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カテゴリー「音楽」の検索結果は以下のとおりです。

3月11日のマーラー

  • 2025/03/25 06:24
  • カテゴリー:音楽

たいへんな震災のあった日に好きな音楽を聴いていたという後ろめたさと、やはり好きな音楽はずっと聴いていたいという揺れ動く気持ちを、どこに置いていいのか判らない

NHKのドキュメンタリー番組「感想戦 3月11日のマーラー」から。妙なタイトルだ。

14年前の2011年3月11日、大地震のあった日の夜、新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会は決行された。あの日、規模の大きいイベントのほとんどが取り止めになる中、珍しい対処だった。私が予定していたあるごく小規模な催しでさえ中止になった。

曲目は、マーラーの交響曲第5番。その演奏会の1年後に行われたインタビューでこの番組は構成されていた。当時の心境などを語ったのは、指揮者のダニエル・ハーディングやオケの面々、そして観客。

前売りチケットは売り切れていたらしい。満席1800人のところ、演奏を聴きにやって来たのは105人だった。徒歩圏の方が多かったろう。引用は、その内のお一人の方が語った。

番組のタイトルにある「感想戦」は、将棋や囲碁の対局直後に行われる反省会のこと。どこで優位になったのか逆にどこで失敗したのかなどを棋士自身が振り返る。それを一般化して番組名に冠したようなのだが、そんなことせずに、普通にドキュメンタリーで良かったのではなかろうか。あの震災の日を振り返るのに「戦」の文字はそぐわない。

あれから○○年、25年3月江夏の21球ロストフの14秒指揮者レバイン氏死去(いずれもサイト内)。感想戦「3月11日のマーラー」(NHK総合、3/10 22時)、新日本フィル第474回定期演奏会(2011/3/11、すみだトリフォニーホール)

ポペルカ、N響#2031,2032

  • 2025/03/10 05:58
  • カテゴリー:音楽

NHK-FMのベストオブクラシックで、N響定期、第2031回と第2032回を聴いた。N響には初登場のペトル・ポペルカによる指揮、これが、たいへん素晴らしかった。

第2031回では、例えば、R・シュトラウスのホルン協1番。棒の上手さが光る。オケをすっきり効果的に制御。文句ないソロを披露するラデク・バボラークをさらに引き立てる。

続く、第2032回、その手腕は二つの交響曲で遺憾なく発揮された。オケ全体のバランスが巧妙に塩梅される。デュナーミクやアゴーギクの微妙な変化が心地良い。とりわけシューマンの1番は出色の出来映えだった。

いいものを聴かせてもらった。

交響曲第1番と同じ年に作曲された、「序曲、スケルツォとフィナーレ」を演ったことがある。指揮者の方が「シューマンのスコアは、この曲にしても交響曲にしても、どうもバランスが悪い。手を入れたくなる」と言っていたことを思い出した。随分昔のことだ。

N響交響曲十選(いずれもサイト内)。ベストオブクラシック▽N響第2031回定期公演【曲目】シンフォニエッタ(ツェムリンスキー)ホルン協奏曲第1番Es(R.シュトラウス)交響詩「のばと」(ドボルザーク)シンフォニエッタ(ヤナーチェク)【演奏】ペトル・ポペルカ(指揮)ラデク・バボラーク(ホルン)【収録】2025年2月8日NHKホール(NHK-FM 2/27 19時半)、N響第2032回定期公演【曲目】アリア「私は行く、だがどこへ」交響曲第25番g(以上モーツァルト)交響曲第1番B「春」(シューマン)ほか【演奏】エマ・ニコロフスカ(メゾ・ソプラノ)ペトル・ポペルカ(指揮)【収録】2025年2月13日サントリーホール(NHK-FM 2/28 19時半)。Petr Popelka(1986-)、Radek Baborák(1976-)

シベ2、札響#666

  • 2025/02/27 06:05
  • カテゴリー:音楽

NHKらじる★らじるのリストを眺めていると札響のシベ2があったので聴いてみた。

札響第666回定期演奏会
シベリウス作曲
交響曲第2番ニ長調作品43
指揮)広上淳一
管弦楽)札幌交響楽団
2025年1月25日収録

北大出身の友人が、札響のシベリウスはいいですよと、ずっと前に言っていた。そのことを思い出し大いに期待した。とか言って、図面(#47)を描きながら聴いたのだが。

第1楽章、ぎくしゃくしてスムーズに進まない。第2楽章、どうしたことか随分と素人っぽい雰囲気が漂う。が、第3楽章の後半あたりからエンジンがかかって来たのか、終楽章にかけてまあまあ安心して聴いていられた。総じて言うと、今回のシベ2は、残念ながら一定の水準には達しない、そんな印象を受けた。指揮者の責任だろう。

なんとアンコール曲があった。「悲しきワルツ」。プロのオケが定期演奏会でアンコールに応えるんだな。

シベ2、N響#1993(サイト内)。札響第666回定期演奏会【曲目】武満徹「乱」組曲、伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」、シベリウス「交響曲第2番」【指揮】広上淳一、【ピアノ】外山啓介、【管弦楽】札幌交響楽団、【案内】村上陽子、【収録】2025年1月25日、札幌コンサートホールKitara(NHK-FM札幌、2/23 14時)

名指揮者たちのマーラー

  • 2025/02/24 06:40
  • カテゴリー:音楽

第1番はまだまだだが、番号を重ねるに従って、その人ならではの作風が形づくられて来る。ベートーベンが典型だろう。しかしマーラーの場合は、10曲ほどある交響曲はどれも既にマーラーであり、どれが最初でどれが最後かもわからない。

そんな話を聞いたことがある。誉め言葉かもしれない。さすがマーラー、初めから自身の作風を確立していたんだな、と。もしくは、同じような曲ばかりいくつも書いて、大いなる無駄だ、というアンチ・マーラーの悪口かもしれない。

先週、NHK-FMのベストオブクラシックは、「名指揮者たちのマーラー」と題してその作曲家の交響曲を、連夜、放送した。ラインナップは以下、

第1番 ヤープ・ファン・ズヴェーデン指揮、フランス放送フィルハーモニー管。第3番 サイモン・ラトル指揮、ヴェルビエ祝祭管。第5番 アダム・フィッシャー指揮、ベルリン放響。そして、第8番 クリスティアン・ティーレマン指揮、ドレスデン国立歌劇場管。

この内、1番と5番を続けて聴いた、木製パズル(#46)全48ピースの塗装をやりながら。

まず第1番。オケはよく統制されている。それに瑞々しい演奏だ。度々、作業の手を止めてしばし聴き入った。指揮者ズヴェーデン、覚えておこう。続いては5番、こちらは凡庸で可もなく不可もなし。同じ日のハイドンは冴えていたのだが。

マーラー(サイト内)。名指揮者たちのマーラー▽ベストオブクラシック、(1)バイオリン協奏曲(ジョン・アダムズ)、交響曲第1番(マーラー)【演奏】フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、ヤープ・ファン・ズヴェーデン指揮【収録】2023年11月17日、ラジオ・フランス放送センター、オーディトリウム(仏パリ)(NHK-FM、2/17 19時半)、(3)交響曲第49番(ハイドン)、交響曲第5番(マーラー)【演奏】ベルリン放送交響楽団、アダム・フィッシャー指揮【収録】2024年11月9日、コンツェルトハウス(独ベルリン)(NHK-FM、2/19 19時半)、【案内】高山久美子

プルチネルラ、N響#2029

  • 2025/02/12 06:07
  • カテゴリー:音楽

前回ちゃんと見なかったがために「レニングラード」(N響#2028)を迂闊にもダウンロードしてしまったことを反省し、その次の定期公演は番組表でしっかり確認した。ソヒエフ指揮でプルチネルラ。これは大いに期待できる。

N響第2029回定期公演
ストラヴィンスキー作曲
組曲「プルチネッラ」
(指揮)トゥガン・ソヒエフ
(管弦楽)NHK交響楽団
(24分20秒)
2025年1月24日NHKホールで収録

期待に違わずこれはなかなかの好演。管、弦ともに達者で、指揮の指示によく反応しているのが判る。2年ほど前に同じオケで聴いた時には、まったく冴えない演奏だった。誰が指揮をするかによってこうも変わるのだ。

音楽とはまったく関係ない話。先日、ベトナム戦争のドキュメンタリー番組を観た。ベトナムは軍事大国アメリカに勝利する。国土は焦土と化し3百万人以上が犠牲となったがそれでも屈しなかった。英雄ホー・チミンのリーダーシップのなせる業だ。人々は彼を信じ、彼の言葉に気持ちを奮い立たせた。そして、事をなし遂げる。組織はリーダー次第、そのことをあらためて思い知った。

前半のプルチネルラに続いて後半はブラ1。これもまた素晴らしい演奏。番組の解説者が言う「堂々」の表現が的確だろうと思った。今回の2曲、消さずに保存版にしよう。

プルチネルラN響(いずれもサイト内)。N響第2029回定期公演【曲目】組曲「プルチネッラ」(ストラヴィンスキー)交響曲第1番ハ短調(ブラームス)【指揮】トゥガン・ソヒエフ【収録】2025年1月24日NHKホール▽ベストオブクラシック(NHK-FM、2/7 19時半)、映像の世紀バタフライエフェクト「ベトナム 勝利の代償」(NHK総合、1/27 22時)

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