むかし僕が死んだ家
- 2019/03/04 06:27
- カテゴリー:読み物
一合の升には、一合の酒しか入りません。
人間の度量であり、可能性である。そうなんだろうな。120%の目標を掲げて、能力や、努力、運の幅を拡げようと足掻くけれど、それとて一合の範囲内なのかもしれない。東野圭吾著「むかし僕が死んだ家」(講談社文庫、97年)から(p174)。単行本は94年に双葉社から。
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一合の升には、一合の酒しか入りません。
人間の度量であり、可能性である。そうなんだろうな。120%の目標を掲げて、能力や、努力、運の幅を拡げようと足掻くけれど、それとて一合の範囲内なのかもしれない。東野圭吾著「むかし僕が死んだ家」(講談社文庫、97年)から(p174)。単行本は94年に双葉社から。
わあ、大変。世界中の鏡を壊してしまわないと」秋穂は手を叩きながら、ベッドの上でけらけらと笑った。
これを読んだ瞬間、初めて、血の通った登場人物に出会ったように感じた。終盤のここに至るまで、人物像が浮かび上がって来ない、誰にも感情移入できない、このシリーズにしては凡作か、などと思っていたのだが。東野圭吾著、ガリレオシリーズ「禁断の魔術」(文春文庫、15年)から(p253)。「猛射つ(うつ)」という中編(12年)を、文庫化する際に長編へ焼き直したのだとか。
本シリーズの長編を読み進めている。既刊では「沈黙のパレード」を残すのみとなった。現在、最寄り図書館で97人待ち。
子供は親の夢を叶えるために生きているんじゃない。
では、人はそもそも何のために生きているのか、この本はそういう問い掛けをしているのかもしれない。東野圭吾著「夢幻花」(PHP文芸文庫、16年)から(p332)。緻密な構成はさすがだが、爽やか過ぎて物足りなさを感じたのは、著者の「白夜行」と「幻夜」を立て続けに読んだ後にこれを手にしたからだろうか。
# 負の遺産、才能 ≠ 知識があって器用
ここの機械はどいつもこいつも癖があるからよ、俺でなきゃ使いこなせねえはずなんだ
東野圭吾著「幻夜」(集英社文庫、09年)から(p187)。「白夜行」の第二部といわれる話。冷酷な女、美冬の正体は、「白夜行」の雪穂だ、そう仄めかすヒントが随所に散りばめられている。この本もまた辞書のように分厚い。
江崎玲於奈がエサキダイオードの発明でノーベル物理学賞を受賞することが決定して
などのように、実際に起こった出来事が折々に綴られ、20年にも及ぶ物語の時間尺度になっている。東野圭吾著「白夜行」(集英社文庫、02年)から(p64)。文庫本で8百ページを超える大部な小説。ぐいぐいと読まされてしまい、へとへとになる感じ。
江崎博士がノーベル賞を受賞したのは1973年だ。その時、主人公は小学校5年生。おれも同じく小5だった。その年の担任だった中村先生は、江崎博士のことを大いに称賛しつつ、君たちもノーベル賞を目指すようなエラい学者になるには、これぐらいは読んでおかねばならない、と何冊かの書名を黒板に書いた。ファラデーの「ロウソクの科学」などだった。これを読みさえすればノーベル賞が取れるのだとばかり一生懸命に読んだものだ。小学生のかわいらしい勘違いだった。
# 高脂血症治療薬「メバロン」(p642)