エントリー

カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

解錠師

  • 2022/05/24 06:29
  • カテゴリー:読み物

まちがった相手に対して自分が有能だといったん証明してしまったら、二度と自由にはなれない

主人公マイクは、どんな金庫でも開くことが出来る才能の持ち主。悪い奴らにいいように使われる。引用は、スティーヴ・ハミルトン著「解錠師」越前敏弥訳(ハヤカワ・ミステリ文庫、2012年)から(p343)。

訳者があとがきにこう記す。「ふたつの時間を行き来しながら描かれる」「終盤になってふたつの時間が近接してきてからのスピード感は格別」。ほんとそう思う。

脇役のハリントン・バンクス、いったい何者なのかマイクは気付いている(p375)。その人物が、5つのポケットベルの内3つまでその番号を知るに至る(p401)。なぜ知ることができたのか、想像を掻き立てられる。

文庫100冊(サイト内)

檻の中の女

  • 2022/05/20 06:21
  • カテゴリー:読み物

意識の中に過去と通じるトンネルがあるとしたら、それを開通させることは可能だろうか。意識の深いところに手がかりが埋もれていて、誰かに正しいボタンを押してもらうのを待っているのだろうか。

もしかしたら事件を解くヒントになるかもしれない。主人公カールは何かを感じて、部下のアサドに資料をかき集めるよう命じる。引用は、ユッシ・エーズラ・オールスン著「特捜部Q-檻の中の女」吉田奈保子訳(早川書房、2011年)から(p157)。シリーズ第1弾。既に第8作まで出ている。次を借りて来よう。

ラース・ヘンリク・イェンスン、それはデンマーク人のカールには「なんて平凡な名前」と映る。一方、シリア人のアサドは「変な名前ですね。そんな名前の人はあまりいないでしょう」と言いながら捜査資料の中にあったある名を思い出す。

舞台となったデンマークには行ったことがある、マドリードへ向かう途中に。往路、コペンハーゲンからの乗り継ぎ便が翌朝だったため空港ビルのホテルに泊まった。夜、数キロ向こうの首都の街へ行ってみようかとも考えたけれど、そうするにはあまりにも疲れていた。結局、乗り換えで立ち寄っただけになった。

2009/10/11 11:40 NRT-CPH SK984 A340-300 OY-KBC
2009/10/12 09:15 CPH-MAD SK581 MD82 SE-DIR
2009/10/17 11:10 MAD-CPH JK27 A320-200 EC-HRP
2009/10/17 15:45 CPH-NRT SK983 A340-300 LN-RKF

文庫100冊(サイト内)。プットガルテン港(p65)、イケア(p387)、ノボ(p391)

炎の色

  • 2022/05/18 06:27
  • カテゴリー:読み物

劣勢に立たされたからこそ、逆に気持ちが落ち着いた。これでもう、退路は断たれたのだから。こちらがきっぱりとした態度で臨めば、うまく切り抜けるチャンスもそれだけ増すはずだ。

でたらめな技術を売り付けようと企むが一筋縄ではゆかない。なにせ相手はヘルマン・ゲーリング率いるドイツ航空省だ。引用は、ピエール・ルメートル著「炎の色」(ハヤカワ・ミステリ文庫、2018年)から(下巻p147)。

「天国でまた会おう」三部作の第二巻(上下)。時代は、1927年からナチスが政権を掌握する1933年にかけて。これと並行して読み進めている松本健一の「明治・大正・昭和」三部作(と勝手に呼んでいる)の方も、次は1920年代後半の昭和に入る。

ピエール・ルメートル松本健一(サイト内)。グランゼコール|Wikipedia、フランス大統領選が教えてくれた「選択肢はネオリベかポピュリズム」

原敬の大正

  • 2022/05/16 06:23
  • カテゴリー:読み物

原敬という政治家にとって、国家統治のための政党政治の確立は生涯にわたる目標であった。その目標のために、その前半生において藩閥とたたかい、その後半生において新たに生まれはじめていた軍閥とたたかった。その政党の「力」によって手に入れた内閣で軍の力を抑えこんでいた

原敬は、戊辰戦争で賊軍とみなされた南部藩出身だった。松本健一著「原敬の大正」(毎日新聞社、2013年)から(p502)。軍閥政治の危険性を見抜き、軍部が独走するのを防ごうとした、平和主義者、原敬(1856-1921年)の評伝。

大正時代(1912-26年)の日本では、国際協調主義と軍国主義がせめぎ合っていた。第一次世界大戦で、同盟国イギリスからの要請によりドイツに宣戦布告(1914年)。ドイツの租借地、青島などを占領した。ロシア革命への干渉戦争では、アメリカとの共同でシベリア出兵を敢行(1918年)。政府は、英米との同調を重視した。が、軍部は、それには飽き足らずアジア太平洋地域での軍事的覇権を握らんと野心を剥き出しにする。引用にあるように、原敬内閣の頃には、まだ、政府が軍の力を抑え込むことができていた。

軍部の暴走を許すことになった原因は、統帥権干犯問題にあると言われる。その根は大正時代にあった(p502)。第一次世界大戦後のワシントン会議(1921-22年)で締結された軍縮条約で、日本の主力艦は「対米六割」と決められる。海軍主席随員だった加藤寛治は、これが気に入らない。のちに軍令部長となった加藤は、同じ轍は踏むまいと、ロンドン軍縮会議(昭和5年、1930年)に際し補助艦の比率に「対米七割」を主張する。が、希望量に達しないまま条約は調印される。そこで、統帥大権を盾に、政府が兵力量を統帥部の承諾無しに決めたのは違憲だとする、いわゆる統帥権干犯が提起されるのだった。

原敬は、18歳の一労働者に暗殺される。大正10年(1921年)11月のことだった。

松本健一改元は、5/2 かひとびとの跫音(いずれもサイト内)。秋山好古、加藤恒忠(号は拓川、正岡子規の叔父)、陸羯南

寮生

  • 2022/05/13 06:24
  • カテゴリー:読み物

すべての出来事には理由があり、すべての人間の行動には動機がある。

今野敏著「寮生」(集英社、2015年)から(p155)。本書には、一九七一年、函館。という副題が付いている。

主人公がラジオを聴く場面がある(p111)。「ビージーズの『小さな恋のメロディ』が流れてきた」。ビージーズが音楽を担当したその映画は1971年に公開された。ロードショーには行かなかったけれど何年か後にテレビで観た。学校でクラスの女の子とその映画のことを話した、それを妙に覚えている。中学2年の時だった。ということは1976年だ。

# "To Love Somebody", "Melody Fair", "First of May"。今野敏映画十選(いずれもサイト内)

ユーティリティ

« 2024年05月 »

- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

小林稔侍▽私の人生手帖
2024/05/06 06:10
憲法施行77年
2024/05/05 05:48
Re3: たそがれ清兵衛
2024/05/04 06:18
終わらない戦争
2024/05/03 05:45
北部の山沿いって、どこ
2024/05/02 06:05
ホームベーカリー
2024/05/01 06:01
衆院3補選で自民全敗
2024/04/30 05:57
Re: 二重小協奏曲ヘ長調
2024/04/29 06:00
社会不安高めるSNS悪用
2024/04/28 05:57
走り梅雨、2024年
2024/04/27 06:05

Feed