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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

もっと言ってはいけない

  • 2020/04/29 07:00
  • カテゴリー:読み物

社会的・文化的な強い淘汰圧によって10~20世代(250~500年程度)で遺伝的な偏りが起こりうる

遺伝と文化の共進化論。人種(大陸系統)によって知能に差があることは、これで説明がつく。橘玲著「もっと言ってはいけない」(新潮新書、19年)から(p147)。日本人を含む東アジア系がIQが高いのは、隋初から実施された科挙による知識社会と、稲作による豊富で安定した食糧事情が背景にあると推論。農耕社会の閉鎖的な共同体を営む中で、互いに忖度し合えるよう、脳内セレトニン発現量が低くなるよう進化して来た可能性がある。

行動遺伝学(p4)、わかりやすい善悪二元論(p36)、S・J・グールド「人間の測りまちがい」(p63)、J・J・ヘックマン「幼児教育の経済学」(p78)、差別の根源にある知能重視社会(p92)、各国別IQ一覧(図表7、p137-9)、連作障害のない水田(p153)、東欧系ユダヤ人アシュケナージの祖先はハザール人か(p167)、リベラルなネオフィリアと保守のネオフォビア(p174)、J・M・ダイヤモンド「銃・病原菌・鉄」(p179)、日本に華僑財閥がない理由(p188)、ヒトの自己家畜化(p206)、正義は娯楽の一つ(p210)、人類の三つの革命、石器、農耕、科学とテクノロジー(p240)

言ってはいけない朝日ぎらい(いずれもサイト内)

殺人容疑

  • 2020/04/27 07:08
  • カテゴリー:読み物

検事は、被告人の顔をよく見るようにと、あなた方に言いました。被告人は日系アメリカ人で、その顔にあなた方が敵を見るだろうと推測したからなのです。

さらに弁護士は、これは偏見についての裁判なのだ、と喝破する。デイヴィッド・グターソン著「殺人容疑」(講談社文庫、96年)から(p583)。二度目の今回、以前とだいぶ違った印象を持った。最初は97年だった。その頃、海外ミステリーに割と興味があり、そんな一冊として読んだ。他に覚えているタイトルは、例えば、ラブゼイの「最後の刑事」や、ダニングの「死の蔵書」など。それらもまた読んでみるのもいいかもしれない。

なぜ、殺人容疑という無粋な題になったのだろうか。原題は "Snow Falling on Cedars"、後に映画された際の邦題は「ヒマラヤ杉に降る雪」(米、99年)。そういえば、Macintosh上で"CeDar"というフリーソフトを使っていたことがあった。あの名前は、杉の木と何か関係があったのだろうか。

# ロナルド・タカキ著「別の岸辺から来た余所者」、アケミ・キクムラ著「厳しい冬に耐えて」、モニカ・ソネ著「二世の娘」、Nisei Daughterに見るモデル・マイノリティの描かれ方-アメリカの人種差別構造に関する一考察、結社(p173)、FreemasonryOdd FellowsThe Grange (Farmers' movement)6人にひとり! アメリカの政治・社会に影響力を持つ「ドイツ系住民」という“隠れた多数派”川上三郎名誉教授|徳島大学

山陰土産

  • 2020/04/24 06:39
  • カテゴリー:読み物

青空文庫で色々見ている際、島崎藤村のリストの中に「山陰土産」というタイトルがあるのに気付いた。ぴんと来るものがあった。いかにも紀行文っぽいこれには、おそらく、あのことが書かれているのだろうと。あれは、大学に入って最初の夏休みのことだ。オケの先輩たちに連れられて、鳥取県の浦富海岸へ遊びに行った。その折に見かけた案内板に、かつて、ここを島崎藤村が訪ねた、とあったのだ。果たして、「山陰土産」のファイルを開けてみると、浦富海岸の節があった。藤村が、次男鶏二とともにこの地を訪ねたと記している。それは昭和2(1927)年7月。おれが案内板を見たのは、それから54年後のことだった。

浦富海岸には、あれ以来、何度か遊びに行った。鳥取市で開かれた学会に参加したついでに訪ねたこともある。行く度、専ら、熊井浜で過ごした。羽尾坂トンネルの手前で車を降りて脇道を上る。峰を越えて少し行くと見えて来る。こじんまりした砂浜に、両側の岩場がすぐそこに迫る。その様子から、クロワッサンの窪みの中に入り込んだような気分になったものだ。またあの浜辺を訪ねることはあるだろうか。

作家別作品リスト:島崎藤村|青空文庫沢田廉三 - Wikipedia、ハマボウフウ、スナビキソウ、クロマツ、トベラ、タイトゴメ

天地明察

  • 2020/04/23 06:50
  • カテゴリー:読み物

江戸という時代は、人間の才能を掘り起こさなければやっていけない時代だった

今もそのはず、社会は所詮は人が作るものなのだから。しかし現代日本は本当の意味で人を大切にしていない。冲方丁著「天地明察」(角川文庫、12年)の、養老孟司氏による解説から(下巻p290)。この部分を読んで、明治は良い時代だったと詠った、中村草田男のあの句を思い出した、脈絡もなく。

保科正之武家官位頒暦貞享暦(いずれもWikipediaの項目)、冲方丁(うぶかたとう)

ひとごろし

  • 2020/04/21 06:27
  • カテゴリー:読み物

「なにしろその、道に落ちている財布を拾う、というようなわけにはいかない問題だからね」「お拾いなさいよ、道にはよく財布が落ちているものですわ」

妹にそうけしかけられた六兵衛は、自他ともに認める臆病者。それが、道に落ちていた財布を拾うかのように、上意討ちの討手に「つい」名乗り出てしまう。新潮現代文学17巻「山本周五郎」(新潮社、79年)に収載された「ひとごろし」から(p378)。

青空文庫を訪ねてみると本編はそこにもあった。ファイルの末尾に、2020年1月24日作成とある。つい最近のことだ。山本周五郎(1903-1967)の作品は、没後50年経た翌年の2018年からパブリック・ドメインとなり、文庫への収録が始まったのだろう。なお、その年の末にTPPが発効され著作権の保護期間は70年に延びた。1968年に死没した作家、例えば子母沢寛や広津和郎ら、の著作権が切れるのは、2019年ではなく2039年となった。三島由紀夫は2041年。

寒橋TPP 発効と著作権(いずれもサイト内)、山本周五郎著「ひとごろし」青空文庫

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