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台湾輸入再開

台湾が、福島第1原発事故後に実施して来た福島など5県産食品の輸入禁止措置を大幅に緩和すると発表した。六紙の内3紙がこれを社説で採り上げた(経産朝)。

東日本大震災の折、台湾からの義援金は250億円を超えた。世界最多と聞いたことがある。それに限らず台湾の親日はよく知られたところ。けれど、それはそれこれはこれで、日本産食品の輸入規制の判断があって当然だと思っていた。民主的な手続き(レフェレンダム)を踏まえているのだから尚更のこと。

社説の意見は、左右中、各々の色が出ている。「台湾の人々が食品の安全性を重視するのは当然である」が、「国際基準と科学的な知見に基づき冷静に判断すべき」(経2/9)。「必ずしも国際基準に従う必要はなく、どれだけのリスクを許容するのかはその国の社会的合意で決まる」「科学的に安全と主張するだけでは相手国の納得は得られない」(朝2/12)。「科学的に安全性が確保された福島産などの食品輸入を規制するのは不当であり、台湾がこれを解除するのは当然だ」(産2/10)。

今回の発表の背景には台湾が申請中の環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟のことがあると3紙は指摘する。「加盟国はすべて原発事故後の対日輸入規制を撤廃しており、台湾も加入交渉に向けて緩和が必要と判断」(産)。「日本の支持をとりつける狙い」(朝)。「国際基準に合わせた対応が必要と判断」(経)。

社説は触れていないけれど、台湾は、最近、別の食品禁輸を解除した。肥育促進剤ラクトパミンを使った米国産豚肉だ。この件も、良くも悪くも、日本産食品への今回の規制緩和に関係していることは間違いない。

2/7週の六紙社説では、そのほかに、EU原発回帰、五輪の政治利用、東京離れ現象、嫡出推定規定、入試科目に「情報」、懲戒権削除、教員不足、米の対日鉄鋼関税、診療報酬改定、アサリ産地偽装、ウクライナ危機、欧州向けLNG融通、そして、藤井竜王五冠に、などが話題になった。

日本食品の禁輸解除がカギ TPP加入交渉―台湾(2021/9/24)、日本産食品の解禁議論加速 TPPにらみ、住民投票が追い風(1/10)、台湾で国論二分の米国産豚肉めぐる住民投票(1/6)

官僚や教員の人材不足

若手職員の退職が増加し、自己都合で職を離れた20歳代の総合職の職員は、19年度に6年前の4倍になったという。学生の「国家公務員離れ」も進み、21年度の総合職試験の申込者数は前年度と比べ10%以上少なくなった。

政府が国会に提出する資料にミスが続出している。構造的な問題が背景にあると指摘するのは、読売新聞の社説「予算資料の誤り なぜ官僚の不手際が続くのか」(2/3)。省庁の仕事量に応じた「定員のあり方」を検討せよと言う。

朝日新聞の社説「教員不足調査 働き方改革待ったなし」(2/4)は、「若者の教員離れ」を報じている。長時間労働など厳しい職場環境が嫌われるようだ。誰しも同じ給料なら楽な仕事の方がいい。

必要なのは、「官僚組織の規律と意欲を高める」方策(読)、「仕事に魅力を感じて教職を志す人が増える」対策(朝)、と各々唱える。果たして人は何に意欲を見出し魅力を感じるのだろうか。まず報酬。もちろんそれだけではない。多くの人は、甲斐を求める。やり甲斐、働き甲斐、人によっては生き甲斐でもあるだろう。国家公務員や教員の場合には使命感という言葉も思い浮かぶ。差し詰め、今の役所や学校は、もはや、甲斐や使命感を体現できる職場ではない。求職者には、3Kに見えているんだろうな。

1/31週の六紙社説は、北京冬季五輪開幕や、対中人権決議、ミャンマー政変1年、相次ぐ北朝鮮のミサイル発射、ウクライナ緊張、日米高速炉開発協力、ゲーム産業M&A、中露首脳会談など、海外関連の題材が目立った。その他の話題に、石原元知事死去や、埼玉の立てこもり事件、経済安保法制、IR整備計画などがあった。

新年展望六紙社説(いずれもサイト内)。島崎敏樹「生きるとは何か」

英、EU離脱1年

労働力不足が目立つ現状には、低賃金労働を担う移民が不可欠なのに、移民制度を急激に変えた弊害が表れている。企業の競争力や社会の安定を維持するには、より柔軟な制度が必要ではないか。

英国民の6割が、EUからの離脱は「うまくいっていない」、失敗だった、と思っている。その一因は、移民制度が替わったことにあるようだ。読売新聞の社説「EU離脱1年 英国が払った代償は大きい」(1/22)から。トラック運転手や、介護、食肉加工など、3K分野の人手不足を報じている。

イギリスは移民大国だ。元宗主国として昔の植民地から多くの移民を受け入れて来た。さらには、EUの東方拡大(2004年)以来、東欧から大量の労働者が流れ込んだ。例えば、イギリスに暮らすポーランド人は百万人に達しており、「イギリスの医療部門は、すでにポーランド人抜きには機能しない」(「移民難民」p127)。

移民の有り難みは重々承知している。その受け入れを制限すれば、困ったことになる、特にEUからの低賃金労働者が減る、そのことは判っていたはず。それを覚悟の上で、英国人の雇用を守るために、EUからの離脱を決めたのではないのか。

読売が社説で提唱する「より柔軟な制度」とは何を意味するのか。まさか、比較的給料が高く楽な仕事を英国人のために確保する一方で、低賃金3K労働を中心に、足りない人数分だけ新たに移民を募れ、とでも言うのか。そんな身勝手が許されるだろうか。

さて、1/17週の六紙社説、そのほかには、トンガ海底噴火や、東大前無差別刺傷、阪神淡路大震災27年、通常国会開幕、建設統計不正の報告書、北朝鮮のミサイル、賃上げへの道筋、みずほ銀新体制、DNA抹消判決、水島新司さん死去、バイデン氏就任1年、日米首脳TV会議などが話題になった。もちろんオミクロン対応も。

「改憲」の論点英国総選挙を受けて(いずれもサイト内)。「移民難民」川口マーン惠美著(グッドブックス、2019年)、シュトゥットガルト通信|現代ビジネス

阪神淡路大震災27年

どれほどの悲痛事であっても記憶は社会から徐々に薄れていく。

弛むことなく次に備えよと説く。産経新聞の社説、「1・17」と津波 教訓を未来に継承しよう 津波警報に経験は生きたか(1/17)から。阪神淡路大震災から27年経った。きのう東京新聞の社説もこれを題材とした。今朝は朝日と読売にあった。計4本。

昨年は同じ顔ぶれが17日に出揃っていた(朝東読産)。

毎日と日経は、昨年に続いて今年も、この件を社説のタイトルに掲げないのだろうか。2紙がこの二日間に採り上げたのは、週休三日制(毎経)や、大阪ビル放火一か月(毎)、ウクライナ情勢(経)、トンガ海底噴火(毎経)、首相の施政方針演説(毎経)だった。

「社説」210117(サイト内)

アジアのEV化

できない理由を並べていては、既存事業の勝者が新しい事業への参入で後れをとる「イノベーションのジレンマ」に陥り、虎の子の市場を中韓に切り崩される恐れが拭えない。

東南アジア、特に二大市場インドネシアとタイ、でのEV戦略はどうなっている。日本の自動車メーカーは、今の市場でシェアが9割に達しているからと、胡坐をかいているんじゃないだろうな、と問い質す。引用は、日本経済新聞の社説「日本はアジアのEV化に乗り遅れるな」(1/13)から。

イノベーションのジレンマ、このジャーゴンが余程好きなんだな。先月の16日に使ったばかりじゃないか。

なお、この一週間の六紙社説でもう一つ、タイトルにEVがあった。これも日経。「ソニーのEV参入が示す自動車の変貌」(1/10)。経済紙が、自動車産業に起こりつつある、EVを中心とする「地殻変動」を追うのは当然のことだろう。何せ「日本に残された、強い国際競争力を持つ、数少ない産業のひとつ」だ。

一般紙も、日本経済を牽引するこの産業の未来に、もっと注目しても良いのではないか。日経に次いでEVの社説が多いのは読売だろうか。直近は大晦日の1本。題して「EV戦略強化 基幹産業の競争力を守りたい」(読21/12/31)。

1/10週の六紙社説は、毎日新聞の特集「再生’22」をはじめ、新年への「展望」が依然として続いた。それとともに、積み残しの課題を確認するかのように、ビル放火や、高校教科書の改革、介護職員の賃上げ、性暴力教員、激甚化する災害、ミャンマー、香港、建設統計不正、皇位継承、人口減少を題材とする社説が単発であった。複数紙が採り上げたトピックスは、成人の日や、こども家庭庁、北朝鮮ミサイル発射、オミクロン対策、カザフスタンの騒乱、衆院10増10減、財政の悪化、東証の再編など。

トヨタEV戦略(サイト内)。トヨタのEV巻き返しに期待する(経21/12/16)、太陽光電池車 究極のエコカー目指せ(東1/11)

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