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蜜蜂と遠雷

  • 2020/06/01 07:19
  • カテゴリー:音楽

君は元々知っていたんだ。たぶん、僕らは君に教えているわけじゃない。元々君の中にあったものを、君に思い出させているだけなんだ。

師匠は、大昔の立派な仏師の挿話を引いて、優れた弟子に対してその才能の高さに賛辞を贈る。その仏師とは、おそらく、運慶のことなのだろう。恩田陸著「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎、16年)から(p239)。全編、ピアノ弾きコンクールの物語。いい話を読んだ。

夏目漱石が「夢十夜」の第六夜で、運慶のことを書いている。「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋っているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」。

漱石が見た芸術と科学の美(サイト内)、生活者の音楽(p53)、天才に対する凡人の屈折した優越感(p142)、オーケストラ・リハーサル(p450)、審査結果(p508)、中村紘子著「チャイコフスキー・コンクール」

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