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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

破綻

  • 2021/09/01 06:30
  • カテゴリー:読み物

数々のパイオニア的な研究成果の実現は、林原健の異彩の発想があってのものだ。しかし反面、研究への強烈な思い入れや莫大な投資がなければ、借入金や金利も増えず、結果として一時的に売上げを過大計上する必要もなかった。

あんたの道楽に付き合う羽目になり、えらい目に遭った、と言わぬばかりだ。林原靖著「破綻-バイオ企業・林原の真実」(ワック、2013年)から(p224)。著者は、実兄健社長の下、専務として実務全般を管掌した。その会社、林原は、2011年に破綻した。

過去における架空売上げ計上つまり粉飾決算、「これは正直言って、弁解の余地のない不適切なもの」(p27)と認めながらも、どうやら「何も悪いことはしていない」(p154)が本音のようで、最後には、「なぜ林原は突然潰されたのか」と見出しを立て、「誰にどんな意図があったのか、得をしたのは誰なのか」を推論するに至る(p216)。

次の本へ(サイト内)。京都駅前の天下りポスト(p222)

戦略読書

  • 2021/08/30 06:23
  • カテゴリー:読み物

一葉知秋。秋が来たことを知るのに、葉っぱ全部の紅葉や落葉を待つ必要はありません。1枚の落ち葉が、それを知らせてくれます。問題はそれに気づくかどうかだけ。

三谷宏治著「戦略読書」(ダイヤモンド社、2015年)の「はじめに」から(p4)。物々しいと言うか大仰な書名だ。

付録「セグメント別ブックガイド-独自の視点と思考をつくるための453冊」(p373)から読んだことがある本を数え上げてみた。セグメント(1)(2)「ビジネス」23/122冊、セグメント(3)「非ビジネス基礎」(SF・ファンタジー)7/131冊、同(科学)0/52冊、同(歴史)5/65冊、同(プロフェッショナル)3/37冊、セグメント(4)「非ビジネス新奇」6/40冊、計44/453冊。

率は10%(小数点以下一桁四捨五入)。ビジネス書を除くと6%。逆にビジネス書に限ると19%。なお、紹介されている453冊の内約一割がマンガだ。読んだことがあるのは、皆無かと思いながら念のため眺めると、「ブラックジャック」と「アキラ」二つがあった。

序章から終章までの本書主部は読まなかった。PPMまがいの四象限マトリクス(p55)は見た。縦軸、「応用・新奇」と「基礎」、横軸は「ビジネス系」と「非ビジネス系」。

文庫100冊戦略の未来(いずれもサイト内)

戦略の未来

  • 2021/08/27 06:25
  • カテゴリー:読み物

ただ自分がよく知っていることをやるだけだ、という話になってしまう。しかも切迫した状況では、彼らは自分たちの想像した範囲でしか行動できなくなる。兵士というのはいざ戦闘が始まると、そのほとんどの時間を「戦術レベル」の、潜在的な危険に囲まれた世界で過ごすことになる。彼らは自動的に作戦や戦略に導かれ、戦略的に意味のある目標の達成に向かって動くわけではないのだ。

だから、戦略が、作り込まれ、説かれなければならない。コリン・グレイ著「戦略の未来」奥山真司訳(勁草書房、2018年)から(p62)。同著者の「現代の戦略」よりは、だいぶ取っ付きやすい。

その戦略とはいったい何なのか(p41-56)。「実に多くの意味がある」

  • 一つのプロジェクトを成功させるために選ばれた指針(一般論)
  • 誰もが好むアイデア(拡大解釈)
  • 最も重要なもの、長射程のもの、とくに注目すべきもの(誤用か)
  • パワーを創造するアート(フリードマン)
  • 戦争の目的を達成するために戦闘を使用すること(クラウゼヴィッツ)
  • 政策の目的と軍事的手段を橋渡しする方策(本書)

コリン・グレイ(サイト内)。SDI, START。23の格言によって構成される「戦略の一般理論」(p75)

現代の戦略

  • 2021/08/26 06:26
  • カテゴリー:読み物

もちろん最大の問題は、「起こらなかったこと」を十分に説明できる証拠を見つけることの難しさにあり、この難しさは永遠に残るのだ。

冷戦時代、核戦争をせずに済んだ。それは戦略の勝利だったのか、それとも、たまたまだったのか。コリン・グレイ著「現代の戦略」奥山真司訳(中央公論新社、2015年)から(p437)。

訳者あとがき(p523)から。本書での四つの論点、1) 戦略は、政策と戦術の架け橋、2) 戦争の文法は変わるがその論理は不変、3) 戦争の普遍性、4) 実践重視の議論。それと、本書の難点、「冗長」「繰り返し」。クラウゼヴィッツ本の「注釈書」だとも。

やらなかったことコリン・グレイ(いずれもサイト内)

聖の青春

  • 2021/08/23 06:32
  • カテゴリー:読み物

大阪の奨励会員は、またあいつ、師匠の背広を着ていると噂した。だぶだぶやなあ、と皆笑ったが、しかしどこかにうらやましいような気持ちもあった。

森、村山の師弟がどんな関係だったか、それを周りがどう見ていた、この文章でそれを感じとることができる。大崎善生著「聖の青春」(講談社文庫、2002年)から(p160)。まさに「心を打つ名作」。

文庫100冊(サイト内)。森信雄村山聖|Wikipedia

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