うらなり与右衛門
- 2023/04/29 06:17
- カテゴリー:読み物
ひとは他人の美を見たがらず、むしろ好んでその醜を見たがるものだ
藤沢周平著「うらなり与右衛門」から。「たそがれ清兵衛」(新潮文庫、1991年)に収録されている(p58)。
# たそがれ清兵衛、薔薇の殺意(いずれもサイト内)。「他人の不幸は蜜の味」は科学的証明済み
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ひとは他人の美を見たがらず、むしろ好んでその醜を見たがるものだ
藤沢周平著「うらなり与右衛門」から。「たそがれ清兵衛」(新潮文庫、1991年)に収録されている(p58)。
# たそがれ清兵衛、薔薇の殺意(いずれもサイト内)。「他人の不幸は蜜の味」は科学的証明済み
裁判記録には、単純に、悉く「青酸カリ」となっているのだ。だが、「青酸カリ」と決定する何等の根拠も証明も帝銀事件に関しては全くない
殺人に用いられた毒物さえ特定されず、その他の物的証拠にも曖昧さが残るまま裁判が進められ、一人の画家に有罪判決が下される。それは、でっち上げだった。
引用は、松本清張全集30「日本の黒い霧」第8話「帝銀事件の謎」(1972年、文藝春秋)から(p265)。初出は「文藝春秋」1960年8月号。「画家と毒薬と硝煙」を改題。
凶器の毒は確かに青酸ではあったが、青酸カリのように即効ではなかった。遅効性の青酸化合物はいったい何だったのか。このノンフィクションでは、アセトンシアンヒドリンと推測されている(p267)。「登戸にあった第九技術研究所の田中中尉によって発明されたといわれている」。
ところで、引用文中にある「悉く」の文字が恥ずかしながら読めなかった。漢和辞典は手元にない。スマホのアプリEBPocketに入れたスーパー大辞林がその代わりになる。モードを複合検索に切り替えて、部首(心)と画数(11画)を掛け合わせる。「悪患悉悠」の4文字がヒット。【悉】を開くと、[音訓]シツ、ことごとく、つくす、とあった。
# JFK暗殺、警察庁長官狙撃事件、EBPocket(いずれもサイト内)。NHKスペシャル「未解決事件 File.09 松本清張と帝銀事件」(NHK総合、2022/12/29・30、21時)、アセトンシアノヒドリン|Wikipedia、松本清張全集17「小説帝銀事件」、日本の漢字辞典
記憶はやってきては姿を消すものよ。そしてまたやってくる。それに対して簡単にドアを開けたり、閉め出したりはできない。ひどい記憶の場合は特にね。
ローセがアサドに語る。ユッシ・エーズラ・オールスン著「特捜部Q-アサドの祈り」吉田奈保子訳(早川書房、2020年)から(p65)。
このシリーズ第8作はアサドの物語り。どこで生まれたのか、デンマークへ来た事情、刑事になる前の経歴は、ビャアンやサミルとの関りは、家族はどこでどうしている、いったい何に脅えている。いよいよ彼の謎が解き明かされる。
# 特捜部Q(サイト内)。「溺死者たちの指」(p9)、ヒキコモリ(p243)
卑近な事象に最大限の神経を研ぎ澄まして問題点を探り当て、読者に提示する。国民国家が変容するなかで、ではどういう道があるのかを考え、国民に問うていく。
今、新聞は「問題設定」型として生き残るしか道はない。鈴木健二著「戦争と新聞」(ちくま文庫、2015年)から(p304)。
本書の副題は「メディアはなぜ戦争を煽るのか」。かつて新聞は、国威を発揚すべく国民を戦場へ駆り立てた。現政権は専守防衛の理念を放棄し安保政策を大きく転換しようとしている。それに対して「新聞は、政府の急激な国策変更を支持、あるいはちょっぴり異を唱えただけ」(p288)で、また煽る側に立とうとしているかもしれない。新聞がどう言うのか注視しておく必要がある。
# 専守防衛を放棄するのか、「探る’23」(いずれもサイト内)。木鐸型・鏡型・広場型
敗戦した被占領国民の立場は虫けらほど低い。
無条件降伏した日本もそうだった。先日書いたように、戦後78年経とうとする今でも、実質的に米国の占領下にある。それでも、「虫けら」よりは、多少はましなはずだが、どうなのだろうか。と、米軍機の音を聞きながら思う。
引用は、深緑野分著「ベルリンは晴れているか」(筑摩書房、2018年)から(p90)。
読了せず。読みかけていたものの、うっかりしていて返却期日が来てしまった。図書館の窓口へ行って、もう一度借りる手続きをお願いしたら、次の方の予約が入っていて、借り直せなかった。少し延滞して読んでしまえば良かったと思わなくもなかったけれど、ルールは守らないとね。近い内にまた借りて来よう。
# 実質的にまだ占領下にある、戦場のコックたち(いずれもサイト内)。貸した本どこいった? 那覇市立図書館へのサイバー被害で所在不明に 「早めの返却を」(2/14)、予約サービスの再開について(2/16)