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カテゴリー「時の話題」の検索結果は以下のとおりです。

萬古焼の原料難

ペタライトは電気自動車(EV)の電池などに用いられるリチウムを含むために需要が増え、価格が数年前の5倍以上に高騰。また、調達先だったジンバブエの鉱山が中国の企業に買収され、現地から入手するのが難しくなった。

中日新聞の社説「萬古焼の原料難 ピンチこそチャンスに」(1/20)から。三重県四日市の焼き物「萬古焼(ばんこやき)」、その主力製品は土鍋。原料土にペタライトを4-5割ほど混ぜて耐熱性を高めている。

多くの陶磁器産地では、原料の枯渇問題が叫ばれる。先月の出張でも美濃や瀬戸で重大な関心事であることを実感した。実際に鉱量が減って来ている。鉱山周辺が商業施設などの造成で採掘できなくなっている。採掘業者の後継者不足。良土があっても採算割れするので掘らない。そんな話を行く先々で聞いた。土岐市の企業を訪ねた際には、他県のことでありながら、ずばりペタライトのことが話題になった。

沖縄の陶土は大丈夫だろうか。決して無尽蔵ではない。実際、ある原料土は近い将来に不足すると予測されている。また、枯渇の問題ではないものの、昨年、製土工場が台風6号で被災し製造がストップする事態となり、代替原料の検討を、急遽、行うことになった。幸い工場は数か月で完全復旧した。が、原料ソースを複数確保できていない、その危うさが露呈したのだった。

社説(中日、1/20)では、「先見性」が語られる。昭和の高度成長期、「炭から火力の強いガスに移ることに対応して、高温になっても割れにくい丈夫な鍋の開発に成功」。先人たちには先々のことを見る力があった。が、現代の我々は、「原料難」に対し後手にまわる。果たして効果的な対策を講じることはできるだろうか。

中日新聞と東京新聞は、基本的に同じ社説を掲載する。土曜日は、中日が2本の内1本、中部地方に関係する題材で書く。東京は、それを載せず、1本のみとなる。そうなることが多いようだ。今週もこの土鍋原料難の件は東京には掲載されなかった。

さて、1/15週、在京六紙の社説は、台湾新総統に頼氏、阪神大震災から29年、共産党田村新委員長、米大統領選、裏金事件で起訴、自民派閥解散、日航初の女性社長、月探査などを話題にした。

六紙社説、愛知・岐阜、2023年12月(いずれもサイト内)

線香で住宅全焼

故田中角栄元首相の旧邸宅で起きた火災で、全焼した火元の2階建て建物を実況見分した結果、1階の仏壇に供えられた線香が原因とみられると報じられた。

やはり出火原因は線香だったんだな。nikkei.comの「線香、見えない大火事リスク 田中角栄旧邸も? 防ぐ手は」(1/13)から。

火事があったのは今月の8日。帰宅後にラジオのニュースでその火事のことを知った。火元の建物内で「線香あげた」云々とアナウンスされるのを聞き、あっ、と声が出た。作業場の蚊取り線香を消し忘れたことに思い当たったのだ(那覇では1月でも蚊が出る)。

自宅の窓から、すぐ近くの作業場の方を見た。火の手は上がってなかったのでとりあえず安心した。同僚に訊ねると、消えていることを確認したと言う。我々が帰る時には線香一巻き燃え尽きていたのだとか。なんだそうだったのか。

火力が弱いと線香を軽く見るわけにはいかない。今回の火事では二階建てが全焼し、ほかも合わせるとおよそ800平方メートルが焼けた。「東京消防庁によると、2018年から22年の5年間で、仏具用の線香が火元になった火災は33件あった」とか。桑原桑原。

旧田中角栄元首相邸が全焼 真紀子氏「建物内で線香あげた」(1/8)、線香、見えない大火事リスク 田中角栄旧邸も? 防ぐ手は(1/13)、NHKきょうのニュース(ラジオ第1、1/8 19時)

自民刷新本部の本気度

自民党は、政治刷新本部を新設し、11日に初会合を開いた。政治資金パーティーを利用した裏金づくりの再発防止策や派閥の問題点などを検討する。

在京六紙は、12日、一斉に本件を社説で採り上げた。ざっと見てみよう。

「自民党は腐敗体質との決別を行動で示せ」(日経)。1988年に発覚したリクルート事件などをきっかけに、政治とカネに関する法改正を繰り返して来た。「にもかかわらず不正が後を絶たないのは由々しき事態といえる」。

「改革大綱を踏まえて議論せよ」(読売)。自民党が1989年に策定したその大綱で「閣僚は在任中、派閥を離脱すると掲げ」たが、それ「さえ守られていない。首相も、批判を受けながら、総裁就任後2年以上、岸田派の会長にとどまっていた。まずは自分たちで策定したルールを守ることから始めるべきだろう」。「本気度を疑いたくなる」。

「小手先で済ますつもりか」(毎日)。政治刷新本部は、麻生副総裁、茂木幹事長ら「主要派閥の会長が要職を占め」る。「派閥領袖を重用した人選からは改革への意欲が伝わってこない」。

「本気度を疑う」(朝日)。「そもそも、本部の役員38人のうち、裏金事件で強制捜査の対象となった安倍派が、最多の10人を占めていることが驚きだ」。

「抜本改革なしに未来ない」(産経)。「自民や政権が厳しく批判されているにもかかわらず、党内の改革機運が乏しいのは疑問だ。若手・中堅議員の多くは、年末年始に地元で有権者の厳しい声を聞いたはず」。

「脱派閥の熱意を感じぬ」(東京)。本部長の岸田首相は「派閥と政治資金パーティーの存続を前提としており、抜本改革の熱意に欠けると断じるほかない」。通常国会が26日に召集される前に「改革の具体案を示していないのは自民党だけ」。

という具合に、「本気度を疑う」、「本気度を疑いたくなる」、「熱意に欠ける」、「意欲が伝わってこない」、「改革機運が乏しい」、「腐敗体質」、と六紙社説は書く。

さて、1/8週の六紙社説は、そのほかに、裏金で池田元副大臣逮捕、成人の日、能登半島地震関連、人的ミスによる事故防ぐには、国が辺野古工事を強行、中東危機拡大、陸自幹部ら靖国参拝、台湾与党頼氏当選などを話題にした。

六紙社説(サイト内)。総裁直属の「政治刷新本部」も派閥のバランスを見ながらの再選戦略(政界地獄耳、1/6)

情熱を追う

熱意こそ力の源である

そう書かれた社是が掲げられていた、先月の出張で訪ねた工場にて。そこは業界で最も先進的と評される企業だった。

Gigazineの少し古い記事「リーダーとして有能になるための7つのヒントをOracleのヴァイス・プレジデントが語る」(2019/7/14)を読んでいて、社是のことを思い出した。

その7つのヒントの第二項目は「自分自身であれ」。優れたリーダーは皆、自分そのものとも言える独自のキャリアパスを持っているものだ。自分自身であることとは、情熱を追うことだ、と説く。

愛知・岐阜、2023年12月イヌ的?ネコ的?(いずれもサイト内)。リーダーとして有能になるための7つのヒントをOracleのヴァイス・プレジデントが語る|Gigazine

新年展望、24年

在京六紙の社説は、元日以来、日ごとに似たタイトルが並んだ。あたかも、その日のテーマが定められているかのように。

1日(月)新年展望、主たる題材は「二つの戦争」と「政治改革」。2日(火)は朝刊休刊日。3日(水)「能登半島で震度7」、4日(木)「羽田空港で衝突炎上」、5日(金)「首相年頭会見」、そして、6日(土)「岐路の国際協調」。

それらから外れているテーマはもちろんある。2つの戦争や、震災、航空機事故などと、あえて並べるわけだから、各紙が年の初めにぜひ言っておきたいことが表れていると見て良いだろう。そんなタイトルを各紙一つずつ抜き出してみよう。

「人件費の転嫁 実現へ大企業から動け」(朝1/4)、「年のはじめに考える アベノミクスとの別れ」(東1/6)、「教員の成り手不足 ブラックイメージ改革を」(産1/4)、「政府の宇宙基金創設 和製スペースX作れるか」(毎1/4)、「日本の漫画文化 価値ある原画を保存したい」(読1/6)、そして「EV化戦略に長期の視点を」(経1/4)。

新年用の予定稿だからしようがないのだろう、大惨事と一緒に並ぶと、どうしても長閑な感じが出てしまう、そういうタイトルもある。どことは言わないけれど。

今年も日曜日は在京六紙の社説をざっと見て何か書こうと思う。なお、六紙は略称で示していることが多い。朝=朝日新聞、毎=毎日新聞、東=東京新聞、読=読売新聞、産=産経新聞、そして、経=日本経済新聞。

六紙社説、新年展望、23年(いずれもサイト内)

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