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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

白鯨

  • 2019/11/11 06:08
  • カテゴリー:読み物

If that double-bolted land, Japan, is ever to become hospitable, it is the whale-ship alone to whom the credit will be due; for already she is on the threshold.

メルビル著「白鯨」には、日本に関する記載が何か所か登場する。Project Gutenberg のサイトで、原書 "Moby Dick; or The Whale" を開き、Japan で検索した。引用は、第24章 The Advocate. から。「鎖国をしている日本がいつか門戸を開くとするなら、それはひとえに捕鯨船の功績によるものだ。なにせ、もはやすぐ近くにまでやって来ているのだから」とでも訳せば良いだろうか。実際、1853年にペリーの艦隊が浦賀に現れ、捕鯨船が寄港できるよう、幕府に対して開港を求めた。それは、「白鯨」が米国で出版されてから2年後のことだった。

作品全体に様々な聖書的イメージがちりばめられている(略)、様々な示唆が交錯する中で、結局、白鯨は何を表しているのかということは謎のままである。

「世界文学あらすじ大辞典」第3巻(国書刊行会、06年)、「白鯨 Moby-Dick」から(p385)。

現代人には、「身体が叫ぶ」というような、身体で生きているという実感が不足しているように思えてならない。『白鯨』には、身体性を呼び戻す力がある。

斎藤孝著「クライマックス名作案内」第1巻(亜紀書房、11年)から(p115)。

コーヒーチェーン店スターバックスの名は、『白鯨』に登場する一等航海士のスターバックからとられている

石弘之著「名作の中の地球環境史」(岩波書店、11年)から(p164)。

人間臨終図巻ことばでたどる歴史(いずれもサイト内)

フレームワークの落とし穴

  • 2019/11/10 06:36
  • カテゴリー:読み物

ポストイットの販促用キット

と、小見出しにあるのは、「ビジネスモデル・キャンバス」の項だ。多用されているにもかかわらず、このフレームワークから「画期的なモデルが生まれたという話は、あまり聞こえてこない」、これで「儲かっているのは、おそらくコンサルタントとポストイットであろう」と、斬って捨てる。「ビジネスモデル・キャンバス」の信奉者が読んだら卒倒するんじゃないだろうか。引用は、山田英夫著「ビジネス・フレームワークの落とし穴」(光文社新書、19年)から(p89)。

本書は、3C、5F をはじめ、巷で有名なフレームワークはおおよそ採り上げている。全編に溢れる辛口のコメントの中には、各々のフレームワークを上手く使いこなすヒントを見付けられるかもしれない。その点、J・ボイエットら著「経営革命大全」の類書と言える、深耕の度合いがだいぶ違うけれど。

# A・オスターワルダーら著「ビジネスモデル・ジェネレーション」、機械学習活用のためのフレームワークを開発

知識を行動に変える

  • 2019/11/09 06:31
  • カテゴリー:読み物

採用についても、企業文化との適合性をはっきりつかむのは、なかなか難しい。組織の成功に「人」は欠かせない。しかし、人を尊重する経営は「言うは易く、行うは難し」の典型だろう。

J・フェファーら著「なぜ、わかっていても実行できないのか-知識を行動に変えるマネジメント」(日本経済新聞出版社、14年)から(p62)。巻末に、知識を行動に変える八つのポイント(p250)付き。

事業は人なり、とはよく言ったもので、引用にもあるように、適切な人材なくして成功は覚束ない。顧客や共同研究者など社外にも目を向ける必要はあるけれど、まずマネージすべきは社内だ。部下、同僚、上司。そして、とりわけやっかいなのが自分自身。その点は、フェファー氏も別の著作で強調している。

「権力」を握る人の法則(サイト内)

名作の中の地球環境史

  • 2019/11/08 06:24
  • カテゴリー:読み物

カムチャッカ半島で起きた巨大噴火(略)と同時に約300年にわたる干ばつがはじまり、地中海東部から西アジアの広大な地域に影響をおよぼした。

大規模な飢饉の発生に伴い、水や食料を求めて人や家畜が移動。イスラエル人も、西アジアからの民族移動の一部としてエジプトの肥沃なナイル・デルタへ入植したとみられる。石弘之著「名作の中の地球環境史」(岩波書店、11年)、第22章のモーセ「出エジプト記」から(p293)。OPAC で「白鯨」を検索していて、興味深いこの本を見付けた。

古代イスラエル人の放浪は、火山の冬が原因とも考えられるんだな。カムチャッカのシベルチ山による紀元前22世紀来の火山活動が北半球に火山の冬をもたらした。寒冷そして乾燥がメソポタミア文明にも襲い掛かる。長期に渡る飢饉から逃れるため多くの民が周辺へ移動して行く。前17世紀、南へ向かう一群の中にアブラハムの一族があった。カナン辺りに行けば救われる、という噂もあったけれど、その地の飢饉もひどい。さらに南下し肥沃な地に達する。ナイル流域のデルタ地帯だ。住み始めた当初こそエジプトのファラオに厚遇されるが、その後は、前13世紀、モーセに率いられてエジプトを脱出するまで、4百年の長きに渡って奴隷として虐げられる。

シベルチ山イスラエルの失われた10支族(いずれも Wikipedia から)

ようこそ、わが家へ

  • 2019/11/07 06:26
  • カテゴリー:読み物

銀行員というのは数字を見ているようでいて、結局は人を見る商売なのだ。(略)対峙する相手の感情の揺れひとつが、数字以上に重要な判断要因になることも少なくなかった。

相手の顔に浮かぶ一瞬の狼狽を目にする。何かあると確信する瞬間だ。考えるに、人を見るのは、銀行員に限ったことではなく、またビジネスの場面に限ったことでもない。日々ごく普通に誰でも行っている。表情や声の変化ばかりか、ちょっとした仕種にも、何らかの情報が含まれているものだ。引用は、池井戸潤著「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫、13年)から(p88)。「七つの会議」が面白かったので、web の評判を見て、同著者のこれを借りて来た。

タイトルはどういう意味か、それは明示されていない。何に対してようこそと言っているのか。名も無いストーカーに対してか、傷ついたネコに対してか、主人公やその家族の身に起こった厄災すべてに対してか、それとも、それらが解消したあとにやって来る何か、例えば気付きや安堵、に対してだろうか。

七つの会議(サイト内)

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