陸王
- 2024/07/12 06:05
- カテゴリー:読み物
倒産ってのは、ぎっくり腰みたいなもんなんですよ
ある日、突然、出る。一度やると大抵クセになって、またいつか発症する。会社の経営者も同じようなもので、倒産グセがある。そんなことを専務の富島が言う。
引用は、池井戸潤著「陸王」(集英社、2016年)から(p209)。
斜陽の足袋業者が、会社存続のために新規事業を思い立つ。これまでに培って来た足袋製造技術を活かしてランニング・シューズの開発に挑む。
# 池井戸潤(サイト内)
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倒産ってのは、ぎっくり腰みたいなもんなんですよ
ある日、突然、出る。一度やると大抵クセになって、またいつか発症する。会社の経営者も同じようなもので、倒産グセがある。そんなことを専務の富島が言う。
引用は、池井戸潤著「陸王」(集英社、2016年)から(p209)。
斜陽の足袋業者が、会社存続のために新規事業を思い立つ。これまでに培って来た足袋製造技術を活かしてランニング・シューズの開発に挑む。
# 池井戸潤(サイト内)
分析を行う際、まず初めにこの分野で何を解明したいかを考えることが必要である。特に、各調査者の感覚に左右され、自分の仮説に都合の良い利用につながるような、相対的(主観的)な分析項目や識別基準は避けるべきである。
渋谷綾子、天野真志著「古文書の科学ー料紙を複眼的に分析する」(文学通信、2023年)から(p168)。最寄り図書館の新着コーナーにあった。
1990年代、サーチャー(DB検索技術者)として研究者の調査を手伝う仕事をやっていたことがある。既存製法や原料ソースなど具体的な調査の依頼もあったけれど、それは研究者本人でも調べられるので、どちらかと言うと、着手する前に展望を得ようとする相談が多かった。意外なことに「何を解明したいか」がはっきり認識されていなかったりして、研究のグランド・デザインを一緒に描くようなことが少なくなかった。そんなことを思い出した。
本書の構成は、第1部「古文書料紙への視点」、第2部「料紙の構造をさぐる」、第3部「料紙から古文書を読む」、第4部「料紙研究を広げる」。料紙というあまり馴染みのない言葉が頻発する。使われている紙のこと。
考えなくて済むことを求めている。
我々民衆はそうなりがちだ。気を付けないといけない、勢いだけの似非リーダーに付け入るスキを与えないように。
ジョージ・ソーンダーズ著「短くて恐ろしいフィルの時代」が、ブックガイド番組で紹介されていた。NHKプラスで観た。
この日の選書テーマは「戦争が迫ってきた時に読む本」。ほかに紹介されたのは、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ著「戦争は女の顔をしていない」、石内都著写真集「ひろしま」。計3冊、意外な取り合わせだった。
# 終わらない戦争、「日本人の正体」(いずれもサイト内)。理想的本箱 君だけのブックガイド 選「戦争が迫ってきた時に読む本」(NHK Eテレ、6/22 21時)
女中は御飯をよそってくれ、しばらく黙っていましたが、やがて、毎年あの日が来ると、床の間に花を飾ることにしているのだと言いました。
宮本輝著「錦繍」(新潮文庫、1985年)から(p182)。
時々この本を読みたくなって引っ張り出して来る、「毎年」というほどの頻度ではないのだけれど。先日また読んだ。その折、友人宛てメール、正確にはLINE、にこう書いた。
「錦繍、読んだよ。亜紀と令子、女性二人の健気さ、いじらしさ、たくましさに、うるっとしてしまった。何度読んでもそうなる。それに、一番気になるのは、ぱあっと花が咲いたみたいな、きれいな人(p183)、由加子のこと。これも毎度そう。モーツアルトの話がうっとおしいし、生きるとか死ぬとか説教くさいところが鼻につくけれど、男の気持ち、女の気持ちが感じられるこの物語が好き」。
# 愛読書十選 (1)(サイト内)
落胆しないために初めから欲望を持たず、成功しないであろうとの予見から、てんで努力をしようとせず、辱めを受けたり気まずい思いをしたくないために人中へ出まいとし、自分が頼まれた場合の困惑を誇大して類推しては、自分から他人にものを依頼することが全然できなくなってしまった。
ちくま日本文学全集「中島敦」(筑摩書房、1992年)に所収の「かめれおん日記」(昭和十七年十一月)から(p339)。
失敗しても自尊心が傷つかないように事前に失敗の種子を蒔いておく。これを、ビジネス書的なジャーゴンで、セルフ・ハンディキャッピングと言う。
# Re: 愛読書十選、「権力」を握る人の法則(いずれもサイト内)