/03/01 06:27
  • カテゴリー:読み物

古来、切腹には一定の型があるといわれている。しかしそんな型は、あるといえばあるし、ないといえばない。型があって切腹があるのではなく、切腹あっての型なのである。

綱淵謙錠著「斬」(文春文庫、1975年)から(p47)。

余談として三島事件のことが語られる。1970年11月の市谷、二人が割腹自刃した際には介錯がなされた。事件を介錯の視点から眺め、斬首が「いかに専門的修練と厳しいプロ意識を要請される性質のものであったか」を考察している。

文庫100冊(サイト内)。三島事件|Wikipedia

傷だらけのカミーユ

  • 2022/02/26 06:27
  • カテゴリー:読み物

いずれにしても選択肢はないと思った。もっとも“選択肢はない”と考えることもまた選択の一つではある。

万策尽きたらこれを思い出そう。少しは慰めになるかも。ピエール・ルメートル著「傷だらけのカミーユ」橘明美訳(文春文庫、2016年)から(p325)。カミーユ・ヴェルーヴェン警部が登場する第三長編。シリーズはこれで終わり。

仏語原題は、Sacrifices(犠牲)。なお、アンヌとの出逢いについては、前作で簡単に触れられていた(「その女アレックス」p52)。彼女は「わが母なるロージー」にも何度か登場する。

ピエール・ルメートル(サイト内)。「もっともらしいものこそ疑うべき」(p296)

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