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2024年09月の記事は以下のとおりです。

レニとモトヒコ

映画「意志の勝利」を作ったことは残念。けれど、反ユダヤ的だったことはない、だからナチ党にも入党しなかった。原爆を投下したことはないし、誰も誹謗中傷したこともない。

いったい私のどこが悪いの、どこに罪があるって言うの。レニ・リーフェンシュタールは心底そう思っていたようだ。NHKの「ワイマール ヒトラーを生んだ自由の国」から。1993年のインタビューが使われていた。

彼女が撮影した作品「意志の勝利」(1935年)は、ナチ党の全国大会を撮影したプロパガンダ映画だ。ヒトラーに乞われて監督を引き受けた。

そんなプロパガンダ映画を監督することでナチスに協力した、それを世の人は非難しているのに、いったい自分のどこが悪いのと嘯く。自身の非は認めない。感覚がずれている。

ここにもう一人、自身の非を認めない、感覚がずれている人がいる。

県政が混乱したことは認めるし、机をたたいたことや付箋を投げたことも反省する。それに告発文書への対処は法的に問題はなかった。なのに、どうして県議会は不信任を出したりするんだ。なぜ知事である私が辞めなければならないのだ。

県政の混乱、人々が非難する理由(の一つ)はまさにそれだ。知事ご本人も認めているにもかかわらず、リーダーとしてその責任をとろうとしない。自分は悪くないの一点張り。失職して出直し選挙に立候補するのだとか。だいぶ感覚がずれている。

その選挙は11月になるらしい。果たして県民はどんな審判を下すだろうか。

R.シュトラウスと山下達郎リーダーの引き際(いずれもサイト内)。ワイマール ヒトラーを生んだ自由の国▽映像の世紀バタフライエフェクト(NHK総合、9/26 23:50)、兵庫 斎藤知事 失職し 出直し知事選に立候補を表明(9/26)、「出直し選」斎藤元彦兵庫県知事はケジメのつもりか 『私は悪くない』一点張り(9/27)、兵庫知事失職へ 出直し選に臨む大義あるのか(9/27)、Leni Riefenstahl(1902-2003年)

自民新総裁に石破氏

自民党新総裁に石破茂氏が選出された。以前ここで、党内で非主流派の元幹事長に「お鉢が回るのでは」と書いた。そして、そうなれば良いのだが、と思ったりもした。

在京六紙は、28日、総裁選の締め括りとして、一斉に、総花的な社説を掲載した。

石破氏は「他候補との間の相対的な評価」で選ばれた(朝日)とか、「国民の信頼を失った岸田文雄首相に代わる党の顔を選んだに過ぎ」ない(東京)とか、冷やかな意見は散見される。が、以下には、好意的(っぽい)コメントを各紙社説から拾って並べてみた。

「自由闊達、公正、謙虚。いずれも安倍1強と言われた体制下で失われた」「その弊害を改めるのは、党内野党的立場にあった石破氏が果たすべき役割といえる」(朝日)

「総裁選後の記者会見で、自民党はルールを守り、公平公正で常に謙虚な政党でなければならない、と述べたのも、従来の党運営を暗に批判したものとみられる」(読売)

「石破氏は裏金議員を選挙で公認しない可能性に言及した」「十分に説明しない裏金議員は非公認とすることも含め、候補者を厳正に選定するよう求める」(東京)

高市氏は、「裏金事件の震源地で最大派閥だった安倍派」に支持された。「非主流派だった石破氏の勝利は、菅義偉、岸田文雄両政権に継承された安倍路線からの転換を印象付けるものだ」(毎日)

「石破氏は金融所得課税の強化にも言及」「税の公平性をどう保つべきかは重要な問題提起といえる」(日経)

「保守の精神踏まえ前進を」。「外交安保政策の継承が重要」「国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ」(産経)

石破総裁(首相)はどんな政治手腕を見せてくれるだろうか。

さて、9/23週の六紙社説は、そのほかに、能登の大雨被害、党首選の論点、知床沖事故で社長逮捕、大の里が新大関に、立憲民主新代表に野田氏、日米豪印クアッド会談、ロシア軍機の領空侵犯、日本人男児刺殺、兵庫知事失職し出直し選に、袴田さん再審無罪、御嶽山噴火10年、USスチール買収などを話題にした。

六紙社説、米国が好むキシダの次(いずれもサイト内)。【詳しく】自民新総裁に石破茂氏 高市氏を抑え選出(9/28)

待ち望まれた日

政の頂にある者が人々の心をまことに掴むのは並大抵のことではない。

白居易「新楽府」を講義する場面が描かれる。大河ドラマ「光る君へ」第36回「待ち望まれた日」から。NHKプラスで観た。

一条天皇の中宮、彰子が若宮を生む。誕生50日の宴で主人公二人が歌を披露。「今はまだ50日ですが、若宮の治世はずっとずっと長く続くのでしょうね」と紫式部が詠めば、「鶴は千年生きると言う、それほどに長生きすれば、ずっと続く若宮の治世を見届けることができるだろう」と、道長が、阿吽の呼吸で返す。道長の正妻、倫子が何とも言えない表情を見せる。扮する黒木華は芸達者だ。

道長は、その一首の中で、鶴を葦田鶴(あしたづ)と詠んだ。高市黒人の鶴(たづ)の歌へ連想が繋がった。「桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟潮干にけらし鶴鳴き渡る」(巻3-271)。万葉集には鶴を詠んだ歌はたくさんある。中でもこれは特に有名な一首だろう。

干潟は潮が引いたので鶴は別のところへ飛んで行く、と詠んだこの歌は、もしかすると政治向きのメッセージが込められているのではなかろうか。人々はより良い場所を、つまりより良い政治を求めているものだ、と。

政(まつりごと)のリーダーは、人々の心をしっかり見つめていなければならない。

光る君へ(34)万葉の歌十選「日めくり万葉集」メモ(いずれもサイト内)。光る君へ(36)待ち望まれた日(NHK総合、9/22 20時)、自民 石破新総裁 衆院解散・総選挙「なるべく早く審判を」(9/27)

退職金上乗せ加算

きのう(9/26)、競業避止を話題にした際に、退職金の上乗せ加算(パッケージ)の話に触れた。私が転職しようとしている時、たまたま、会社は、早期退職を希望する者に対して退職金に上乗せするキャンペーンを実施中だった。いわゆる希望退職制度だ。

その受給は、退職後の競業避止が必須要件になっていたので、同業他社へ転職する自分には関係ないと思っていた。それに、希望退職制度が出来てから転職を考えたわけではなく以前から求職活動していた。事業部でのある職種をずっと望んでいたがこの会社では叶えられないのでそのポジションを別の会社に探したのだった。

退職日が決まり、引継ぎ作業を進めていたある日、私が所属していた組織の長Kさんから呼び出しを受けた。話は退職金加算のことだった。「なぜ加算金を申請しないのだ」「同業他社への転職を予定していますので」「転職先は聞いている。その企業なら、○○製造業(同業)とは書かずに、△△製造業と記入すれば良い」。コングロマリット企業なので確かにそうとも言える。

Kさんは、加算金の申請用紙をあらかじめ用意してくれており、ここで書けと私の前に置いた。言われるままに記入すると、彼はその場で決裁印を押してこう言い放った。「満額もらえるように手続きしておく」と。

温情なのか何なのか、いったいどういうことだろうと訝しく思った。

事情に通じた人があとで教えてくれた。今回の希望退職制度は、自発的な退職を促すものだが、実は、部門部署ごとにノルマも割り当てられていた。おまえ(私)がいた部署では、なかなかその数に達せず、Kさんは、ほとほと困り果てていた。そこへ、おまえが辞めると言い出した。彼はほっと胸をなでおろした。おまえに何かしてやりたいと思っても不思議じゃない。それと、加算金は人事部が予算化しているので部門としては痛くも痒くもない。

くれると言うのだからありがたく頂戴した。少なくない金額だった。住宅ローンの繰り上げ返済に充てた。

そうそう、自民党総裁候補の人たちが解雇規制見直しを議論している。金銭的解決とか何とか言って。今さら何を言っているのだ。希望退職制度という名で、人員整理を金銭的に解決している会社はいくらでもある。それも何十年も前から。

競業避止契約(サイト内)。解雇規制見直しに波紋 「首にしやすく」懸念広がる―自民総裁選(9/26)

競業避止契約

広範すぎる転職制限は無効になることがある

企業が退職者に同業他社への転職を禁じる「競業避止契約」、これを採り上げた記事を読んだ。nikkei.comにて。

競業避止の文言を実際に見たことがある。

一度目の転職。最初に勤めた会社を辞める際、誓約書への署名捺印を求められた。業務上の秘密は漏らさない、「三年間」は同業他社へ転職しない、という主旨だった。

サインする前に、法務室の部長に尋ねてみた。取引先との契約などでいつもお世話になっていた方だ。正直に、同業他社への転職を予定していると明かし、この誓約書にサインしなくても良いだろうか、と聞いた。彼は書面をよく見もしない。そりゃそうだ、彼らが作成した文章だ。そして、こう答えた。

制限が広過ぎるし「三年間」は長過ぎる。出るところに出ると、この競業避止は認められない可能性が高い。それに、そもそも憲法で職業選択の自由は保証されているからね。この誓約書は単なる守秘契約だと思ってサインすれば良い、と。

同業他社への転職を阻止できない、と会社が考えていることは別の点にも表れていた。その当時、退職者を募り、それに応える者には退職金に上乗せする、というキャンペーンが全社で展開中だった。それを満額もらうには、一定の勤続年数を超えているなどの条件がいくつかあり、同業他社へ転職しないことは必須要件だった。つまり、同業他社へ転職するならどうぞ、ただし上乗せの加算金はないよ、ということだったのだ。

結局、その誓約書にサインして円満に退職した。競業避止の文言は有名無実なのだから削除するよう交渉しようかとも考えたけれど、原文のまま、のんだ。そして、予定通り、同業他社へ転職した。

二度目の転職。その時も誓約書に署名した。課せられたのは守秘義務だけだった。55歳で早期退職した際も同様で、書面のタイトルは「秘密保持誓約書」。再び、競業避止の文言を目にすることはなかった。

山崎元さん死去転職(いずれもサイト内)。同業他社への「転職禁止」問題に 妥当性巡る判決相次ぐ(9/20)

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