エントリー

カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

探花

  • 2022/09/15 06:32
  • カテゴリー:読み物

あなたって、そんな人だったかしら

長年連れ添った伴侶にそう言われるのはどんな気分だろう。引用は、今野敏著「探花-隠蔽捜査9」(新潮社、2022年)から(p18)。シリーズ最新刊、数か月待って借りることができた。

警察ものなので当然事件が起きる。県警刑事部長の竜崎は捜査へ口出しはしないと言ってはいるけれど彼の貢献度は決して小さくない。その活躍ぶりもさることながら、周囲の人間との微妙な関係が巧みに描写されている。特に部下の阿久津参事官、大森署時代の貝沼副署長を彷彿とさせる。米海軍犯罪捜査局(NCIS)のキジマ特別捜査官は次作以降も登場するだろうか。大森署の戸高のように活躍すると面白い。

今野敏(サイト内)。探花|Wikipedia

ミレニアム1(下)

  • 2022/09/13 06:23
  • カテゴリー:読み物

悪党にも私生活を守る権利はある。他人の生き方を攻撃するのは、その人を傷つけるとても安易なやり方なんだ。

スティーグ・ラーソン著「ミレニアム1-ドラゴン・タトゥーの女」ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳(早川書房、2008年)、下巻から(p107)。

ミカエルによる謎解きは下巻に入って一気に進む。第16章、三つの発見(p41)。一つは娘から教えられる。彼女はたまたま見た古いメモ書きが何を意味するか判った。思いがけない幸運だ。しかし、三十数年来の謎がそんなに簡単に暴かれてしまうのは、ストーリーとしてちょっと無理があるんじゃないだろうか。

タイトル「ミレニアム」に込められた意味は第2部以降で明らかにされるのだろうか。この下巻に「二十世紀のスウェーデンには、未解決の殺人事件が何十件もある」(p155)とある。これは何か関係するだろうか。

「ミレニアム」(サイト内)。牛一頭牽いて卵の殻の上を歩く(p143)

ミレニアム1(上)

  • 2022/09/10 06:24
  • カテゴリー:読み物

人生の総決算として、未完成のものを整理したくなる時期にきている。

そう言うヘンリック・ヴァンゲルは82歳。三十数年来、解くに解けない謎を抱えている。スティーグ・ラーソン著「ミレニアム1-ドラゴン・タトゥーの女」ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳(早川書房、2008年)、上巻から(p121)。「プリズン・ブック・クラブ」で目にして読んでみる気になった。

探偵役のミカエル・ブルムクヴィスト(経済誌「ミレニアム」の記者)が嘆く。「ヴァンゲル姓の人たちがあまりに多いので、誰が誰だかわからない」(p221)。読む側にとってもその状態がしばらく続く。倦むことなくページをめくる。だんだん様子が判って来る。

ミカエルとリスベット・サランデル(フリーの調査員、ドラゴン・タトゥーの女)との接触が仄めかされたところで上巻は終わる。さて続きはどうなるだろうか。第2部以降もあるらしい。読み進めよう。

プリズン・ブック・クラブ「ミレニアム」(いずれもサイト内)。経済ジャーナリスト批判(p148)、チュニジアの夜(p258)、PowerBook G4 1GHzモデル PowerPC7451 res1440x900(p299)

名もなき町の殺人

  • 2022/09/08 06:27
  • カテゴリー:読み物

一般的に人間は、何かを想像しながら話そうとすると目が右上を向きやすい。逆に事実を思い出しながらだと左上を向く。極めて大雑把にいうと、嘘をつく時は右、本当のことをいう時は左だ

探偵役の神尾武史が言う。なかなかユニークな人物だ。東野圭吾著「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」(光文社、2020年)から(p294)。家人が図書館から借りて来ていたのでこれ幸いと読ませてもらった。

武史は巧みな話術で様々な情報を相手から聞き出す。新潟県生まれのあの有名な宰相も同じ手を使ったのだろうか。「えぇと君は」「はい、○○です」「それは判っている。下の名だよ」「はい、△△です」「そうそう○○△△君だったね」と、さも、相手のフルネームを覚えていたかのよう。実は相手に言わせている。一度聞いた名前を忘れない、それが人心掌握の基本だとか。忘れてしまっていても、そう気取られずに、また言わせる。その話術こそが基本の基本かもしれない。

東野圭吾(サイト内)。腹上死(p129、現在分詞・動名詞)

成功する人々の法則

  • 2022/09/01 06:17
  • カテゴリー:読み物

成功とは、人が自分のために行う決断や努力の総和ではない。それはむしろ、贈り物(ギフト)である。アウトライアーは好機を与えられた者、そしてそれをつかむ強さと平常心とを兼ね備えた者だ。

アウトライアーは本書の原題でもある。"Outliers"、ずば抜けた者、彼らが好機をとらえた物語が綴られている。マルコム・グラッドウェル著「天才!-成功する人々の法則」勝間和代訳(講談社、2009年)から(p303)。

本書のことは、アン・ウォームズリー著「プリズン・ブック・クラブ」で知った。次の読書会に向けて読んでいると誰かが言っていたように思う。受刑者たちはどんな気持ちでこの本を読んだろうか。例えば、

色んな事は成人するまでに勝負がついていることが多い。こんな記載がある(p121)。中産階級の子どもたちは、多様な体験の機会を次々に与えられる。組織の中でチームワークと対処法を学ぶ。大人と気持ちよく会話する方法や、必要に応じて自分の考えを相手に伝える方法を覚える。権利意識を身につけるのだ。

また、働くことについて何を思うだろう(p171)。「自主性」、「複雑さ」、「努力に見合う報酬」の三つが、満足のいく仕事に求められる特性であることは、たいていの人も同じ意見だろう。人を幸せにするのは、九時~五時の仕事でいくら稼げるかではない。「その仕事に充実感が持てるか」どうかだ。

プリズン・ブック・クラブ(サイト内)。モーツアルト(p48)

ユーティリティ

« 2025年04月 »

- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

クリス智子、あの人の本棚
2025/04/26 05:59
らくらじ2
2025/04/25 05:40
30-touchpad.conf、E200HA
2025/04/24 05:54
角幡唯介、あの人の本棚
2025/04/23 05:59
六厩越え
2025/04/22 05:57
あなたが誰かを殺した
2025/04/21 06:04
沖縄離島の有事避難案
2025/04/20 06:00
べらぼう(15)
2025/04/19 06:55
アイロンのある風景
2025/04/18 06:06
ボパール化学工場事故
2025/04/17 06:00

過去ログ

Feed