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カテゴリー「時の話題」の検索結果は以下のとおりです。

定家の原本発見

定家の時代から800年を経て、いまだこうした発見があることに、日本の奥行きがあるといえよう。

藤原定家の自筆本が見付かった。古今和歌集の注釈書「顕注密勘」。歌学者の顕昭による注釈に、定家が自説を付け加えたもの。引用は、産経新聞の社説「定家の原本発見 文化の神髄深く究めたい」(4/21)から。

子孫の蔵の中で見付かったのだとか。襖や屏風の下張りに埋もれていたわけではない。ましてや土中から発掘されたわけでもない。蔵に収められた特別な箱に入っていたのだ。

おそらく、その箱に何が入っているかは判っていたけれど秘されていたのだろう。なぜ今になって「発見」なのだろうか。社説は事情を明らかにしないが、「傷みがひどく」云々あたりに真相がありそうだ。国宝級の古文書をこれ以上損なうわけにはいかない、存在を世に知らしめて、専門家による修理、保存を進めようと。

そう考えてみると、引用部分にある「日本の奥行き」という妙なコメントは、痛烈な皮肉を言っているように読める。

# 藤原定家(1162-1241年)、顕昭(1130?-1209年?)、「定家の原本発見 文化の神髄深く究めたい」(産4/21)

減少が続く書店

偶然手にした一冊が、自分の世界を広げてくれることもある。

まったくその通りだと思う。「本は知識や教養を高め、人として成長するのに不可欠な存在だ」ともある。これにも同意する。引用は、読売新聞の社説「書店の減少 大切な文化の拠点を守りたい」(4/20)から。

ただ、「本との出会いの場である書店」「文化の拠点」と、あたかも本があるのは書店だけのように書くのには違和感を覚える。そうではないだろう。この社説にも「インターネットによる本の販売や電子書籍の普及」と書いているし、図書館は学校にも街にもある。

かつて、本を入手するには写本するしか手がなかった時代があった。貸本屋が繁盛した時代もあった。時代の移り変わりとともに、本をどうやって入手するか、どうやって読むか、それは変化して行く。ネットを介して本を買い、インターネット上で本を読む、それが主流になる時代がすぐそこまで来ている。

新聞が、「書店の灯を消さないために」と、この社説を書いたのには切実な思いがあるに違いない。発行部数の減少が続き、紙の新聞も消え行く運命にある。書店を取り巻く深刻な状況は他人事ではないのだろう。

さて、4/15週、在京六紙の社説は、そのほかに、イランの大規模攻撃、衆院3補選、水原元通訳訴追、裏金再発防止策、LINEの情報流出、円安の深刻化、トランプ氏公判、イランとイスラエルの応酬などを話題にした。

六紙社説、ニュース砂漠(いずれもサイト内)

サプリメント、3つのウソ

「天然なら安全」「いいものは多いほどいい」「何もしないより何かする方がいい」

サプリメント業界は、これら3つの消費者心理に訴えかけて、何とか売上げを伸ばそうと画策する。引用は、Gigazineの記事「サプリメント業界が消費者をだますのに使っている3つのウソとは?」(4/9)から。

サプリメントは、法的には食品と同じであり、国の許認可の対象である医薬品とは一線を画する。安全性に関して何ら確かめられていない、と覚悟の上で摂取しなければならない。

記事によると、7割を超えるアメリカ人が、ビタミンや栄養補助食品を摂取していることが昨年の調査で明らかになったのだとか。そこまでではないにせよ、日本でも多くの人が日々のんでいるのだろう。

サプリメント業界が消費者をだますのに使っている「3つのウソ」とは?(4/9)、「紅麹サプリ」はただの食中毒問題ではない…医療関係者が小林製薬の「企業倫理」に激怒している理由-アメリカでは購入しないよう消費者に注意喚起(4/16)

「大東亜戦争」投稿

陸上自衛隊の第32普通科連隊が、SNSの投稿で「大東亜戦争」という表現を用いた。「侵略戦争の正当化」などと議論を呼び、部隊はこの言葉を削除して投稿し直した。

本件に関して在京六紙の社説がどう述べているか見てみよう。

「陸自部隊が公式アカウントで一時的とはいえ聖戦思想を疑われかねない投稿をしたことは深刻である」、「自衛隊の歴史観を憂う」(東4/10)。

「今、太平洋戦争の使用例が多いからといって、大東亜戦争の使用を問題視するのはあまりに狭量で自虐的」、「何の問題もなく戦争自体の賛美でもない」。「自由の国日本で、言葉狩りによって表現の変更が強いられてしまったのは残念だ」(産4/10)

これは歴史的な用語だろう、政府は一般に公文書では使用しない。そうであれば「自衛隊員を含む公務員が公に発信することは適切でないと言わざるを得ない。そうした歴史的文脈に思いが至らないとしたら、それこそが、戦争の記憶の風化といえよう」(朝4/13)

色々な意見があっていいと思う。私自身は、「大東亜戦争」は基本的に使わない。「先の大戦」とか「二次大戦」と言うようにしている。

問題の投稿では「大東亜戦争最大の激戦地硫黄島」という表現だったようだ。もしこれが当初から「かつて大東亜戦争と呼ばれ、今は太平洋戦争と言われることが多い戦いで最大の激戦地だった硫黄島」と書かれていたら、どうだったろう。物議を醸したのだろうか。ふとそんなことを思った。

さて、4/8週の六紙社説は、そのほかに、ガザ戦闘半年、紅麹問題と機能性表示食品、再び国策旅客機構想、国立大学政策、少子化対策法案、日米首脳会談、日米比の安保協力、韓国与党大敗などを話題にした。

六紙社説、せんそうをよむ(いずれもサイト内)

シェルター整備

政府は、外国からの武力攻撃を想定したシェルター(避難施設)の整備に関する基本方針と技術ガイドラインをまとめた。在京六紙の社説もこれを採り上げている。

中国は台湾への圧力を強めている。「台湾有事が現実となれば、先島諸島への影響は避けられない。政府がこの地域にシェルターを優先的に整備することは妥当だ」(読4/3)。まず対象となっているのは先島諸島の5市町村、宮古島市、石垣市、竹富町、与那国町、そして多良間村。

先島諸島だけでいいのか。「政府方針には不十分な点がある」、「沖縄本島へ攻撃が及ぶことも想定し、整備を急ぐべきだ」(産4/6)

まずはそうなんだろうけれど、政府方針にせよ、社説の論説にせよ、甘くはないか。

北朝鮮のミサイルは、米国にも届くのだから日本列島を十分にカバーする。試射により精度向上に余念がない。中国の巡航ミサイルに至っては、航行中の艦艇にさえ命中させられる精度だ。もちろん日本全土を射程に収める。ボタン一つで、日本中の基地や都市を、極めて正確に攻撃できる。整備すべきシェルターは、もはや、沖縄だけどうのこうのと言ってる段階ではない。

ではどうする。「先島諸島に限らず」(読4/3)、「沖縄のみならず」(朝4/1)、「沖縄に限らず、全国的な整備も必要」(産4/6)。社説はそう書くが、そんなことやってたらいくらお金があっても足りない。都市が先、そっちは後、と優先順位の議論でもするのか。

「万一への備えは大切だが、住民の命を守る確実な手段は戦争を起こさせないことだ。外交を含めた万全の努力が求められる」(朝4/1)。ホントに整えるべきはこれだろう。

さて、4/1週の六紙社説は、そのほかに、能登の復興、金利の復活、USスチール買収その行方、新入社・新入学、対北安保理パネル決議案否決、イラン大使館への空爆、川勝静岡県知事辞意、台湾で大地震(沖縄で津波警報)、自民の裏金議員処分、岡口判事罷免判決などを話題にした。

六紙社説、社説の安保問題、21年平和は槍で得るものなのか(いずれもサイト内)

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