Good morning, Ohio
- 2026/01/24 07:06
- カテゴリー:興行・放送
歴史的に見て過激なグループは成功していない
デイトン大学のアーサー・ジプソン(Arthur Jipson)准教授が言う。ETV特集「グッドモーニング オハイオ」(NHK-Eテレ、1/10 23時)から。彼は過激とも言える改革の動きを研究対象としている。
過激なグループが掲げるイデオロギーは、そのまま社会のシステムや制度として定着することは難しい。社会を根底から覆そうとする、急進的すぎる変化は大多数の反発を招き、そのグループは解体されたり、穏健派に吸収されたりすることが歴史の常。
ジプソン准教授の言葉を番組の中で使ったNHKの意図はどこにあるのだろう。白人労働者層の支持を背景としたトランプ現象という熱狂も、そう長くは続かないと予言しているように見える。が、今のアメリカは、SNSや、依存性の高い薬物、極端な分断などで、過去の教訓が機能しない未知の領域に入り込んでいる可能性もあり、「歴史的に見て」なんて、もはや通用しないぞと言っているのかもしれない。
なぜ「グッドモーニング オハイオ」というタイトルなのだろう。米映画「グッドモーニング、ベトナム」(1987年)のオマージュで、オハイオ州ラストベルト(Rust Belt)は、合成麻薬フェンタニルの蔓延や貧困によって、もはや日常が戦場と化していると言いたいのだろうか。トランプ支持の背景にある白人労働者層の真の傷みに目を向けよという、国際社会への警鐘(モーニングコール)だろうか。それとも、かつての強い米国を象徴する場所、オハイオの無慈悲な夜明けを提示しているのだろうか。
まさか、おはよう、オハイオ、という言葉遊びではあるまいな。