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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

無思想の思想

  • 2022/12/27 06:29
  • カテゴリー:読み物

思想的民族というのが、世界にはふんだんにいます。しかしながら日本人は、それに入っていない。日本人は思想がゼロではないかといわれる。が、私にはどうもそうではなく、無思想という思想が日本人の底の底にあるのではないかと思う。

この部分がNHKの番組(2016年)で引かれているのを見て、いつか読んでみようと思っていた。司馬遼太郎著「手掘り日本史」(毎日新聞社、1976年)。引用はその中の「無思想という思想」から(p165)。

日本人には「原始的なまだ神道ということばすらなかったころのある種の宗教感情」に根差した「美意識」があって、それは、後に、仏教や、儒教、マルキシズムなど様々な思想が入り込んで来ても、変わることなく受け継がれた。

太平洋戦争の頃に皇国主義に毒されてしまった。それは「取り除いたほうがいい」「あの狂躁だけはムダだった」。その主義を残している人は不思議なことに「たいていアメリカと手をにぎりたがる」。

愛蘭土紀行保守と大東亜戦争(いずれもサイト内)。NHKスペシャル「司馬遼太郎思索紀行~この国のかたち」▽香川照之、第1集「島国ニッポンの叡智」、第2集「武士700年の遺産」(NHK総合、2016/2/13,14 21時)

ドーナツ経済学

  • 2022/12/23 06:22
  • カテゴリー:読み物

もし大規模な参加者が経済のネットワークを支配し、小規模や中規模の多様な参加者を追い出せば、そこにできあがるのは、不平等でもろい経済だろう。これはまさに今、わたしたちが目にしている経済そのものだ。

ケイト・ラワース著「ドーナツ経済学が世界を救う-人類と地球のためのパラダイムシフト」(河出書房新社、2018年)から(p201)。ラジオの番組(8/5)で紹介されているのを聞いて読んでみようと思った。

ことは経済に限らない。安全保障など様々な領域で、「大規模な参加者」、これは既得権益を保持しながら強欲でもある、が、その世界のあり方を歪めてしまっている。「大きすぎてつぶせない」その存在にどう立ち向かえば良いのか。これまでの理論はもう通用しない。21世紀の諸問題に対するには、新たな視座、視野、そして視点が必要になる。

日本人というリスクセドラチェク氏のお話暗殺者(いずれもサイト内)。現在主流派の経済学は「古色蒼然」としている(p345)

防衛費増と日中関係

  • 2022/12/20 06:20
  • カテゴリー:読み物

一九八七年には両国関係がとりわけ険悪な曲がり角を迎える。経済問題や光華寮訴訟、日本の防衛費増額などを背景に、中国の指導者、鄧小平が歴史問題を持ち出し、日本の訪中代表団に「日本は中国に対して最も大きな借りを負っている国だ」と語ったのである。

1972年の日中国交正常化の時点では賠償請求はなかったが、中国がそれで満足しているわけではないと鄧小平が示した。引用は、船橋洋一編著「日本の戦争責任をどう考えるか-歴史和解ワークショップからの報告」(朝日新聞社、2001年)に所収の楊大慶著「日中両国の和解-その問題点と展望」から(p194)。

1987年の防衛費増額。これは、米レーガン政権から米製兵器購入を求められ、それに応じた日本が、防衛費をGNP比1%以上に引き上げたことを意味する。

先週の金曜日(12/16)、政府は、臨時閣議で安全保障関連3文書を決定した。防衛費GDP比2%や、米製トマホーク配備を目指すことになった。中国はもちろん黙ってはいない。日中関係は今後どのようになって行くだろうか。

大地の子米製兵器を買わされる日本(いずれもサイト内)。安全保障関連3文書 政府が閣議決定 国内外の反応は(12/16)、光華寮訴訟|Wikipedia

米製兵器を買わされる日本

  • 2022/12/17 06:21
  • カテゴリー:読み物

当時、日本の防衛費はGNP(国内総生産=当時の経済指標)一%と定められていたが、一九八七年に楽々と突破してしまったのは、アメリカの国内産業政策と無縁ではない。

80年代、米レーガン政権は、ベトナム特需後の疲弊した米経済を、産軍複合体の活性化によって再び甦らせようとしていた。当時、ソ連を悪者にして冷戦激化を根拠に、前線基地である日本に軍備増強を迫ったのだ。

松本利秋著、日本人だけが知らない「終戦」の真実(SB新書、2015年)から(p15)。引用部分の小見出しは、「冷戦下、アメリカ製兵器の巨大マーケットと化した日本」。

きのう(12/16)、安全保障関連3文書が閣議決定された。反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有が明記され、防衛費GDP比2%への増額が盛り込まれた。上で引用した80年代の1%超えと同様、今回の2%も、かの国の「産業政策」に関係しているのだろう。

何しろ構造は似ている。悪者(今回は主に中国)を設定して、台湾海峡波高しと煽り、日本の世論を防衛強化へと誘導。こっそりトマホークの商談も進めている。米国の景気は後退局面に入ったとも言われる。現在と40年前と、構図は、そっくりだ。

いったいどこに反撃する米下院議長、台湾訪問沖縄復帰50年と日米安保(いずれもサイト内)。反撃力保有へ歴史的転換 安保3文書、長射程ミサイル配備(12/16)

Re: 11/22/63

  • 2022/12/14 06:31
  • カテゴリー:読み物

「あなたはいったいだれなの、ジョージ?」「もうひとつの人生できみが知っている男だよ、ハニー」

過去は共鳴する。そしてパラレル・ワールドは相応じて進む。引用は、スティーヴン・キング著「11/22/63」白石朗訳(文藝春秋、2013年)下巻の最後のページから(p515)。上下2段組み515頁。

セイディーの身に痛ましい災いが降りかかる。それ以降の下巻後半は一気呵成に読んだ。

作者はあとがき(p523)で、ジャック・フィニイ著「ふりだしに戻る」にふれている。懐かしい。「時間もの」の秀作だ。その内にまた読んでみよう。グリムウッドの「リプレイ」や、北村薫の三部作なども。

文庫100冊時生(いずれもサイト内)。リー・ハーヴェイ・オズワルド|Wikipedia

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