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日本の政治を問いなおす

自民党といえども人間関係だ。好き嫌いだ。結局そこへ行き着く。政治は人間関係による離合集散。面白いし単純だ。

三角大福中の時代にそう感じたと保阪正康氏が言う。田中秀征氏がコメントする、「確かに人間関係なんだが、それを乗り越えるのも政治」と。

NHKラジオの「徹底対論・日本の政治を問いなおす」第4回から。戦後80年の今年、「日本の政治を歴史的に俯瞰する視点からとらえ直す」と番組紹介にある。

かつて勤めていた会社の経営幹部と酒を飲んだ折、その人が別の幹部の悪口を言う。「あいつは好き嫌いで人事をする、けしからん」と。私は、まあまあまあと宥め、「好き嫌いで人事」という本もありますよ、と当時出版されたばかりの書名を口にした。そんなことで彼の気が収まるはずもなく、益々、悪口雑言が重ねられた。そんなことがあった。

あの本、私も読んでみた。刺激的なタイトルとは裏腹に、正当な評価に基づき人事するという話だった。人に対する好き嫌いではなく、人を評価する基準に対する好き嫌いなんだろうなと思ったものだ。松井道夫著「好き嫌いで人事」(日本実業出版社、2005年)。思い出しついでに、また読んでみるのもいいかもしれない。

# 「徹底対論・日本の政治を問いなおす」#4(NHKラジオ第1、3/1 15時)【出演】保阪正康(現代史研究家・ノンフィクション作家)/田中秀征(福山大学客員教授・元経済企画庁長官)/中北浩爾(政治学者・中央大学法学部教授)【進行】安達宜正(NHKラジオセンター長・政治担当解説委員)【キャスター】星川幸

べらぼう (9)

では、その声に含まれる焦りは何ゆえだ

盲目の鳥山検校(市原隼人)が鋭く言い放つ。大河ドラマ「べらぼう」第9回「玉菊燈籠恋の地獄」から。

検校にまで昇り詰めた人なればこそ、言葉の裏にある何かを悉く嗅ぎ分けられる。平々凡々たる我々にも、時として、そんな瞬間がある。つい最近あった。東の街の納税係の方と電話で話した折にちょっとした違和感を覚えた。

東の街。つまり、きのう最終回を書いた相続放棄の件だ。亡くなった大叔母からの相続を母が放棄した話。

相続放棄は完了し、あれこれファイルを整理している際に、その大叔母のご主人のことを考えた。陸軍の軍人で、大叔母の実家そばに駐留していた部隊に配属されていた。終戦時の階級は中尉。その人について知っているのはそれぐらいのこと。下の名前も今回の作業で初めて知ったほど。

などと考えながら、ふと、ある重大な事実を見落としていることに気付いた。

大叔母さんは、確か、後妻だった。中尉の奥方が亡くなった後、縁あって後添いとして迎えられた。子は儲けず、前妻の子供らの継母となった。

となると、今回の話はいったいどうなる。急いでwebで調べた。

果たして、後妻が亡くなった場合の相続は、養子縁組していない限り前妻の子供には相続権はない。そうか。もしかして今回はこのケースじゃないのか。

そう言えば、東の街へ電話して事情を尋ねた折、納税係の人が、亡くなった大叔母の子供らは相続放棄したと言った、その時に、少し違和感を覚えた。微妙な間があり、言葉を選ぶような感じがあった。

相続の先の順位にある子供らが相続放棄したのなら、負の遺産があるかもしれない。と母も慌てて相続放棄を行った。が、その前提は違っており、そもそも、子に相続権はなく、母たち姪や甥に相続の順位が移って来ていただけなのかもしれない。負の遺産など存在しないのでは。

ま、相続放棄を完了した今となってはどうでもいいことだけれど。

さて、大河ドラマの方では、瀬川花魁が鳥山検校に身請けされることになった。その経緯を描くこの第9回は、脚本、演出、ともに冴えていた。瀬川に扮する小芝風花がいい。

べらぼう叔母が姪に遺したもの(サイト内)。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(9)玉菊燈籠恋の地獄(NHK総合、3/2 20時)

二○三高地

戦争は、今、作戦の変更を命じておるのだ

旅順要塞の攻略を担当する、乃木希典(柄本明)の第三軍は失敗を重ねる。見るに見かねた満州軍総参謀長の児玉源太郎(高橋英樹)は、軍律を侵すことを承知で、第三軍に乗り込み指揮を執る。

引用は、NHKのドラマ「坂の上の雲」第22回「二○三高地(後編)」から。

「その策」をとれば上手く行きそうだ。勝てる。けれど、多大な労力と、ある程度の犠牲を払う必要があるだろう。そういう前提があるとして、

乃木の場合、もしかすると「その策」を知っていたかもしれない。が、彼は熱心に語る幕僚たちの進言を容れて、別の策を採り続けた。その結果、想定よりももっと多くの犠牲者を出すことになってしまった。

児玉は、乃木に代わり、指揮を執る。これ以上の無駄死には断じて許さない、と、幕僚たちの強硬な抗弁を喝破し、「その策」を命じる。結果、ある程度の犠牲は伴ったものの要塞を陥落させ目的を遂げる。

リーダーシップについて議論する際のケーススタディになると思った。

乃木はフォロワーの声を重視し、児玉はリーダーの考えのみを通した。二人とも一方に偏り過ぎ。リーダーはどうすべきだったのか。失敗を繰り返した乃木はもちろんのこと、成功した児玉でさえ、もう少し上手くやれたのではないか、という意見が出るだろう。リーダーとフォロワー、双方が納得できる進め方があったはず、と。

坂の上の雲(サイト内)。NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」第22話「二○三高地(後編)」(NHK総合、2/9 23時)

松岡正剛(著述家)

新しい組み合わせを作り出す。常に、古いものも新しいものもその所属の場所を離れて、翼を持って出会えるようなものを創っていきたい

あの人に会いたい「松岡正剛(著述家)」での、2001年の古い映像から。

氏の言う編集工学というのはよく理解できないけれど、縦の糸しかないものに、横の糸を通すかのような考えや、新旧のより良い融合などは、判るような気がする。

松岡正剛(サイト内)。NHK映像ファイルあの人に会いたい 松岡正剛(著述家)(NHK総合、2/15 5:40-5:50)、1987年編集工学研究所設立

べらぼう (6) (7)

そりゃやっぱり、きんきん野郎たちでありんすなぁ。そっちは、きんきんじゃないざんすよ。

通ぶって粋がってるやつらが吉原へ遊びに来るのだが・・・。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」第6回から。

続く第7回では「女の股で飯食ってる」なんてセリフもあったりして、このドラマ、当時の吉原をしっかり描こうとする意気込みや覚悟が感じられる。

そっちは、きんきんじゃない、女の股で、って、それはどういう意味、とか、ありんすとか言ってる人たちはどういう人なの、とか、小学生、特に低学年なら親に質問しそうだ。大河ドラマは歴史の勉強になるから、と子供も一緒に観させている家庭では気を付けないといけない。第1回で、遊女の裸体(死体)が登場した段階で、今年は子供は見ちゃダメとなった家庭は少なくないと思うが。

そんな話を同僚としていたら、以前話題になった「鬼滅の刃」に遊郭編があって、それはだいぶ物議を醸したんだよ、と教えてくれた。

さて、今年の大河ドラマ、蔦重の奮闘ぶりもさることながら、田沼意次や平賀源内がどんな風に絡んで来るのか、その点にも興味がある。映像のつくりも好ましい。観続けることになりそうだ。

べらぼう(サイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(6)鱗剥がれた『節用集』(NHK総合、2/9 20時)、(7)好機到来『籬の花』(NHK総合、2/16 20時)

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