博士人材の活用
- 2024/09/01 06:01
- カテゴリー:時の話題
学生側は、現在の研究の延長線で仕事をしたいと思うのに対し、企業側は幅広い分野での活躍を期待している。
博士は専門バカで潰しが効かない、と企業は思っている。引用は、読売新聞の社説「博士人材 企業の積極的な活用が必要だ」(8/27)から。経産省と文科省は、博士人材の就職支援策を強化するため合同の検討会を設置したのだとか。「博士人材が活躍できる環境を整えていく重要性は高い」(読8/27)。
同紙は、この話題が気になるようで、ほんの2か月前にも、社説「博士人材の活用 幅広く能力を生かせる社会に」(6/25)を掲載したばかり。「博士号の取得者は、科学技術や産業の発展に欠かせない人材だ」(読6/25)。
今年、在京六紙の社説で、タイトルに「博士」の文字が登場するのはこの2本だけ。もっと議論されてしかるべきテーマなのに他紙はいったいどうしている。
最近は観光立国という言葉が飛び交っているけれど、GDPで数%ほどの観光産業では心許ない。やはり我が国は科学技術立国を標榜し続ける必要がある。そのために理系の人材活用は必須。科学技術力の低下が著しいと言われる今こそ、大学、政府、産業界はぜひ建設的な議論を重ねてほしい。新聞の社説をはじめ論壇も、成り行きを注視し、意見を述べねばならないだろう。
さて、8/26週の六紙社説は、そのほかに、ヒズボラ報復攻撃、日清食品に警告、中国軍機初の領空侵犯、セブン&アイ買収提案、パリ・パラリンピック開幕、自民党総裁選、デブリ取り出し中断、台風10号迷走、兵庫知事が百条委出席、防衛費概算要求、防災の日などを話題にした。
# 六紙社説(サイト内)。社説「止まらぬ科学力低下 技術立国の旗、降ろすのか」(中國新聞、2023/8/13)