グルダの平均律
- 2019/05/10 07:03
- カテゴリー:音楽
グルダのバッハを聴く機会があった。70年代に Philips レーベルで録音された、平均律クラヴィーア曲集の第1巻と第2巻。こういう演奏なら、肩肘張らず、気負わずに聴いていられる。いい音源に出会った。聞かなければ聞かないで、別段、支障はないけれど、「音楽史上最も重要な作品群のひとつ」に親しめるに越したことはない。
# 平均律クラヴィーア曲集(サイト内)、Friedrich Gulda(1930-2000)
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グルダのバッハを聴く機会があった。70年代に Philips レーベルで録音された、平均律クラヴィーア曲集の第1巻と第2巻。こういう演奏なら、肩肘張らず、気負わずに聴いていられる。いい音源に出会った。聞かなければ聞かないで、別段、支障はないけれど、「音楽史上最も重要な作品群のひとつ」に親しめるに越したことはない。
# 平均律クラヴィーア曲集(サイト内)、Friedrich Gulda(1930-2000)
ドボルザークの弦楽四重奏曲で、第12番「アメリカ」以外に聴く曲がもう一つある。番号の付いていない「糸杉」だ。ハーゲン弦楽四重奏団の盤がそれら二曲をカップリングしているので(間にはさまっているコダーイの2番はすっとばす)、続けて聴く内にお馴染みになった。ただし、彼らの「糸杉」は抜粋だ。全12曲ある内5曲のみの収録。この度、全曲聴いてみようとシュターミッツ弦楽四重奏団の演奏(93年)を聴いてみた。ここ一週間ほど少し時間があれば毎日のように流している。なかなか良い。
昨夜、N響が、平尾貴四男の作品を演奏していた。曲名は、交響詩曲「砧」。N響第1910回定期公演Cプログラム(4/19、19時、NHK-FM)にて、山田和樹指揮。聴いてみた。おフランスの香り漂う中、日本的旋律が流れて行く。
この作曲家の作品で、以前から知っている曲がある。50年に作曲された木管五重奏曲。LP レコードで聴いて、いつか演奏しようと楽譜も用意した。その後、同じ音源を CD で買い直しもしたのだが、結局、今に至るまで、何かの機会に演奏するどころか、試しにやってみることもなかった。
その音源は、日本のアウロス五重奏団による62年の録音(キングレコード)。曲目:平尾貴四男「五重奏曲」、間宮芳生「木管五重奏のための三楽章」、入野義朗「パルティータ」より、演奏:アウロス五重奏団、メンバーは、小出信也(Fl)、丸山盛三(Ob)、浜中浩一(Cl)、山田桂三(Hr)、戸沢宗雄(Fg)、収録:62年5月、東京杉並公会堂
平尾貴四男、1907(明治40)年東京生まれ、53年に他界、享年46歳。その経歴は、例えば http://www.medias.ne.jp/~pas/hirao.html などに掲載されている。
時々この曲が聴きたくなる、ドボルザークの弦楽四重奏曲第12番ヘ長調「アメリカ」。LP 時代は、プラハ弦楽四重奏団の演奏を聴いていた。70年代の録音だ。気に入っていたので、他の盤は不要だった。実際、経済的理由もあって、この曲はこれ一枚しか持っていなかった。が、CD に切り替わっても、なぜか、同じ演奏の盤は買い直さなかった。買い求めたのは、ハーゲン弦楽四重奏団の演奏(86年)だった。店頭に並んでいるのを見て、衝動買いしたような記憶がある。以来、浮気せず、他には手を出さなかった。特に不満はない、すっきりとしたいい演奏だ。先日、東欧の、できれば、チェコの人たちの演奏を聴いてみようと、パノハ弦楽四重奏団の演奏(84年)を聴いてみた。これが素晴らしい。これからはこれ中心に聴くことになるだろう。
ヤナーチェク晩年の室内楽曲。このモラヴィアの偉大な作曲家が、70歳になって、十代の頃の幸せな日々を思い出して(inspired)書いた、そんな事情がスコアに記されている。彼の晩年の曲のいくつかがそういう懐古的な傾向にある中、この曲のタイトルは、ずばり、「青春」(チェコ語 Mládí、英語 Youth)と題されている。
おれが最初に聴いたヤナーチェクがこの曲だった。高校時代のことだから、40年も前の話だ。曲の楽器編成が、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット、そしてバスクラリネット。つまり、木管五重奏にバスクラを一つ加えた六重奏。木管奏者にとってこの曲は、どちらかと言うと、鑑賞する、よりは、演奏する対象だ。この曲でヤナーチェクを知った、そういう木管奏者は少なくないと思う。金管奏者にとってその位置にあるのは「シンフォニエッタ」だろう。冒頭のファンファーレだけを取り出して演奏することはままあることなので。
手元にある「青春」の音源の内よく聴くのは二つの演奏、Holliger (Ob) や、Thunemann (Fg) らの Basel Ensemble(86年)と、Quintette à vent Claude Debussy(96年)。後者ではバソンの音を聴くことができる。ただし、その音色はファゴットにかなり近い。奏者の好みだろうか、実際、その奏者 Laurent Lefèvre は、後にファゴットに転向してしまったらしい。
この曲のスコアは、IMLSP に登録されている。こちら → Mládí (Janáček, Leoš)。ここには Soni Ventorum Wind Quintet による音源(72年)もある。終わりに拍手が入っている、ライブ収録なのだろう。音質に難あるが、演奏は悪くない。