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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

無敗の男

  • 2020/08/08 06:39
  • カテゴリー:読み物

適当なことをしゃべるようになったら中村喜四郎はおしまいだ。緊張感が持続できなくなったら、適当なことを流してしゃべればいいとなったら引退だ。私が長持ちしたのは、そういう気持ちを抱き続けることにこだわってきたからだ

そのため講演の準備は怠らない。関連記事を熟読しノートに書き写す。原稿を練る。第三稿まで推敲する。徹底したデータ重視。細かな数字は単語カードを使ってでも頭に叩き込む。常井健一著「無敗の男-中村喜四郎全告白」(文藝春秋、19年)から(p131)。県立の新着コーナーにあったのを借りて来た。

ゼネコン汚職、斡旋収賄罪容疑で逮捕、自民党離党(94年)、ムショ帰り後も当選(96年衆院選、8期目)。最強の無所属(p11)、田中角栄の下で「雑巾がけ」した中村にとって反面教師は二人、角栄と小沢一郎(p126)。知事選が野党共闘の一番のベース(p331)。

知の旅は終わらない(サイト内)

80's

  • 2020/08/04 06:59
  • カテゴリー:読み物

これでぼくの「記憶のなかの物語」は終わりだ。わざわざ「記憶」を強調するのは、それが無意識のなかで自分に都合よく書き換えられることがわかっているからだ-それも非常に頻繁に。

橘玲著「80's-ある80年代の物語」(太田出版、18年)、あとがきから(p274)。著者が作家専業になる以前の自伝。当時流行っていた映画や音楽が書き留められている。おれも同時代を生きて来たけれど、観たり聴いたりしたものが、印象に残っているものが、随分違うと思った。

橘玲(サイト内検索)。労働現場の重層的な差別(p180)。藤沢数希=橘玲=上田高史=宝島30元編集長【噂】

知の旅は終わらない

  • 2020/07/30 06:06
  • カテゴリー:読み物

自分の全存在をその中に置いたときに、はじめて見えてくるものがある。あるひとりの人が、ある具体的な人間存在として、あるときある場所で、ある具体的な世界を見ている。そういう具体的な事実関係抜きの認識なんてない。あらゆる認識は、その認識が成立したときの具体的事実関係に根ざした色がついている。無色透明の認識なんてない

ある文化体系を理解をするためには、その現場へ行く必要がある。本などを読んで済ませるわけにはいかない。立花隆著「知の旅は終わらない」(文春新書、20年)から(p110)。副題は、僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと。自伝であり、自著のガイドブックも兼ねている。Mさんからのメールに本書のことがあったので最寄り図書館で借りた。

地質学者、井尻正二(p143)、田中角栄の人心掌握術(p225)、ロッキード裁判批判を斬る(p234)、一連の宇宙もの(p244)、死ぬまでに何ができるのか(p288)、政治の低劣化ワイドショー化(p306)

知的ヒントの見つけ方(サイト内)

残酷すぎる成功法則

  • 2020/07/28 06:45
  • カテゴリー:読み物

私たちは選択権を持つことが好きだ。しかし選択をすることは嫌いだ。選択肢があることは、可能性を意味するが、選択することは、その可能性を失うことを意味する。そして選択肢が多いほど、後悔する機会も増えることになる。

エリック・バーカー著「残酷すぎる成功法則」(飛鳥新社、17年)から(p318)。橘玲監訳。成功や失敗にまつわる様々な挿話が紹介されており示唆に富む。盛りだくさんでお腹一杯になってしまう。原書の副題、The Surprising Science Behind Why Everything You Know About Success Is (Mostly) Wrong

ガワンデ医師とコーチ(p218)、「説明する」は戦争を仕掛けているのと同じ(p224)、傾聴する、相手に考えさせる(p230)。幸福の四要素:幸福感 [楽しむ]、達成感 [目標を達成する]、存在意義 [他者の役に立つ]、育成 [伝える](p324)、計画立案によるコントロール感(p333)、ToDoリストと時間割(p340)、気がかりな事は書き留めて脳の活動(リハーサルループ)をオフに(p346)

Personal Best - Top athletes and singers have coaches. Should you? By Atul Gawande. September 26, 2011

近代日本一五〇年

  • 2020/07/27 06:17
  • カテゴリー:読み物

かつて東アジアの諸国を侵略し、二度の原爆被害を受け、そして福島の事故を起こした国の責任として、軍需産業からの撤退と原子力使用からの脱却を宣言し、将来的な核武装の可能性をはっきりと否定し、経済成長・国際競争にかわる低成長下での民衆の国際連帯を追究し、そのことで世界に貢献する道を選ぶべきなのだ。

山本義隆著「近代日本一五〇年」(岩波新書、18年)のあとがきから(p292)。技術開発は軍事力と結び付いているという視座で開国後の150年を眺めている。日本政府は常に軍事力の強化を考えて来た。現在、核武装でさえその射程に入っている、その事実に背筋が寒くなる。副題は、科学技術総力戦体制の破綻。

原型炉「もんじゅ」の廃炉が決定され(16年)、東海村の再処理施設が火災爆発事故を起こし(97年)、六ヶ所村再処理工場の稼働が見通せない。いかに不都合な事情が重なっても、日本政府は、増殖炉建設と再処理による核燃料サイクルの計画(表向きの口実)を放棄しない。核武装(裏の理由)に直結するプルトニウムを備蓄するためだ。原料を公然と確保する一方で、原子力開発を「我が国の安全保障に資することを目的」にもできると原子力基本法に書き加え(12年)、核兵器の保有は合憲であるとその政府答弁を安倍内閣は閣議決定した(16年)。国連の核兵器禁止条約への署名も頑なに拒んでいる。「現行憲法下でも、自衛のための核兵器保有は許される」と表明(57年)した岸信介元首相の意思は、「一部の政治家と外務官僚」によって脈々と受け継がれている。(p265-282)

鉄鋼や、化学、電機など20世紀型の基幹産業は国際競争力を失い、半導体や自動車も保ちそうにない。ITや情報産業は大幅に遅れている。この「状況下で、現在、政府と財界が画策しているのが、原発輸出とならんで「経済の軍事化」、すなわち軍需生産の拡大と武器輸出である」(p248)。安倍内閣は、防衛装備移転三原則を閣議決定し(14年)、武器輸出を事実上全面解禁した。

六ケ所の再処理工場、事実上合格 稼働は見通せず

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