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新年展望、25年

1月1日付けの社説がどんなことを書いているだろうか。少し抜粋してみた。以下、「タイトル」(紙名)「抜粋文」の順。

「不確実さ増す時代に 政治を凝視し 強い社会築く」(朝日)「胸騒ぎがする。波乱が起きる予感が。それが何かはわからない。いつにも増して先が見えない年が、明けた」

「戦後80年 混迷する世界と日本 『人道第一』の秩序構築を」(毎日)「第二次世界大戦の終結から80年となる2025年を迎えた。戦火は広がり、国際社会の分断が深まる。強者が弱者を力でねじ伏せる『ジャングルの掟』の時代に、時計の針を巻き戻してはならない」

「年のはじめに考える あわてない、あわてない」(東京)「タイパを求めるなら、一番は独裁制でしょう」「権威主義の意思決定のスピードは民主主義と段違いで『決められない』とは無縁ですから」「私たちに必要なのは、タイパの悪さを辛抱し、まどろっこしさを受け入れる雅量なのだと思います」

「平和と民主主義を立て直す時 協調の理念掲げ日本が先頭に」(読売)「世界は歴史の変動期のただ中にある。そうした目まぐるしい展開の底流で、三つの危機が同時に進行していることに目を向けたい」「平和の危機」「民主主義の危機」、そして「自由の危機」

「未来と過去を守る日本に」(産経)「抑止力の構築を急がないと、日本は数年内に、戦後初めて戦争を仕掛けられる恐れがある。平和を守っていく年にしたい」

「変革に挑み次世代に希望つなごう」(日経)「円安や金利上昇は日本の成長力不足や財政規律の乱れに対する警鐘と受け止めるべきだ。ひずみの目立つ税制や社会保障を超党派で腰を据えて議論し、改革することが急務」

さて、どんな一年になるだろうか。「波乱が起きる」「分断が深まる」、ましてや「戦争を仕掛けられる」、そんなことにならないよう願うばかりだ。

◇ 

今年も日曜日は在京六紙の社説をざっと見て何か書こうと思う。なお、六紙は略称で示していることが多い。朝=朝日新聞、毎=毎日新聞、東=東京新聞、読=読売新聞、産=産経新聞、そして、経=日本経済新聞。

六紙社説(サイト内)

ホンダ日産統合協議

ホンダと日産自動車が経営統合に向けて協議を始めた。在京六紙の社説を見てみよう。朝日以外の5紙が書いている。

「日産はカルロス・ゴーン元会長による長期政権に幕を下ろした後の経営体制を模索している最中で、経営難もあいまって迷走が続いている」(毎12/19)

「経営統合には、ハイブリッド車(HV)の売れ行きが好調で経営体力に余裕のあるホンダによる日産救済という側面もある」(東12/24)

「米テスラや中国の比亜迪(BYD)といった新興メーカーが価格競争力や開発スピードの速さで電気自動車(EV)市場を席巻していることに対する危機感がある」(産12/19)

「両社とも自動車の大変革期を単独で乗り切るのが難しい」。この統合の「真価を問われるのは、単なる応急処置ではない。自動車産業の大転換にどう立ち向かうかだ。EVでもソフトでも、両社は挑戦者の立場」(経12/24)

「台湾の電機大手・鴻海精密工業が、日産への出資を模索しているとの情報があったことも統合への背中を押したとみられている」(読12/19)

ここで鴻海(ホンハイ)の名前が出て来る。同社が、iPhoneの受託生産で培った技術やノウハウを活かしEV市場に参入して来たのは、5年ほど前のことだった。EVなど次世代の車を走るスマホぐらいに捉えているのだろうなと思ったものだ。自社ブランドを展開せず、オープンプラットフォームで、EVの受託設計、製造に注力するホンハイが、日産に触手を伸ばしているのはどういう意図があるのだろうか。

この統合で「ホンダはリスクを引き受けることになる」(毎12/19)。「社風も異なる両社間で主導権争いが起き」かねない(東12/24)。「統合に向けたハードルは、むしろ社内に潜んでいるのかもしれない」(経12/24)。そうであるなら、いっそホンハイに任せてしまう方が良いのでは。ホンハイに買収されて、業績がV字回復したシャープの前例もある。

さて、12/23週の六紙社説は、そのほかに、裏金と政倫審、三菱UFJ貸金庫窃盗、NHK経営委の番組介入、日米金融政策、半導体産業復活への道、日中外相会談、少数与党下の来年度予算案、韓国の政争、などを話題に採り上げた。

六紙社説、日産・ホンダ提携(いずれもサイト内)。ホンダ・日産 経営統合 歴史的再編の行方は(12/25)

社説で知る外国事情、51w

在京六紙の社説から海外がらみの話題を拾ってみた。この一週間の期間で。

「戦闘機共同開発 サウジの参画に懸念」(朝12/16)。日英伊、3か国による次期戦闘機の共同開発。そこへサウジアラビアが参画の意向を伝えて来た。

「中国の景気下支え策 回復の処方箋になるのか」(毎12/16)。景気低迷する中国が、金融・財政の両面で内需を拡大するための政策を打ち出した。

「韓国弾劾案可決 真相の究明を徹底的に」(東12/16)。尹大統領は、果たして、野党が多数を占める国会の審議を強権的手法で抑え込もうとしたのか。

「独VWの苦境 EV戦略の誤算は重い教訓だ」(読12/16)。対中国を見据えた事業展開の進め方を見誤ったか。

「沖縄県の米事務所 閉鎖し二重外交をやめよ」(産12/16)。基地問題を解決するために県が米国に設置した事務所は、株式会社として事業登録されていたことが発覚。

「旧ソ連2カ国の選挙 外国の介入は分断深める」(毎12/17)。ウクライナ同様にロシアと欧米の利害が衝突する最前線、モルドバとジョージアで選挙があったのだが・・・

「沖縄の海兵隊移転開始 負担の軽減につなげねば」(毎12/17)。海兵隊員1.9万人のうち9千人が海外へ移る計画。まずグアムへの先遣隊100人の移転開始が発表された。

「ハンさん文学賞 過去と現代結ぶ想像力」(東12/17)。韓国の女性作家がノーベル文学賞を受賞。軍事独裁政権が市民たちを虐殺した光州事件も題材にした。

「護衛艦共同開発 豪州との安保協力の弾みに」(読12/17)。オーストラリアは、護衛艦の共同開発計画の相手国として日独西韓を候補とした。先月、日独に絞り込んだ。

「英国のTPP加盟 地政学上の意義も大きい」(産12/17)。12か国目の新規加盟。これにより環太平洋地域だけだったTPP加盟国は欧州にも広がった。

「アルゼンチン改革の実さらに」(経12/17)。自由至上主義者(リバタリアン)の経済学者でもあるミレイ大統領による経済改革が一定の成果を上げている。支持は底堅い。

「トランプ氏 首相は会談の早期実現を」(産12/18)。安倍昭恵さんはフロリダ州を訪ねトランプ夫妻と会食。孫正義氏は別途トランプ氏と会談。首相は私人に後れをとる。

「独仏内閣の崩壊 欧州政治の漂流懸念する」(毎12/18)。ポピュリズム勢力が、格差拡大や貧困に対処できない政治への不満を吸い上げ、議会で影響力を増す。

「独仏の政治混乱 欧州の安定に暗雲が広がる」(読12/19)。米トランプ新政権が追い討ちをかけて来る。ウクライナ支援を縮小し、欧州に国防費増額を求める可能性がある。

「対日感情の悪化 日中が相互理解深めて」(東12/19)。相手国に良くない印象を持っている中国国民87.7%、日本国民89%。

「日米中銀はトランプ政策への対応周到に」(経12/20)。米連邦準備理事会(FRB)が政策金利の追加の引き下げを決定。一方、日銀は追加の利上げを見送り。

「シリア領へ入植拡大 イスラエルは即時停止を」(毎12/21)。シリアの政治混乱に乗じたイスラエルの蛮行。

「沖縄の基地負担 実感できる軽減不可欠」(朝12/22)。石破首相は、総裁選では、地位協定の見直しに着手すると明言。それは反故にされるのか。

「タリバンの女性迫害 状況改善へ各国は関与を」(毎12/22)。タリバンが実権を握るアフガニスタンで、医療教育機関への女性の通学が禁じられた。

「公正なウクライナ和平探れ」(経12/22)。トランプ次期米大統領は早期停戦に向け仲介に意欲的。露プ-チン大統領も、交渉、妥協の用意があると語る。が、両氏にはもちろん思惑がある。

色んなことが起こっている。

さて、12/16週の六紙社説は、そのほかに、政策活動費全廃、エネルギー基本計画、日産ホンダ統合協議、闇バイト根絶に向けて、裏金問題の政倫審、貸金庫から窃盗、北九州の中学生殺傷事件、経団連新会長、税制の改正、学術会議改革、などを話題にした。

六紙社説(サイト内)。年月日から週番号|Keisan

今年の訃報、2024年

今年ここで触れた訃報はどのくらいあったろうか、と年始まで遡ってみた。例年よりも多く採り上げたような気がする。

敬称略で、中山美穂、北の富士勝昭、谷川俊太郎、西田敏行、浜畑賢吉、松岡正剛、佐々木昭一郎、武田国男、久我美子、桂ざこば、キダ・タロー、フジコ・ヘミング、鳥山明、小澤征爾、そして、山崎元。

15名の方々の没年齢平均は80.8歳。90代で亡くなられた方が4名、80代は6名。

厚生労働省の「簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.14歳だった。昨年2023年時点のデータ。

死去(サイト内)。令和5年簡易生命表の概況|厚生労働省

人手不足と言うけれど

日本経済新聞の社説「強まる人手不足を乗り越え成長の道探れ」(12/14)に、「人手不足が幅広い業種で逆風になっているわけではない」とある。

人手不足が叫ばれて久しいが、すべての業界、業種でそれが起こっているわけではないことは、ちょっと考えてみればすぐ判る。どこで、なぜ、不足しているのだろうか。

例えば、教員。公立学校教員の成り手不足、確保の難しさについて、一週間の内に2紙の社説が採り上げた、在京六紙で。

朝日新聞の「教員の確保 弥縫策より本質議論を」(12/11)。「やりがいを求めて教員を目指す学生は大勢いる」が、子どもの「成長を実感する余裕はないと知って失望したり、保護者対応の難しさ、長時間労働に尻込みしたりする例も多い」。「精神疾患による休職者が増え」ている。「そもそも労働環境の改善なしに」教員の確保は難しい。

東京新聞の「教員の処遇改善 負担の軽減が先決では」(12/13)。「学びの多様化」や「保護者対応の増加」「部活動」「書類作成」などで、「過重労働の原因である」「残業が減らない」。それが「教員のなり手不足」を引き起こしている。

要するに、働く側が、選り好みしているわけだ。3K職場やブラック企業などが敬遠されるのと同じように、教職も避けられつつあるのだろう。

就職先を選ぶ際に気にするのは、誰しも、処遇や労働環境だ。教員志望者とて、使命感や働き甲斐は、二の次、三の次になっているようだ。一方、既に働いている場合には、職場での人間関係が転退職の強い動機になる。人手が確保できずに悩んでいる雇用側にも周知のことだろう。

さて、12/9週の六紙社説は、そのほかに、シリアのアサド政権崩壊、災害関連死、補正予算で与野党合意、被団協ノーベル平和賞、政治改革論議、子どもとSNS、温室ガス削減、韓国尹大統領弾劾訴追案可決、などを話題にした。

六紙社説、教員の成り手不足官僚や教員の人材不足(いずれもサイト内)

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