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1000番地

別れたら次の人でしょ。郷愁はあるけれど未練はない。初恋の人をたまに懐かしく思い出すかもしれないけど、やっぱり今の人を大事にしないと。

居酒屋の女将さんが言う。再開発で追いやられ別の場所に店を構える。その心情を恋ごころに喩える。引用は、ETV特集「1000番地」(11/2)から。

札幌の中心部、だだっ広い駐車場の真ん中あたりに居酒屋はあった。中央区南三条西十丁目1000番地。真四角の810坪。不動産屋やデベロッパーなどそっち方面の人たちにとってたいへん有名な候補地。ここがいよいよ再開発されてデカいビルが建つことになった。

「マンション出来るって言いますけど、色気のない再開発なのかなって思いますよね」と居酒屋の常連客が言う。それに対して、「なぜ、街づくりしてる方が悪者なんだ」「未来を創るんだから」と、開発する側の不動産屋二代目社長の声を紹介する。

「死んだら人間は土地を去るだけ。建物を持って行くことなどできません」と零細クリーニング店のオヤジが言う。それに対して、「不動産は、無限の価値なもの」と、不動産屋初代社長の声も紹介する。

一方からの視線だけで番組は進行しない。NHKは、両側の声を丁寧に拾う。何か判断することがあるのならば、それは視聴者に任せますと。

ETV特集(サイト内)。「1000番地-土地と人間に関するリポート」▽ETV特集(NHK-Eテレ、11/2 23時)

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