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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

寒橋

  • 2020/03/10 07:17
  • カテゴリー:読み物

人間は弱いもんだ、気をつけていても、ひょっと隙があれば、自分で呆れるようなまちがいをしでかす、だれとも限らない、人間にはみんなそういう弱いところがあるんだ

沢木耕太郎編「山本周五郎名品館Ⅲ-寒橋」(文春文庫、18年)の表題作から(p102)。短編選集全9編。この「寒橋」と最初の「落ち梅記」が良いと思った。少し前に最寄り図書館の新着コーナーに並んでいるのを借りて来た。今は利用制限がかかっているのでそのコーナーには近付けない。

# おれたちは此処へ来たのだ(p67)、新着本コーナー、19年10月(サイト内)

峠しぐれ

  • 2020/03/08 08:00
  • カテゴリー:読み物

剣は斬るべきところを斬ればよい。ただ、それだけのことでございます

葉室麟著「峠しぐれ」(双葉社、14年)から(p152)。色んな出来事が起こる。それも短い期間に次から次へと。サービスたっぷりではあるけれど、いささか目まぐるしい。

道具(剣)を持てば何かしたくなる。マズローが言ったという「金槌しか持っていない人には、すべてが釘に見える」を思い出した。的外れな連想かもしれないけれど。

# 雖井蛙流(せいありゅう)、Abraham Maslow (1908-1970)

負けに不思議の負けなし

  • 2020/03/07 07:31
  • カテゴリー:読み物

監督の手腕はその人間をどう生かすかにかかっている。「歩」を「金」にして、そこで初めて評価される。「金」を「歩」にしてしまってはなにをかいわんやである。

一つ前に続いて、駒のたとえ話を引いた。野村克也著「負けに不思議の負けなし」(朝日文庫、09年、完全版)の下巻、「頼りになる部下はこうして見抜け」の項(p34)から。「飛車と角を使いきれない」という見出しもある(同p104)。これは、角選手の名に掛けられているようだ。彼は、本書に収載のエッセイが書かれた80年代当時、読売の投手陣にあってリリーフの要だった。

だれを頼りにするのかというもっとも基本的な認識(同p34)。大投手は、「評価」よりも「理解」されることを好む(上巻p40)。弱点は好きなところにこそ宿る(同p97)。天才肌の人は細かいことにこだわらない(同p188)。

剣談ラプラスの魔女(いずれもサイト内)、角盈男 - Wikipedia

ラプラスの魔女

  • 2020/03/06 07:07
  • カテゴリー:読み物

所詮、俺たちは駒だ。しかも、歩だ。世の中を動かしているのは、もっともっと上の存在なんだ。歩は、何も考えずに、一つ一つ前に進んでいくしかない。ほかのことは考えなくていい

刑事課の係長は、明日からまたがんばろや、と部下を励ます。東野圭吾著「ラプラスの魔女」(KADOKAWA、15年)から(p442)。エスパーのような超能力者による犯行だとつまらないと思いつつ読み進めた。そうではなかったけれど、イメージは限りなくそれだ。もしかすると、世に言う超能力とは、こんな風に科学的な説明が可能なのですよ、と著者は例を示しているのかもしれない。

天空の蜂

  • 2020/03/01 07:38
  • カテゴリー:読み物

(原子炉容器は)どんな重量物を落下させても、またどんな爆発物を使っても、壊せるものじゃありません。

役所の技術者が断言する(p113)、絶対に大丈夫だと。爆発物が投下されることや航空機が落ちて来ることすらシミュレートしたことがない(p100)にもかかわらずそう言い切る。この辺りを読みながら、例の原子力安全委員会委員長のことを思い出した。2011年3月、彼が爆発しませんと言った原発はその日の内に水素爆発を起こしたのだった。上の引用は、東野圭吾著「天空の蜂」(講談社、95年)から。

「個人の主義主張なんか、あんまり意味がない。自分の立っている地面がどういう色をしてるかによって、その人間の色も決められてしまう」(p222)、「男というのは女と違って、いつまでたっても昔の仕事のことが忘れられない」(p155)、「国全体が、原発という飛行機に乗っているようなものだ」(p310)、「沈黙する群衆」(p466)、使用済み核燃料プールの天井は「薄い板一枚である」(p496)。

福島原発で何が起こったかメルトダウン(いずれもサイト内)、班目春樹 - Wikipedia

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