八本目の槍
- 2021/07/09 06:25
- カテゴリー:読み物
こちらに来ないかと誘ったことがある。槍働きでの出世はここらが限界、新たな知識や技術を付けねば大名への道は開けない。
キャリアには、いつかどこかで切り替えが必要だ、と人は言う。引用は、今村翔吾著「八本目の槍」(新潮社、2019年)、第6章「六本槍 権平は笑っているか」から(p316)。
# 賤ヶ岳の七本槍|Wikipedia
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こちらに来ないかと誘ったことがある。槍働きでの出世はここらが限界、新たな知識や技術を付けねば大名への道は開けない。
キャリアには、いつかどこかで切り替えが必要だ、と人は言う。引用は、今村翔吾著「八本目の槍」(新潮社、2019年)、第6章「六本槍 権平は笑っているか」から(p316)。
# 賤ヶ岳の七本槍|Wikipedia
かれらの最大の挫折の原因は天皇の激怒にある。
松本清張著「昭和史発掘9」2.26事件Ⅴ(文春文庫、2005年、新装版)から(p369)
青年将校らの蹶起はなぜ失敗したのか。上部工作の不手際、宮城占拠の挫折、すべてを束ねるリーダーの不在、そして天皇の激怒。さらには国民の不支持もある。「海外への暴力(日清、日露、シベリア出兵、満州事変など)には馴らされていた国民も、国内の流血手段には神経質であった」(p373)
内心では助命を期待した赤穂浪士との類似性(p205)。神聖な本拠を農村出の兵隊に泥靴で占拠されたエリート幕僚部の屈辱感と憎悪(p226)。九割九分までの黒に一分の白をもって全体を白といいくるめる真崎公判(p307)。破滅戦争に向かう足音(p323)。解説加藤陽子(p385)
実力者が自己の意見を無能な上長の言葉にスリかえるのは常套手段である。
実力者とは石原莞爾大佐のこと。石原は、東京警備司令部参謀として反乱軍の鎮圧の先頭に立った。この時、参謀本部作戦課長が本務。松本清張著「昭和史発掘8」2.26事件Ⅳ(文春文庫、2005年、新装版)から(p28)
「中隊長殿(安藤大尉)が自決なさるなら、中隊全員御伴を致しませう」(p171)。包囲部隊に暴発や中毒死など事故があった(p211)。「一般国民は、自分らには縁遠い上層部の悲劇か、軍人の暴行としか思わない。これが自分らの将来の運命を支配する方向につながっているとは夢想だもしなかった」(p281)。軍部大臣現役武官制、軍閥専横の最大の武器(p294)。軍隊を私に使用した将校、その命令に服従して行動した兵、どう裁くか「もっとも難問題」(p320)
その残した電話が銀座の服部時計店の番号と似ていたらしく、ハットリですか、という間違い電話がずいぶんかかってきた
襲撃した首相官邸の電話は一本だけ残して、みんな切った。元上等兵談。松本清張著「昭和史発掘7」2.26事件Ⅲ(文春文庫、2005年、新装版)から(p46)
北村薫著ベッキーさんシリーズ全3巻は、この間違い電話の挿話から着想を得た、と何かで読んだ。確か、シリーズ最終話「鷺と雪」で、主人公がその間違い電話をかける場面があったと思う。
宮城占拠計画、大久保利通らによる慶応3年のクーデターに似ている(p196)、芝浦に到着した第一艦隊は「艦砲を議事堂方面にむけて実弾をこめて待った」、宮城占拠「そのときは、何とかして陛下を洋上の比叡にお乗せして横須賀へお連れする」(p363)。秩父宮と平泉澄(p414)
安藤は第六中隊の下士官たちに決行を具体的に全部打ち明けて指示を下達したのだが、命令とはいえ、事実上、協力を求めたのである。
全部打ち明ける。これができるかどうか、リーダーは問われる。松本清張著「昭和史発掘6」2.26事件Ⅱ(文春文庫、2005年、新装版)から(p427)
青年将校は、決行に部下の下士官兵を率いていくことで二つの悩みがあった。一つは、どう言って連れ出すのか。安藤大尉は正直に全部伝え、中隊を動かす。対照的に、第一中隊の坂井中尉は、警備出動だと偽って兵を連れ出している。もう一点は、武力使用をどう理論づけるのか。
二・二六事件を誘発する要因の一つ、真崎甚三郎教育総監の罷免(1935年7月)。統帥権の干犯だと皇道派の青年将校らは激憤する。しかし、武力行使に多数の兵を使用するのではこれもまた統帥権干犯だ。統帥権を死守するために統帥権を干犯する、この自己矛盾に彼らは悩み、何とか理論づけようとする(p248)。戦闘綱要にある独断専行とか、部下ではなく同志とか。
「真崎問題は統帥権干犯でもなんでもない」(p245)。三井合名の池田成彬筆頭常務理事(p93)、秋山定輔(p105)。「諸君ハ我日本ヲ改造進展セシムルニ最モ重大ナル責任ヲ有スル位置ニアルコトヲ光栄トシ、今後大イニ努力シ給ヘ」、北一輝の魔力(p181)。岩崎小弥太の避難準備(p236)。平時の一個連隊、三個大隊に各三個中隊(約150名/中隊)、機関銃一個中隊と通信隊、歩兵砲隊が付属(p262)。四十七士も2.26も「雪の日」、目標人物の在宅予想(p348)
# 2.26事件(サイト内)