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カテゴリー「興行・放送」の検索結果は以下のとおりです。

善き人のためのソナタ

今は仕事を禁じられた哀れな演出家だ。フィルムのない映写技師、穀物のない水車小屋と同じさ。

著名な舞台演出家イェルスカが言う。1984年の東ドイツ、彼は当局によって反体制の烙印を押され活動を禁止されている。ドイツ映画「善き人のためのソナタ」(2006年)から。観るのは二度目。今回GYAOにあるのを見付けた。[Filmarks 4.1]

原題は、Das Leben der Anderen。当局が「他人の生活」を覗き見る、ぱっと見はそうだけれど、「他人の命」を弄んでいるとも取れる。さらに、「もう一つの顔」のようなニュアンスが込められているようにも思う。意味深長なタイトルだ。

女優クリスタ=マリー・ジーラント、そして、当局側のゲルト・ヴィースラー大尉。二人のコード名は、各々、CMS、HGW XX/7。このコード名が誰を指すのか、観る者にそれをはっきり認識させるまでに少しの間がある。その部分の描き方が上手い。

もう一人、劇作家ゲオルク・ドライマン、彼のコード名はラズロ(Laszlo)。前回観た時にも思ったのだけれど、この名は、映画「カサブランカ」(1942年)を彷彿とさせる。イングリット・バーグマン扮するイルザの夫がラズロという名前なのだ。この名を聞くだけで、あんたが愛すべき男はこいつなのか、本当にそれでいいのか、という雰囲気になる。不思議なもんだ。

# ABEMA(サイト内)。GYAO善き人のためのソナタ|Wikipedia、カサブランカ|同

ベン・ハー(2016)

振り返るな。人生は目の前に広がってる。

モーガン・フリーマン扮する族長が言う。映画「ベン・ハー」(米、2016年)から。

ちょっと拍子抜け。チャールトン・ヘストン主演の旧作(1959年)を焼き直したんだろうけれど、上手く行かなかったね、と、そんな風に見えてしまう。昨今、CGで様々な表現が可能になっている。映画の良し悪しはそんな小賢しい小手先の小細工で決まるわけじゃないということか。

砂の上を文字が駆け抜けるエンドロールはよく出来ている。こんなところに労力かけるなら本編の方で、もうちょっと、頑張れば良かったね。[Filmarks 3.3]

ABEMA(サイト内)。GYAOベン・ハー (2016年の映画)|Wikipedia

フライト・クルー

責任者は誰なの

おばさんよ、今そんなことを確認している余裕はないだろう。火山からの溶岩流がもうすぐそこまで迫って来ているんだ。早く飛び立たないと飛行機も滑走路も使えなくなる。

ロシア映画「フライト・クルー」(2016年)から。[Filmarks 3.3]

どうにかこうにか火山島からの脱出には成功する。が、そのまま、すんなり帰還とはならない。その後も問題が続出する。エンジンに火災発生、先発した一機の燃料切れ、空中での救援活動、嵐の到来、着陸時に車輪故障などなど。観る側のこちらは、手に汗握り、肩に力が入り、疲れ果ててしまう。気軽に楽しめばいいのだろうけれど。

ABEMA(サイト内)。GYAO

私をくいとめて

それから、その話し方。無機質かと思えば、ネガティブな時だけ妙に感情がこもりがちです。親しみやすさを増したければ、プラスの言葉を形で表現するようにしましょう。

もう少し人に好かれるにはどうすればいい、と自分の中のもう一人の自分に相談する。のん主演の映画「私をくいとめて」(2020年)から。[Filmarks 3.7]

イタリアへ向かう機内で「く・ち・び・る」などの文字が飛び交う。その不思議なシーンを観て、映画「いつか読書する日」を思い出した。もしかして両作品に共通するスタッフでもいるのだろうかと見比べたがそうでもなさそうだ。

その飛び交う文字は、大滝詠一「君は天然色」の歌詞。アルバム「A LONG VACATION」のA面最初に収録されたお馴染みの曲。初めて聴いたのは大学1年の時だった。40年を超える付き合いで、今でも時々聴きたくなる。mp3をスマホにも入れている。

ABEMAペパーミント・ブルー(いずれもサイト内)。林遣都(多田くん)、私をくいとめて|Wikipedia、いつか読書する日|同、福家警部補の挨拶#フジテレビ版|同

あしたは最高のはじまり

何とかなるさ

オマール・シー扮するサミュエルは、そう言いながらも決して楽観的でも自棄でもない。沖縄の方言「なんくるないさ」に似ていると思った。

映画「あしたは最高のはじまり」(仏、2016年)から。原題"Demain Tout Commence"は英訳すると"Tomorrow Everything Begins"と出る(Google翻訳)。

この映画、Filmarksでの平均評価値は、5点満点の3.9。この数値を頼りに、ABEMAの本日無料に並んでいるのを観た。例えば、天使のくれた時間(3.9)や、キャロル(3.8)も同じように選んだ。4に近いと、ハズれはない。「みんなの意見は案外正しい」わけだ。

ある日の映画の欄には、これは7日後まで無料、そっちは4日後まで、と17本が並ぶ。アクション映画の方には20本。知らない作品ばかり。Filmarksの評価値(3.5以上)で機械的に篩にかけ、マイリストに入れておく。時間がある時に、無料期間が切れていないのを観る。今はそんな風にしている。

ABEMA(サイト内)。Google翻訳Filmarks、J.スロウィッキー著『「みんなの意見」は案外正しい』(2004年)、本日無料|ABEMA

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