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カテゴリー「音楽」の検索結果は以下のとおりです。

フィレンツェの思い出

  • 2024/08/26 06:00
  • カテゴリー:音楽

30年ほど前のこと。あるバイオリン弾きとの会話。最近、何やってるの、と尋ねると、彼女は曲名を答える代わりに弾いて聞かせてくれた。「フィレンツェの思い出」第一楽章の冒頭だった。「チャイコの六重奏か」。「そう。今度、弦楽合奏版でやることになった。なかなか手ごわくてね」。

その少し前にアントルモン指揮の弦楽合奏版を聴いて、それが素晴らしい演奏で、6人の室内楽より合奏の方が、断然、良いと思っていたところだった。この曲、それとシェーンベルクの「浄められた夜」どちらも六重奏でも演奏できるけれど、基本的に分厚い響きの方が合うようだ。「弦楽合奏か、そりゃ懸命だ」。本番の日程を知らせてくれた。都合が合わず聴きには行かなかった。

ラジオの聴き逃しにあった「フィレンツェの思い出」を聴いて、そんな昔のことを思い出した。ラジオの方は、今夏の音楽祭で録音された六重奏版。熱心に弾いているのは伝わってくるけれど今一つぱっとしない、残念ながら。

弦楽合奏版を聴き直そうとアントルモンのNaxos版を探したのだがどこかへ行ってしまったのか手元に見当たらない。

浄められた夜弦楽器の曲十選(いずれもサイト内)。Tchaikovsky*, Vienna Chamber Orchestra*, Philippe Entremont – Serenade For Strings / Souvenir De Florence|Discogs、「ヨーロッパ夏の音楽祭」▽第1夜アウグスブルク・モーツァルト音楽祭(NHK-FM、8/19 19時半)【曲目】弦楽六重奏曲 作品10(コルンゴルト)弦楽六重奏曲 作品70「フィレンツェの思い出」(チャイコフスキー)【収録】スモール・ゴールデン・ホール(ドイツ アウグスブルク、6/12)

恋するカレン

  • 2024/08/21 06:14
  • カテゴリー:音楽

キャーンドルをくーらくして~♫

「夏は大瀧詠一」と友人からのメッセージ。それには「恋するカレン」の冒頭歌詞が添えられていた。アルバム「A LONG VACATION」(1981年)の収録曲。

「恋するカレン」、いい曲。とは思ってたけれど、どんなことを歌っているのかは今一つわかってなかった。あらためてよく聴いてみた。

これって、主人公が女(「君」)にふられて、その腹いせをぶちまけている歌。女が別の男の「背中に手を回し踊るのを壁で」見ている。男のことを「見せかけの魅力」と見下し、自分を「捨て」た女のことを「哀しい女だ」と強がる。かなり見苦しい。

捨てられたとは言うものの見向きもしてもらえなかったのだろう。おそらく告白すらできずに、「抱き合う幻」を心に秘め、ずっと「片想い」。この日も、女に声をかけることはできない、壁に張り付いて、彼女の動きを目で追っていただけ。こいつこそ哀しい男だ。そして淋しい。うじうじしている。

ま、A LONG VACATIONにしても、EACH TIMEにしても、曲の雰囲気を楽しむもの。

# 大瀧詠一(サイト内)

R.シュトラウスと山下達郎

  • 2024/08/09 06:17
  • カテゴリー:音楽

ジャニーズ問題に関連して、友人とやり取りする中で以下のようなことを書いた。

ドイツに、リヒャルト・シュトラウスという作曲家がいた。有名な作品は、例えば「ツァラトゥストラはかく語りき」、映画「2001年宇宙の旅」の冒頭のあれ。そのほかにも色々と書いており、現代のオーケストラにとって重要なレパートリーになっている。

が、この人、戦時中はナチスに協力した音楽家として知られている。そんじょそこらの犯罪者どころではない。大量殺戮を指示したあのヒトラーらと仲良くしていたのだ。

二次大戦後は、当然、干された。少しは謙虚に殊勝にしていたかと思いきや、元々傲岸不遜な性格は改まることはなく、自身の作品は、演りたければ演ればいい、聞きたければ聞けば良い、と、人を見下した横柄な姿勢は死ぬまで続いたらしい。

今、リヒャルト・シュトラウスの作品を、ナチスと結び付けて、忌避する傾向は感じられない。芸術的な価値が認められているからだろう。山下達郎の場合はどうだろう。誰を擁護したか、どんな発言をしたか、そんなこととは関係なく、果たして彼の作品は、将来、末永く聴かれることになるだろうか。

ジャニーズ性的虐待問題山下達郎の音楽十選Re: 二重小協奏曲ヘ長調(いずれもサイト内)

中央フリーウェイ

  • 2024/07/22 06:05
  • カテゴリー:音楽

初めて会った頃は毎日ドライブしたのに、この頃はちょっと冷たいね、送りもせずに

人の心は移ろう、そう思った。初めて聴いたのは中学2年か3年の時。曲全体、楽し気な様子なのに、不穏なことを言うのだなとも思った。「中央フリーウェイ」(1976年)

大人になって色々と事情を知った。この曲の頃は、まだ、荒井由実。付き合っている彼に家まで送ってもらう。求婚もされていたのだろう。けれど、「ちょっと冷た」くなって来ている。どうしようかと迷う。ま、それでもいいか。彼は実力のあるミュージシャンだ、現実的な選択をしよう、ということだったろうか。

あらためて歌詞を追うと、「この道はまるで滑走路、夜空に続く」というのは、独身時代とおさらばして新生活へ踏み出そうとする決意表明のようにも聞こえる。「夜空」は、果てしない可能性だろうか、それとも深い闇だろうか。

# ユーミン(サイト内)

あの日に帰りたい

  • 2024/07/19 05:38
  • カテゴリー:音楽

今愛を捨ててしまえば傷つける人もないけど、少しだけ滲んだアドレス、扉に挟んで帰るわ

ユーミンの名曲「あの日に帰りたい」(1975年)から。

ベタな歌詞で、過去の恋愛を懐かしんでいるだけのことと思っていた。ずっとそう思っていた。が、ふと、引用した部分の歌詞が妙に気になった。何度となく聴いてよく知っているはずなのに、今、本当の意味がようやく判ったように思う。

これは、つまり、元カレへの「愛」を捨てられないので、夫もしくは今の彼氏を傷つけることになる、と言っている。その覚悟で、元カレのところにアドレスを置いて来た。「あの日に帰りたい」、その望みを行動に移して、実際に、あの日に帰ろうとしている。かつての彼のところへ。

全編、滔々と過去を語っているようで、実は、未来を見ている。

友人とそんな話をしていると、その行動は「いちかばちか」だろうかと訊ねられた。さあどんなもんでしょ。

ユーミン(サイト内)

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