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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

日本人というリスク

  • 2020/07/08 05:32
  • カテゴリー:読み物

経済学的に見れば、国家とは再配分の機能であり、お金を吸収しては吐き出すパイプ(導管)のようなもの

橘玲著「日本人というリスク」(講談社+α文庫、13年)から(p119)。著者が、「人生設計論の完成形」と書いている通り、これまで何冊かで展開されて来た、経済合理的な生き方や、経済的自立などに関する話が、この本で集大成されているようだ。

# MSCI世界株(1554)

消えた仕事図鑑

  • 2020/07/07 06:53
  • カテゴリー:読み物

格安の古物を売る商店を「バッタ屋」と言うが、バタ屋が語源である。どちらもいい品を扱わない

屑を拾うバタ師の元締めバタ屋。同じ廃品回収業でも、バタ師(屋)は、鑑札を持つ屑屋より「格下の職業」。ゴミ箱をバタバタと漁る、拾った段ボールが風に吹かれてバタバタと鳴る、など、バタの語源には諸説ある。引用は、澤宮優著、平野恵理子画「イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑」(原書房、16年)から(p239)。

「大辞林」(三省堂、95年、第2版)にはこうある、【ばった屋】正規の流通経路を通さずに仕入れた品を安値で売る商人。〔多く「バッタ屋」と書く〕、【ばた屋】屑拾い。廃品回収業者。

九州出身の先輩K氏は、自社製造品ではなく仕入れ品を売ることを、バッタ商売、バッタ売り、と吐き捨てるように言っていた。

人を活かす(サイト内)。杣、井戸掘り、伝書鳩係、瓦師(三大瓦、三州、淡路、石州)、ポン菓子屋、ロバのパン屋、傷痍軍人、講釈師、のぞきからくり、幇間、代書屋、口入れ屋、鋳掛屋、羅宇屋、河太郎(よなげ師)、寺男

乃木伝説の思想

  • 2020/07/05 07:10
  • カテゴリー:読み物

人々は、明治国家の終焉とともに、その存在の「みせかけ」の原理と異なる別個のあるものが、実は明治の奥底に生きていたことを一刹那の内に反射的に想起しえたはずである。

旅順攻略の英雄、あの乃木大将が、夫人とともに明治天皇大葬の日に自刃を遂げる。殉死。人びとは、その余りにも封建的な言葉の響きに接し、我々の国は近代国家へ宗旨替えしたんじゃなかったのか、と訝しむ。橋川文三著「幕末明治人物誌」(中公文庫、17年)に収載されている「乃木伝説の思想」から(p154)。初出59年。副題は、明治国家におけるロヤルティの問題。著者の「昭和維新試論」を探したのだけれど蔵書されておらず、代わりにこの文庫本を借りて来た。

本文の「みせかけ」には括弧ではなく傍点が付されている。

# 橋川文三(1922-1983)。吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛、後藤象二郎、高山樗牛、乃木希典、岡倉天心、徳冨蘆花、内村鑑三、小泉三申、頭山満

坂の上の雲第6部

  • 2020/07/03 06:07
  • カテゴリー:読み物

神明はただ平素の鍛錬に力(つと)め戦わずしてすでに勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治平に安んずる者よりただちにこれをうばふ。古人曰く、勝つて兜の緒を締めよ、と

秋山真之が書いた連合艦隊解散ノ辞はそう終わる。司馬遼太郎全集第26巻(文藝春秋、73年)「坂の上の雲」第六部から。明治期に入って甚だしく混乱した文章日本語が「いくらかの型に整理されてゆくについては規範となるべき天才的な文章を必要とした」。漱石や子規の独創的な仕事がそうであり、真之の文章もまたその役目を果たした(p496)。

「坂の上の雲」全6部を読み終えて考えた、これは果たして歴史小説なのだろうかと。「百パーセントに近い」事実をベースとしている。新たな物語が紡ぎ出されているわけじゃない。歴史小説とは、ちょっと違うように感じる。著者の意図は、歴史上の事実や定説を紹介しそれらを評価することにあるようだ。それならば、いっそ、評伝、正岡子規や秋山兄弟の評伝、と捉える方が余程しっくり来る。

坂の上の雲(サイト内検索)。日本の新聞はむしろ流行を代表する(p284)、天気晴朗ナレド浪高シは天気予報から流用(p368)、準備に5年ほど執筆に4年三カ月(p510)

サンタのおばさん

  • 2020/06/30 06:47
  • カテゴリー:読み物

なぜサンタクロースは男性だと決めてかかるのかね

東野圭吾著、杉田比呂美画「サンタのおばさん」(文芸春秋、01年)から(p36)。

似たような話が、中村紘子著「チャイコフスキー・コンクール」にあった。「女性ピアニストたち」と題された章。「中世以来、ヨーロッパ人にとって音楽とは宗教的尊敬(即ち神)そして世俗的尊敬(即ち君主)の象徴とみなされてきたものであり、要するに権力、男らしさ、英雄的なもの等々の象徴であった」(p183)。帝王カラヤンいわく「女性はオーケストラなどにいないで、台所にいるべきである」(p186)。そんな偏見は、その内、完全になくなり、そんなこと言っている時代があったなあ、と語られることになるのだろうか。

一流奏者の需要(サイト内)

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