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カテゴリー「音楽」の検索結果は以下のとおりです。

四つの伝説、N響#2044

  • 2025/10/24 06:01
  • カテゴリー:音楽

フィンランド人の多くは、ルター派に属し、祈りよりも内省的だ

以前、タピオラ・シンフォニエッタで交響曲第6番を振った折に、コンサートマスターからそう指摘され、シベリウス作品への接し方を変えた、指揮者のライアン・バンクロフトがそんなことを述べていた。

NHK-Eテレの番組、クラシック音楽館「N響第2044回定期公演」(10/19)から。

その指揮者はアメリカ人だ。ヨーロッパの人たちからすると、新大陸の人に欧州の音楽はわかるのかしら、と思われている節がある。が、米国もキリスト教国家だ。深いところでは通じるものがあるのだろう。音楽の本質を語り合える。

ドイツに駐在していた頃、親しい同僚がこんなことを言った。西欧の文化や芸術を深く理解するには、聖書に親しんでおいた方が良いと。異教徒の私には、やはり、壁というか溝というか、隔たりがあるのだなと思ったものだ。同僚は、聖書の次はシェイクスピアをおすすめする、と付け加えた。彼はイギリス人なのだ。昔のそんなやり取りを思い出した。

シベリウス作曲
交響詩「4つの伝説」作品22
(指揮)ライアン・バンクロフト
(管弦楽)NHK交響楽団
2025年9月26日、NHKホールで収録

さて、演奏の方は、2曲目の「トゥオネラの白鳥」はあまり冴えなかったけれど、それを割り引いても全体通して悪くないと思った。特に、1曲目の「レンミンカイネンと島の乙女たち」は出色と言いたくなる出来栄えだった。

ルター派的とか、内省的とか、は、やはり私には判然としなかったけれど。

N響宗教国家アメリカご趣味は?子規、逝く(いずれもサイト内)。N響第2044回定期公演▽クラシック音楽館(NHK-Eテレ、10/19 21時)

アダム・フィッシャー

  • 2025/10/14 06:25
  • カテゴリー:音楽

どれだけのことを要求できるかを正確に把握しておかなければなりません。それ以上は求めてはいけません。

アダム・フィッシャー氏が、フライブルグ国立歌劇場のオケを、ウィーン国立歌劇場と比べる話題の中でそんなことを述べる。

日々訪ねるサイトで、フィッシャー氏へのインタビュー記事が連載されている。カナダのラジオ局が記録したものを邦訳。引用はそれから。インタビューの時期は、1981年秋、氏がフライブルグ国立歌劇場の音楽総監督に就任した頃。

引用部分のあと、原文ではこう続いている。"But it's more than one would think, and I feel the Freiburg orchestra can realize much more than another conductor would think that they could, and they become better because I ask."

三十数年前のこと。私は、妙なきっかけで、ハイドンの弦楽四重奏曲や交響曲を、よく聴くようになった。その頃に、フィッシャー氏の指揮によるハイドンに接する機会があった。確か、第83番の「牝鶏」だったと思う。すっきりとした気持ちの良い演奏だった。

のちに発売された交響曲全集を購入した。アダム・フィッシャー指揮、オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団、全33枚組。今では、さあハイドンの交響曲を、特に81番以前を、聴こうと思う時に取り出すのはこればかり。

なにわ落語青春噺名指揮者たちのマーラー交響曲十選朝、昼、夕ハイドンの弦楽四重奏曲(いずれもサイト内)。44年前のインタビュー(3)(10/12)|クラシックおっかけ日記、Conductor Ádám Fischer - A Conversation with Bruce Duffie

ブラジル風バッハ

  • 2025/09/24 07:00
  • カテゴリー:音楽

日々訪ねるサイトで、ヴィラ=ロボス作曲「ブラジル風バッハ」が話題になっていた。私にとってはたいへん馴染みのある曲。とは言っても全9曲すべてを聴くことは滅多にない。

第6番。FlとFgのためのこの曲を学生時代によく吹いたものだ。楽譜は探せば手元に残っているはず。確か、Associated Music Publishers(AMP)版だった。聴くばかりの今となっては自分のイメージに近い音源をよくかける、Wolfgang Schulz、Milan Turković、お二人の演奏(2004年)が最右翼だろう。Robin O'NeillのFgも野趣に溢れてとても良いのだけれど一方William BennettのFlがあまり冴えないのが残念(1987年)。

第5番。全曲を通して、と言うか、ヴィラ=ロボスの作品の中で最も有名な曲。何かで採り上げられるのを時々耳にする。自分でも、あのヴォカリーズの旋律が聴きたくなって手元の音源を漁ることがある。

第2番。4曲目の"Toccata: O Trenzinho do Caipira"、蒸気機関車が走る様子を描いたこの曲が楽しい。IMSLPのスコア、その最初のページでオケの編成を見ることができる。打楽器が各種使われている、名前を見てもそれがどんな楽器なのか判らないものが多い。

これらも含めて、この機会に、全曲通して聴いてみた(Naxos、2004-05年)。今回も思ったのだけれど、自分の耳が悪いのか、「バッハ」を感じられない。

管楽器の曲十選(サイト内)。Bachianas brasileiras No.2, W247|IMSLP

サンサーンス3番、BPh

  • 2025/09/22 06:58
  • カテゴリー:音楽

ひとつ確かめたい、ベルリンフィルを指揮して音楽をするという行為が、楽しいという行為なのか。突き詰めれば突き詰めるほど、シリアスで、神経を使う作業になる。じゃ、それって楽しい音楽になるのか。

番組冒頭、指揮者・山田和樹氏が、車の中で、そんなことを語っていた。向かう先は、おそらく演奏会場だろう。この日のメインは、サンサーンスの交響曲第3番。

Camille Saint-Saëns
Symphony No.3 in c minor, op.78
Berliner Philharmoniker
Kazuki Yamada conductor
Sebastian Heindl organ
Sat 14 June 2025, 19:00
Main Auditorium

第1部。前半(第1楽章)、木管がタンギングできるぎりぎりのテンポまで上げてぶっ飛ばすようなことはしない。それどころかだいぶ遅い。それを緩まないよう上手くコントロールして盛り上げる。ちょっと感動した。後半(第2楽章)も悪くない。終わったら会場から拍手が出たほどだ。

第2部。前半(第3楽章)、各パート忙しいのだけれど、隅々まで神経が行き届き、全体の歌は途切れない。そして、オルガンの和音から始まる後半(終楽章)。音量バランスやテンポが細かく調整される。木管や鍵盤、各パートの旋律が浮き出て来る。あざとい感じがしなくもないがぴたりと嵌まる。

何かしながら点けておこうか、と思って聞き始めたけれど、図らずも、このサンサーンスに集中することになった。

ディベルティメント K166(サイト内)。クラシック音楽館▽マエストロ山田和樹 ベルリン・フィル デビュー公演(NHK-Eテレ、9/14 21時)、Concert on 12.06.2025 13.06.2025 14.06.2025 Berliner Philharmoniker, Yamada, Pahud, Heindl

大瀧詠一、矢沢永吉

  • 2025/09/20 06:31
  • カテゴリー:音楽

次のアルバムはいつ出るんですか、と皆に言われていた。が、そんなことしてる暇はない。野球を観るのも忙しいし、相撲を観るのも忙しい。映画を観るのも忙しい。音楽なんてやってる暇はないんだ。ってよくおっしゃっていた。

大瀧詠一は、"A LONG VACATION"(1981年)や、"EACH TIME"(1984年)、大ヒットを連発したあと、音楽制作活動を休止。その頃のことを、萩原健太氏が語っていた。ETV特集「POP 大滝詠一 幸せな結末」(NHK-Eテレ、9/13 23時-)から。

人はそんな器用じゃない。僕なんか考えてみたら音楽ばっかり。気付いたら、街から街へライブやって、レコードつくって、プロモーションして。同じことの繰り返し。

一方の矢沢永吉さんはインタビューでそんな応答をしていた。引用は、「ドキュメント矢沢永吉」(NHK総合、9/14 13:50-)から。初回放送は2019年8月。

大瀧は1948年生まれ、矢沢は1949年。団塊の世代ミュージシャンの二人。一人は、やり尽くし、もう一人の方は、まだまだやれると気を吐く。そんな対比があるようで、ドキュメンタリー2本、たいへん興味深く観た。

# 大瀧詠一キャロル文楽(いずれもサイト内)。「時間よ止まれ」(1978)、矢沢永吉(1949-)、大瀧詠一(1948-2013)、松本隆(1949-)、萩原健太(1956-)、上原ユカリ裕(1953-)、湯浅学(1957-)、坂本龍一(1952-2023)、鈴木茂(1951-)、井上鑑(1953-)

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