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カテゴリー「時の話題」の検索結果は以下のとおりです。

リーダーの引き際

「私が何をやったというのか」 辞任を促す上院議員の手紙に激怒したり、家族の反対を口実に続投を訴えたり。一方、辞任をほのめかしたり、周囲に自殺を心配されたりの不安定な精神状態。ニクソン氏の引き際は「悪あがき」とも言えるものですが、退陣圧力にも抗い、地位に執着することは権力者の本能かもしれません。

ウォーターゲート事件で任期中に辞任に追い込まれたニクソン大統領。50年前のアメリカでのお話。引用は、一か月ほど前に掲載された、東京新聞の社説「週のはじめに考える 権力者の引き際とは」(8/4)から。

社説は、リーダー2人の去就を伝えている。まず、再選を目指していた大統領選から撤退を表明したバイデン大統領。「トランプ前大統領の有利が伝えられ、党内で噴き出した撤退論に抗い切れなかった」(東8/4)。もっと「悪あがき」するかと思いきや、割とあっさり自ら身を引いた。

一方、岸田首相は、この8月初旬時点では、9月の「総裁選を目前にして、党内の支持獲得に腐心」(同)、まだ「悪あがき」をしている。それに、自民党の裏金問題では、「どこかひとごと」、「組織のトップである自分には何のおとがめもなし」(同)、と厳しく非難されている。結局、8月半ば、電撃的に退陣を表明。裏金問題について「組織の長として責任を取る」と会見で述べた。

今、もう一人「悪あがき」のリーダーがいる。世を騒がせている兵庫県のあの人。パワハラなどの疑惑が内部告発された斎藤元彦知事。いよいよ県議会議員全員が辞職を求める事態となっている。本人はすべての疑惑を否定しているが、「一連の対応が不適切だったのは明白だ」「斎藤氏は潔く身を引く決断を下すべき」と、産経新聞の社説(9/14)は見限る。

これからどんな「悪あがき」ぶりを見せてくれるのだろうか。

さて、9/9週、在京六紙の社説は、そのほかに、日韓の首脳外交、被爆体験者の救済、パラリンピック閉幕、トランプVSハリス討論会、自民・立民W党首選、新米の価格高騰、東大の授業料値上げ、自民総裁選の討論会などを話題にした。

六紙社説、閉幕、退陣、敗戦トランプ登場に備えよ(いずれもサイト内)。バイデン大統領「新しい世代にバトン渡す」 演説で撤退理由説明(7/25)、岸田首相退陣へ、総裁選に不出馬表明「けじめつける」(8/14)

VW、ドイツで工場閉鎖検討

高い電気で高い製品を作っても国際競争には勝てず、すでに余力のある企業から、国外逃避が始まっている。産業の空洞化、それに伴う雇用の喪失はすでに隠せない。

8月下旬、川口マーン惠美さんのシュトゥットガルト通信(8/23)を読んだ。

ドイツは、再生可能エネルギーへ完全に置き換えることを目指し、昨年4月に全ての原発を止めた。移行期は安価なロシア産天然ガスでの発電を想定していた。が、目論見はあっけなく崩れ去り、今、足りない電気は、チェコや、ポーランド、フランスなど隣国から高いお金を払って輸入している。

いったいどんな企業が国外逃避しているのだろうか、と思っていた矢先、nikkei.comの記事を見て驚いた。「ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は2日、同国で工場の閉鎖を検討していると明らかにした」(9/3)。え、ドイツ製造業の象徴のような企業がそんなことになっているのか。

VWは「工場閉鎖に関し、雇用保障を含めた労働組合との労働協約を破棄すると」「同国最大の産業別労組IGメタルに通知」(9/11)、IGメタルは「VWとの労使交渉を9月25日から始めると明らかにした」(9/13)、と続報が出ている。いずれもnikkei.comから。

日本でも原発は敵視される。「安くて安定した電気がないと、経済は立ち行かない」「ドイツも日本も、このままでは落ちぶれるばかりだ」と、川口さんは警鐘を鳴らす。

川口マーン惠美(サイト内)。国外逃避が止まらない…!「電気代が異常に高い」ドイツがいま陥っている「産業の空洞化」と「雇用の喪失」(8/23)|シュトゥットガルト通信、独フォルクスワーゲンの国内工場閉鎖が示唆するドイツの産業空洞化、果たして日本の二の舞になるのか?-名だたるドイツ企業がドイツ脱出を考える理由(9/13)|唐鎌大輔の為替から見る日本

最低賃金、2024年

「都道府県ごとに定める最低賃金の2024年度の引き上げ額が出そろった」と日本経済新聞の社説にある。9/4付け。半分以上の27県で目安額の50円を上回ったとか。

最低賃金の社説は一か月ぶり。在京六紙は、7月半ばから8月初頭にかけてこのテーマを採り上げていた。数えてみると8本に上る。8/2付の毎日から今回の日経まで間が空いた。

「働き手が首都圏や近隣県へ流出するのを懸念し、積極的に引き上げる県が目立つ」「最低賃金の水準を地域間で競うのは必然といえる」(経9/4)。煽るねぇ。

そして、「望ましい最低賃金の水準を導き出すには、中長期の視点と精緻なデータ分析が必要だ」「英国ではエコノミストら専門家も情勢分析に加わって最適な引き上げ額を探っており、日本も参考にすべき」(同)、と批判する。

煽る。扇動する。人心を惑わせる。世の中かき回す。ビジネスへ繋げる。経済を動かす。要するに頭にあるのは金儲けのことだ。

批判する。権力を批判するのはメディアの務めだと嘯く。その一方で弱者に寄り添うわけでもない。常に上から目線で言い放し。わしゃ知らね、って。

そんなことばかりだから新聞は益々読まれなくなる。もう少し何かできないものか。例えば経済紙だったら、この賃金ネタはお手の物だろう。その「情勢分析」とやらに腰を据えて取り組めば、中長期的な賃金水準を割り出すこともできるはず。それを提案する場として社説を使えばいい。

さて、9/2週の六紙社説は、そのほかに、兵庫知事の疑惑、台風10号の被害、予算の概算要求過去最大に、男性の育休取得、ガザでワクチン休戦、裏金と自民総裁選、プーチン氏逮捕されず、公益通報制度、日韓首脳会談、立憲民主党代表選などを話題にした。

六紙社説、最低賃金アップ、23年度(いずれもサイト内)。東京1163円、沖縄952円

博士人材の活用

学生側は、現在の研究の延長線で仕事をしたいと思うのに対し、企業側は幅広い分野での活躍を期待している。

博士は専門バカで潰しが効かない、と企業は思っている。引用は、読売新聞の社説「博士人材 企業の積極的な活用が必要だ」(8/27)から。経産省と文科省は、博士人材の就職支援策を強化するため合同の検討会を設置したのだとか。「博士人材が活躍できる環境を整えていく重要性は高い」(読8/27)。

同紙は、この話題が気になるようで、ほんの2か月前にも、社説「博士人材の活用 幅広く能力を生かせる社会に」(6/25)を掲載したばかり。「博士号の取得者は、科学技術や産業の発展に欠かせない人材だ」(読6/25)。

今年、在京六紙の社説で、タイトルに「博士」の文字が登場するのはこの2本だけ。もっと議論されてしかるべきテーマなのに他紙はいったいどうしている。

最近は観光立国という言葉が飛び交っているけれど、GDPで数%ほどの観光産業では心許ない。やはり我が国は科学技術立国を標榜し続ける必要がある。そのために理系の人材活用は必須。科学技術力の低下が著しいと言われる今こそ、大学、政府、産業界はぜひ建設的な議論を重ねてほしい。新聞の社説をはじめ論壇も、成り行きを注視し、意見を述べねばならないだろう。

さて、8/26週の六紙社説は、そのほかに、ヒズボラ報復攻撃、日清食品に警告、中国軍機初の領空侵犯、セブン&アイ買収提案、パリ・パラリンピック開幕、自民党総裁選、デブリ取り出し中断、台風10号迷走、兵庫知事が百条委出席、防衛費概算要求、防災の日などを話題にした。

六紙社説(サイト内)。社説「止まらぬ科学力低下 技術立国の旗、降ろすのか」(中國新聞、2023/8/13)

浜畑賢吉さん死去

7月に亡くなられたとか。追悼2024でアラン・ドロンの訃報を読んだあと、8月そして7月と遡ってスクロールする内に浜畑さんの名前に行き当たった。

「日めくり万葉集」(2008年)に出演しているのを観た。その折、彼が選んだ一首は、蟹を憐れんで乞食者(ほかいびと)が詠んだ長歌だった(巻16-3886)。ちょっと驚いた。

詠み人の乞食者は、文字通りの乞食ではない。現代で言うところの芸能人。芸を売り見返りを得ていた。芸を売る乞食者が、蟹を擬人化して詠む。その蟹も芸を売る。

蟹にお座敷がかかる。「歌うたいとして呼ばれるはずもない。笛吹きとしても呼ばれることがあろうか。琴弾きとして呼ばれるはずもない」と、本人は承知している。が、とにかく出かけてみる。すると、蟹は、縄で縛られ料理され食われてしまうのだった。

どんな気持ちでこの一首を選んだのか、番組の中で述べられたかどうか記憶にない。現代の俳優がこれを選んだ、それに驚いたことをよく覚えている。

「日めくり万葉集」メモ(サイト内)。巻16-3886|万葉百科、追悼2024 写真特集|時事ドットコム

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