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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

「暖流」を読んでみよう

  • 2023/07/25 05:49
  • カテゴリー:読み物

大相撲をNHKプラスで観ていて、岸田國士の「暖流」を読んでみようと思った。

大相撲名古屋場所の14日目。翔猿と千代翔馬の一番、途中、行司が待ったをかけた。千代翔馬の緩んだまわしが、しっかり、締め直された。行司は、三役格の木村容堂だった。

そこから連想が繋がって行った。木村容堂から同じ容堂で山内容堂。NHK大河ドラマ「龍馬伝」(2010年)で、山内容堂を演じた近藤正臣。昔見たドラマ「暖流」(1976-77年)に彼は出演していた。このドラマでは、中田喜子が扮する看護婦、石渡ぎんの恋の行方に気を揉んだものだ。

原作の「暖流」(1938年)では、石渡ぎんはどのように描かれているのだろうか。近い内にその小説を図書館で借りて来よう。調べてみると、県立の「岸田国士全集13」(岩波書店、1991年)に所収されているようだ。最寄り市立図書館には、残念ながら、蔵書なし。

暖流 (小説)|Wikipedia、岸田國士(きしだくにお、1890-1954)、木村容堂(3代、九重部屋、1961-)、近藤正臣(1942-)、中田喜子(1953-)、高橋玄洋(1929-)

自分史の試み

  • 2023/07/22 06:11
  • カテゴリー:読み物

その章は、「人は誰しも歴史を持っている」と始まる。

歴史をふりかえるとはなにを意味するのか。その人にとってのもっとも劇的だった生を、全体史のなかに自覚することではないのか。そこに自分の存在証明(レーゾンデートル)を見出し、自分をそのおおきなものの一要素として認識することではないのか

色川大吉著「ある昭和史-自分史の試み」(中央公論社、1975年)、第一章「十五年戦争を生きる」、第一節「わが個人史の試み」から(p32)。

かつて、「自分史年表」を作成したことがあった。ちょうど50歳の時のこと。生まれてこの方、pptの1ページに1年毎、内外の出来事と身の回りに起きたことを並べ、世相と自分の人生を見比べる、そういう作業だった。自分の「存在証明」のようなことを意識することはなかったけれど、今また更新すれば少し違った見え方がするだろうか。

自分史ブームの先駆け(サイト内)。「自伝的記憶を整理して、より良い未来を手に入れる」。色川大吉(1925-2021)、raison d'être(仏)

あるいは不思議の環

  • 2023/07/19 06:10
  • カテゴリー:読み物

六声のフーガを即興でつくるという業(わざ)は、目かくしをしたまま同時に六十のチェスをして、それに全部勝つようなものである。八声のフーガの即興演奏は、まさしく人間にできる業ではない。

バッハの「音楽の捧げもの」をめぐる挿話で、この壮大な物語は幕を開ける。

ダグラス・R・ホフスタッター著「ゲーデル,エッシャー,バッハ-あるいは不思議の環」野崎昭弘ら訳 (白揚社、1985年)から(p23)。県立図書館で借りた。

ゲーデルの定理に登場する不完全性、その背後には「不思議の環」(strange loops)が潜んでいる。エッシャーの騙し絵や、バッハが書いた転調するカノンにも似たような構造が見て取れる。と著者は言う。

エッシャー 視覚の魔術師(サイト内)。Douglas Richard Hofstadter(1945-)

米中戦争前夜

  • 2023/07/12 06:08
  • カテゴリー:読み物

なにより重要なのは、両国のリーダーと一般市民の双方が、これまでの態度と行動を根本的に変えることだ。トゥキディデスの罠を逃れるためには、考えられないことを考え、想像できないことを想像しなければならない。

グレアム・アリソン著、藤原朝子訳「米中戦争前夜-新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ」(ダイヤモンド社、2017年)から(p12)。

「アテネの台頭とスパルタの不安」、これがペロポネソス戦争の本質だと、トゥキディデスは見抜いた。台頭する新興国は、自分たちに敬意を払うよう周囲に求め、既存の序列を変えるべきと思い始める。一方、覇権国は勢力均衡を維持することは当然の論理だと考える。ここに巨大な構造的ストレスが生じ、ちょっとした偶発的衝突や経済的ないざこざが戦争の引き金になり得る。

ギリシャの昔から歴史はこれを繰り返して来た。今、舞台の上には米国と中国がいる。果たして米中両国は戦争を避けることができるだろうか。

米中戦争を避けるために焦るアメリカ(いずれもサイト内)。「同盟国を増やすことに夢中になり」(p79)、トゥキュディデスの|Wikipedia

逸脱

  • 2023/06/23 05:50
  • カテゴリー:読み物

せっかく採用した社員を、どうやってきちんと戦力にするかが問題なんです。どんな人間にも武器がある。それをいかに会社のために生かすかが問題なんですよ。そのために会社がどれほど大変な努力をしているか

堂場瞬一著「逸脱-捜査一課・沢村慶司」(角川文庫、2012年)から(p163)。

メンバーを戦力にする、エンジンを積んでばりばり働けるようにする、そのための方法論は色々あって、そこそこ奏効する。ただし、10人いたら10人とも上手く行くとは限らない。見極めることが大切。パレトの法則によれば、本物は2人しかいない。早くその2人を見付け出して(すぐ判る)、まずは彼らにエネルギーを集中する。その内に、他の8人への波及効果も生まれて来る。

メンバーが少ない場合にはどうする。極端には自分以外に1人だけのような場合。性根を据えてその人と付き合うことになる。その人物の中の光るところを嗅ぎ分けて、それを核に強く大きくしていく作業になるだろう。それこそ、引用にある「武器」を磨くことなのかもしれない。

甚だ上から目線で申し訳ないのだけれど。

エンジンを積むチーム(いずれもサイト内)。就活における「噓」問題 人材探しである現実直視を(6/20)

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