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にわかサッカー観戦者

小学生の頃、ペレや、ベッケンバウワーの名前は知っていた。別にサッカーに興味があったわけではない。少年が憧れるカッコいい男たちのリスト、例えば、阪神の村山、ジャンプ競技の笠谷、体操の塚原、はたまたF1のジャッキー・スチュワートなど、に並んでいるに過ぎなかった。ウルトラマンや仮面ライダーとそう違わない。

学生時代に内外のサッカー事情を色々と知ることになった。身近にサッカー部のメンバーがいたのだ。酒を飲んだ折などにサッカーの話になる。その中にワールドカップのことも登場した。私が最初に認識したW杯は、1986年のメキシコ大会だった。

社会に出てからも、サッカーの世界を熱く語る人が職場にいたりした。かつて実業団でプレイしていたオジさんだったり、アーセナルの熱烈なファンだったり。

極め付けは、ブンデスリーガの元選手。ドイツ駐在時代の同僚ウォルフガングは若かりし頃はサッカーでメシを食っていた。所属チームは、ビーレフェルトと言ったかな。ベッケンバウワーのミュンヘンとも戦ったのかと問うと、いや、こっちは良くて2部、同じピッチには立ったことはない、同時代にプレイしたけどね、と答えが返って来た。

彼は、第二の人生に化学メーカーの仕事を選んだ。化学なんて、まったくわからない、会社はよく採用してくれたものだ、としみじみ言う。モーツアルトと同じ名前だね、と訊ねてみた。ああ、けど音楽も、まったくわからない、確かオーストリア出身、知っているのはそれくらい、会ったこともない、と言う。彼の話には、そこはかとない可笑しみがある。

昼休みの彼との話題は二つ。一つは、自宅のリフォーム。奥さんに呆れられながら一人でこつこつやっている、その進捗について。もう一つは、もちろんサッカー。専ら、地元の古豪レバクーゼンのこと。チームは、前シーズン、ブンデスリーガ第2位。惜しいところで悲願の優勝を逃していた。いかに無念だったか、それを何度聞かされたことか。

そんな周りの人たちの影響で、サッカーに関心がないことはないけれど、それほど熱心なわけでもない。結局は少年の頃とあまり変わらない。せいぜい、4年おきに、にわかサッカー観戦者になるぐらいのこと。

今回はABEMAのハイライトで観ている、そのW杯カタール大会も次は準決勝で大詰め。さあて、決勝はフランス対アルゼンチンになるのだろうか、それともクロアチアかモロッコが初優勝をかっさらうのだろうか。

ラグビーとの距離サッカー日本、戦い終えて(いずれもサイト内)。FIFAワールドカップ|ABEMA、飛び出せ!青春|Wikipedia、Bayer 04 Leverkusen|同、いよいよベスト4の戦い 注目点を紹介(12/12)

サッカー日本、戦い終えて

W杯カタール大会を話題にした社説をざっと見た。開幕から8強が出揃うまでに在京六紙では計10本。4紙は複数本書き、2紙はゼロだった(朝2、毎2、東0、読3、産3、経0)。

前回のロシア大会では、クリミア半島への侵略や、元スパイ暗殺未遂、性的少数者の人権などダークな面が取り沙汰された。今大会も、負けず劣らず色々あって、人権に敏感なドイツは参加をボイコットする、そんな噂も流れた。

朝日がその色々について比較的多くを語る(朝11/21)。「招致の買収疑惑」や、競技場などの「工事で多数の外国人労働者の犠牲」、「性的少数者への理解が低い」、「施設の後利用や環境への負荷など、大会後への懸念」と列挙。「公共性が厳しく問われる」と非難するものの、日本代表チームよ参加を見合わせよ、とまでは言わない。せいぜいFIFAとカタール政府に「改善に取り組み、説明責任を果た」せと求めるだけ。朝日の社説がその程度。他紙はもっと鈍感だ。

蓋を開けてみると、ドイツ含め32か国皆揃った。大会が始まってしまうと毎度のように大いに盛り上がる。メディアは、公共性云々そっち退けで、はしゃぐ。日本が初戦に勝ってからは益々過熱。

日本は、結局、今回も8強には届かなかった。が、社説には称賛こそあれ辛口コメントは見当たらない。「サッカー大国のドイツとスペインを後半の逆転で破り、世界に衝撃を与え、興奮を呼んだ」「カタール大会前半の主役」(産12/7)、「強豪を相次いで打ち破った森保ジャパンの奮闘は、日本のサッカー史に確かな足跡を残した」(読12/7)、「日本のレベルは着実に一段階上がった」(毎12/4)、「層の厚さと経験値を上げた今回の姿は新しい日本代表と呼べる進化があった」(朝12/7)と、手放しで讃える。

水を差すようで悪いけれど、思うところを、二三、書いておこう。もちろん「これってわたしの感想です」。

酷暑を避けて異例の11月開幕で「コンディション調整も難しい大会」(毎11/21)。欧州は直前までリーグ戦が行われており、各国代表は、短い準備期間でW杯に向け最良の状態に整えねばならなかった。所謂ピーキングだ。今回2つの強豪はそれに失敗した。日本に敗れたスペインとドイツだ。前者はモロッコにも勝てなかった。後者は人権云々という政治的なプレッシャーも負わされていた。

「二つの大金星を挙げた試合では、それぞれ布陣を変更して前半の猛攻に耐え、後半から攻撃力のある選手を前線に投入して少ないチャンスをものにした」(読12/7)。奇策でしか勝てない。お国自慢の桶狭間や真珠湾はもう忘れよう。真っ向勝負ができる王道サッカーをぜひ目指して欲しい。

「個々とチームが試合を通じて五分に渡り合えなければ8強やそれ以上に勝ち進むことが難しいことを示す大会でもあった」(産12/7)。分かり切ったこと。世界ランキングで20番くらいなんだから、8強はどう見ても無理がある。そもそもの目標設定は、4年おきの大会での8強ではなく、世界ランキングで常に一桁(1-9位)の方が納得感がある。

さて、12/5週の六紙社説は、W杯のほかに、原発建て替え問題、かかりつけ医制度、電力カルテル、園児虐待、地方議員の不足、NHK会長人事、防衛予算増額、辺野古判決、杉田政務官が発言撤回、ファスト映画賠償命令、献金被害の救済法成立、臨時国会閉幕などを題材に採り上げた。

1941年の太平洋戦争開戦については東京新聞が書いた。「戦争の足音が聞こえる 開戦の日に考える」(東12/8)。

六紙社説、優勝ならず、アジア杯「五輪 中止の決断を」(いずれもサイト内)。ひろゆき氏の「それってあなたの感想ですよね」小学生の流行語1位(12/1)、ジェンダーギャップ指数2022|内閣府男女共同参画局、ワールドカップ “差別反対”でドイツ連盟が改めて抗議の意思(11/24)

いったいどこに反撃する

反撃の対象は具体的に明示せず、国際人道法を踏まえて軍事目標とし、相手の攻撃を阻止するため、個別具体的な状況に照らして判断する

自民公明両党の実務者による協議で、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有が合意された。引用は、その合意内容から(きょうのニュース、NHKラジオ第一、12/2 19時台)。

対象は明示せず。この部分を聞いてまず思ったのは、これは、もしかして、主権国家としてあるべき姿を目指そうとする提案なのだろうか、ということだった。つまり、わが国の国防を米軍任せではなく(お引き取りいただいて)自前で行う、そのために自衛隊はフルスペックの備えを持つ、敵基地攻撃能力はその一環だ、どこに対しても通用する攻撃能力を持つのだから、当然、対象を明示しない。

いやいや、今の与党からそんな提案が出て来るはずない。在京六紙の社説、ここしばらく安全保障関連の本数は少なくない、を見てもそれを支持する論調は見当たらない。気配すら感じられない。

どの国が、いつ、どこから、どの方面に向けて、どんな兵器で、どのくらいの物量で、攻撃して来ると考えているのか。現在、未来、その可能性はどのくらいなのか。普通、そのような想定や見込みを前提として持てばこそ、こちらの備えについて整備や拡張の議論ができるのではないのか。その前提がなければ、防衛費総額の試算、予算化などできないはずだ。

そんなこと指摘されるまでもなく前提は置いている、と彼らは言うだろう。国名を挙げると仮想敵国として名指しすることになる、相手を刺激することになる、それは避けたいから便宜上「具体的に明示せず」としている、ということかもしれないし、「能力行使のタイミングや対象の詳細な公表は侵略軍を利する禁じ手であり、与党合意が避けたのは妥当だ」(産12/3)ということかもしれない。

思い返してみよう。米軍の高官が、台湾有事は2027年までに起きると証言したのは昨年の春だった。それ以来、わが国の政府・与党は色めき立ち、自民党は、敵基地攻撃云々を俎上に載せ、今夏の参院選では防衛費GDP比2%以上と公約に掲げた。

ここへ来て、岸田首相が2027年度に安全保障関連費をGDP比2%にするよう防衛相と財務相に指示したのは先月28日。続いて冒頭の与党合意は今月2日のこと。ところが、それより以前から、米国製の巡航ミサイル「トマホークを500発購入する方向で調整するなど、着々と準備を進めていた」(朝12/2)と暴かれている。

時間順では、トマホークの商談、GDP2%の指示、敵基地攻撃の与党合意、と並ぶ。おかしいぞ、あるべき順番とは逆だ。左派系3紙が2%のことを「数字ありき」(毎11/30)などと苦情するのはもっともだ。が、話の発端に米国からの発言があることを思えば辻褄は合う。

簡単に言ってしまえば、米国は、日本に武器を売り付けるために、起こるかどうか判らない台湾有事に言及した。下院議長が訪台してまで煽ってみせた。ミサイルが飛んで来るかもしれない(実際、中国からEEZに飛んで来た)、防衛力を強化しなければならない、と日本の国民に思い込ませるよう、世論がそっちへ向くよう、操作して来た。上手くやったものだ。

となると、米国の言いなりで武器を買ったが、反撃する相手はない、となりかねない。もしかすると、与党の実務者たちは、それを知っていたのか。彼らが対象を明示せずに議論したのはホントなのかもしれない。「数字ありき」どころか「トマホーク」の買い付けありきならば、攻撃対象を特定する必要などまったくない。あり得る話だ。

さて、11/28週の六紙社説は、安保のほかに、秋葉復興相疑惑、マレーシア新首相、台湾地方選で与党大敗、中国のゼロコロナ抗議、就活テストの不正、原発建て替え、旧統一教会被害者救済法案、江沢民氏死去、日本サッカー独西破る、同性婚訴訟判決などを話題にした。

六紙社説(サイト内)。自民・公明両党 「反撃能力」の保有について実務者協議で合意(12/2)、日米韓、北朝鮮に追加制裁 相次ぐミサイル発射に対抗(12/2)

14:28修正

平和は槍で得るものなのか

「今後は交渉に重きを置く」「平和は槍の先で得るもの」「なぜ流血沙汰を好む? 楽しいのか? 外交は戦より洗練され遥かに安全で金もかからん」

軍備増強の求めを為政者は一蹴する。15世紀フランスの話。引用は、映画「ジャンヌ・ダルク」(米仏、1999年)から。ABEMAの「本日無料」にあるのを観た、速度1.7xで。

現代日本のリーダーはどうだろうか。中世フランスの王様に比べるとだいぶ好戦的だ。金のかかる防衛力強化の方向へ舵を切ろうとしている。

国家安全保障戦略など安保関連三文書の改定に向けた、自民、公明両党の実務者会合が進む中、22日、政府が設置した「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が、岸田首相に報告書を提出。5年以内に防衛力を抜本的に強化し、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有が不可欠と結論付けた。財源として増税の必要性にも言及している。政府は、年末までに予定している、三文書の改定に今回の報告を盛り込む。

有識者会議の報告や三文書の改定作業に関し六紙社説は何と言っているだろうか。「政治の場で徹底議論を」(朝11/23)、「増税なら国民に信問え」(東11/23)、「脅威対処型へ転換妥当だ」(産11/23)、国防費の「負担増は国民の理解を得て」(経11/24)、「総合力で安全保障の向上図れ」(読11/24)、「国民第一に総合力を磨け」(朝11/24)、「増税案 説明なく痛み強いるのか」(毎11/27)

読朝2紙(11/24)の「総合力」が目を引く。各々の意味するところを見てみよう。

まず、読売の「総合力」、これはタイトルにだけ登場する。有識者会議が唱える「総合」的な防衛「力」に呼応し、さらに補強するコメントを本文で展開。敵基地攻撃ミサイル運用のために「米軍との協力を深め」よ。防衛産業の育成や装備品の輸出促進のために「防衛装備移転3原則の運用指針を見直し、海外移転を後押しする必要がある」。「人工知能や量子技術などの最先端の科学技術を安全保障政策に生かして」装備品を開発せよ。「政府は、税制を含めて、財源の確保策を早急にまとめることが大切である」と。

一方、朝日は「総合力」を軍備に限定しない。本文で明確に主張する。「国を守る力とは何か」。「防衛力だけでなく、経済力、外交力、情報力、科学技術力、自国の価値観や文化によって相手を味方につけるソフトパワー」など「それぞれの特質を踏まえた、調和のとれた総合力の涵養をめざすべきだ」。そして「すべての基盤となるのが、国民の理解であり、支持、協力である」と。

国の安全保障に関し、同じく「総合力」と言っても随分と違うものだ。朝日は平和憲法の意義も説く。「憲法9条の下、専守防衛を掲げてきた。他国の脅威にはならないという宣言であり、国際政治で安心供与と呼ばれる効果を周辺国にもたらしてきた」(朝11/24)。これは「総合力」の中で重要な位置を占めているはずだ。

残念なことに、「憲法学者のいない有識者会議」(東11/23)だったとか、「戦後の日本の防衛政策の抜本的な転換を求める提言だというのに」(朝11/23)。憲法を軽視する政府の姿勢が、会議メンバーの人選に映し出されている。

さて、11/21週の六紙社説では、そのほかに、COP27閉幕、温暖化被害の支援基金、寺田総務相更迭、辞任ドミノ、サッカーW杯カタール大会開幕、旧統一教会へ質問権行使、塩野義のコロナ新薬、赤木さん裁判、五輪談合捜査などの話題があった。

六紙社説、ABEMA(いずれもサイト内)。「国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画」、国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議|内閣官房

「対話の機運絶やさずに」

Re: 日中首脳会談、22年11月

きのう東京新聞の社説は日中首脳会談を採り上げた。これで六紙が出揃った。

日中首脳会談 関係再構築の出発点に(朝11/19)
3年ぶり日中首脳会談 関係安定化への出発点に(毎11/19)
日中首脳会談 対話の機運絶やさずに(東11/21)
日中首脳会談 重層的な対話で衝突を防げ(読11/19)
日中首脳会談 懸念にゼロ回答は問題だ(産11/19)
日中ハイレベルの相互訪問へ条件整えよ(経11/19)

その東京の社説、タイトルに「対話」の文字がある。本文には2回登場するので計3回。他紙はどうだろうか。6本各々での登場回数を並べた、朝3、毎4、東3、読1、産0、経1。

左派系3紙は「対話」の登場回数が多いだけではない。各々本文の最後で、日中間の対話や交流の必要性を説き、社説の論点がそこにあると主張する。東京新聞のその部分を引用しておこう。

一九七二年に日中が国交を正常化した際の共同声明をはじめとする「四つの政治文書」を貫くのは「不戦の誓い」だ。首脳や閣僚はもちろん外交・防衛当局間でも対話の努力を不断に続け、この原点を常に確認する必要がある。

六紙社説(サイト内)

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