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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

モティベーション論

  • 2020/06/06 06:33
  • カテゴリー:読み物

ひとは、済んでしまった課題よりも、まだ未達成のままに終わっている課題の方を、よりよく思い出すものだ(略)。実は、課題が未達だということを最も明確に意識させてくれるのが、ほかならぬ目標ではないだろうか。

前半はクルト・レヴィンのツァイガルニク効果。金井壽宏著「働くみんなのモティベーション論 (日経ビジネス人文庫、16年)から(p330)。本書、モティベーションの「主要な理論は紹介」(p78)していると書いている割には、給与(昇給)とポジション(昇格)について真正面から議論しておらず拍子抜けした。

著者の名を最初に聞いたのは、1990年のことだった。神戸大学経営学部の先生で「組織論で注目あびる」とメモしている。ある方の話の中に登場した。

# Kurt Lewin(1890-1947)、「一橋大学の沼上幹氏」(p363)マズローの欲求五段階説、経営学で扱えるのは承認欲求まで

どんぐり

  • 2020/06/04 06:45
  • カテゴリー:読み物

寺田寅彦の随筆で忘れられない一篇がある。タイトルは「どんぐり」。妻を若くして失う。結核だった。忘れ形身の子が、こいもこいも(これもこれも)と、どんぐりを数える声が切なく響く。

亡妻のあらゆる短所と長所、どんぐりのすきな事も折り鶴のじょうずな事も、なんにも遺伝してさしつかえはないが、始めと終わりの悲惨であった母の運命だけは、この子に繰り返させたくないものだと、しみじみそう思ったのである。

話はそう終わる。悲惨であった運命、始めと終わりとある。終わりは病に関わることだろう。始めはどういうことだったのだろうか。当初読んだ時にも気になった。この度検索してみてそのことに言及しているサイトを見付けた。名前からすると親戚筋の方だろうか。

夏目漱石先生の追憶(サイト内)、寺田寅彦「どんぐり」|青空文庫「団栗」:寅彦と夏子、一瞬の夏、永遠の夏|寺田泰比古研究室

夏目漱石先生の追憶

  • 2020/06/03 06:55
  • カテゴリー:読み物

ずいぶん熱心に句作をし、一週に二三度も先生の家へ通ったものである。そのころはもう白川畔の家は引き払って内坪井に移っていた。立田山麓の自分の下宿からはずいぶん遠かったのを、まるで恋人にでも会いに行くような心持ちで通ったものである。

漱石との出会いを記した、寺田寅彦の随筆を読んだことがある。タイトルに、確か、夏目漱石の文字が入っている。青空文庫で確認した、「夏目漱石先生の追憶」だ。強く印象に残っている、まるで恋人云々の箇所を抜き書きした。

引用部分にある、立田山麓の下宿から内坪井の漱石宅まではGoogleマップで2キロ半ほど。現在なら徒歩で半時間。明治の当時であれば、どのくらいの時間がかかったんだろうか。

「夢十夜」第六夜(サイト内)、寺田寅彦「夏目漱石先生の追憶」|青空文庫寺田寅彦 - Wikipedia

「夢十夜」第六夜

  • 2020/06/02 07:12
  • カテゴリー:読み物

自分は積んである薪を片っ端から彫って見たが、どれもこれも仁王を蔵しているのはなかった。ついに明治の木にはとうてい仁王は埋っていないものだと悟った。それで運慶が今日まで生きている理由もほぼ解った。

この第六夜の最後が何を意味するか、あらためて、考えてみた。ここまでの話はこうだ。主人公(自分)は、仁王像を刻んでいる運慶を見物に行く。見事な出来栄えに、よく思うように眉や鼻が刻めるもんだと呟くと、作るんじゃなくて木の中に埋まっているのを掘り出しているだけだ、と近くにいた若い男に言われる。それなら誰にでも出来るとばかり、実際に自分でもやってみる。

若い男が言うことをその言葉通りに受け取ったことが間違いだった。本当は木の中に仏像が埋まっているわけではなく、あたかも土の中の石を掘り出すかのように、それ程までに運慶の腕前が達している、と彼は言ったまでのことだったのだ。仁王像は、芸術性や真理を象徴する物だろう。誰でも掘れば見付けられる安易なものではなく、才能がある者のみが見出すことができる。運慶の昔から「今日まで生きている」不変の道理だ。主人公はそのことに気付いた。

「ほぼ解った」と終わる。なぜ、ほぼ、なのか。漱石は自身が芸術家や科学者ではないので彼らに対する気遣いがあったろう。その遠慮が、作者漱石の投影である主人公にほぼと言わせたのかもしれない。弟子の一人、物理学者の寺田寅彦に、君はどう思うかねと訊ねる姿が目に浮かぶようだ。

蜜蜂と遠雷(サイト内)、夏目漱石「夢十夜」|青空文庫

化学式で書いてみた

  • 2020/05/31 07:17
  • カテゴリー:読み物

水の沸点はもちろん100℃であり、エタノールは78℃です。これら2つの分子は、大きさのわりに高い沸点をもちます。その理由は、水もエタノールも「水素結合」を形成しているためです。

そうだったそうだった水素結合。山口悟著「身のまわりのありとあらゆるものを化学式で書いてみた」(ベレ出版、20年)から(p195)。感染症騒ぎの前に予約しておいた本、ようやく順番が回って来た。残念ながら期待外れ。

参考文献のリストが、中学校・高校の参考書から始まっている。その年代向けだろうか。ニンニクのアリシン、セッケン、PET、リチウム電池、石油の分留、窒素固定など、幅広く雑多な話題が採られている。

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