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2026年03月07日の記事は以下のとおりです。

女形に生きた男たち

映像の世紀バタフライエフェクト「人間国宝 女形に生きた男たち」の再放送を観た。2月の初回放送時には観なかった。一か月しか経っていないのに再放送されたので、何かあるな、と思い直して観たのだった。
 
世界史の連鎖を見せてくれるこのシリーズを、毎回、見逃さないようにしている。なのにこの回は歌舞伎というローカルな話題だ、これは何かの間違いだろうかと思った。それに歌舞伎に材を採った「国宝」という映画が大ブームになっている(観てないが)。あ、姑息な便乗で視聴率を取ろうとしているなとも感じた。これが2月には見ようとしなかった理由。
 
だが、この度、観てみると、芸道のアーカイブ・フィルムがふんだんに盛られているのは当然だが、GHQが歌舞伎上演を禁じた際にフォービオン・バワーズがそれを救ったとか、六代目歌右衛門らのソビエト公演とか、六代目と三島由紀夫の対談とか、しっかり歴史の交差点が描かれている。それに、華やかな舞台の裏側にある、小児麻痺、不義理、嫉妬、名跡の空位など、冷徹な現実も映像で証明する。NHKドキュメンタリーの意地を見る思いがした。
 
現代の価値観からすると女形という異形の俳優をどう見ればいいだろうか。六代目歌右衛門は父の跡を継いだ。番組はそれに宿命という言葉をあてる。あまりにも暴力的な表現と思うけれど、どうやら、それを、歌右衛門の名跡が今は「空位」であると強調して回収したのだろう。フィクションの映画では華々しく描かれたけれど、実際のところ、もはや誰もそのような狂気の人生を選ばなくなったのだと。
 
映像の世紀(サイト内)。「取材協力 児玉竜一」、渡辺保著「女形の運命」、映像の世紀バタフライエフェクト「人間国宝 女形に生きた男たち」(NHK総合、3/5 23:50)[再]

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