VW、ドイツで工場閉鎖検討
- 2024/09/14 05:55
- カテゴリー:時の話題
高い電気で高い製品を作っても国際競争には勝てず、すでに余力のある企業から、国外逃避が始まっている。産業の空洞化、それに伴う雇用の喪失はすでに隠せない。
8月下旬、川口マーン惠美さんのシュトゥットガルト通信(8/23)を読んだ。
ドイツは、再生可能エネルギーへ完全に置き換えることを目指し、昨年4月に全ての原発を止めた。移行期は安価なロシア産天然ガスでの発電を想定していた。が、目論見はあっけなく崩れ去り、今、足りない電気は、チェコや、ポーランド、フランスなど隣国から高いお金を払って輸入している。
いったいどんな企業が国外逃避しているのだろうか、と思っていた矢先、nikkei.comの記事を見て驚いた。「ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は2日、同国で工場の閉鎖を検討していると明らかにした」(9/3)。え、ドイツ製造業の象徴のような企業がそんなことになっているのか。
VWは「工場閉鎖に関し、雇用保障を含めた労働組合との労働協約を破棄すると」「同国最大の産業別労組IGメタルに通知」(9/11)、IGメタルは「VWとの労使交渉を9月25日から始めると明らかにした」(9/13)、と続報が出ている。いずれもnikkei.comから。
日本でも原発は敵視される。「安くて安定した電気がないと、経済は立ち行かない」「ドイツも日本も、このままでは落ちぶれるばかりだ」と、川口さんは警鐘を鳴らす。
# 川口マーン惠美(サイト内)。国外逃避が止まらない…!「電気代が異常に高い」ドイツがいま陥っている「産業の空洞化」と「雇用の喪失」(8/23)|シュトゥットガルト通信、独フォルクスワーゲンの国内工場閉鎖が示唆するドイツの産業空洞化、果たして日本の二の舞になるのか?-名だたるドイツ企業がドイツ脱出を考える理由(9/13)|唐鎌大輔の為替から見る日本