エントリー

カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

雪の日やあれも人の子樽拾い

  • 2024/08/16 06:05
  • カテゴリー:読み物

この有名な句は、「磐城平五万石の大名、安藤対馬守信友」の作と、山田風太郎著「笊ノ目万兵衛門外へ」に記されている。が、安藤信友は、磐城平藩ではなく備中松山藩の大名ではないのかと以前ここに書いた。

先日、備中松山城について少し触れた際に、この句について改めて調べてみた。すると安藤信友を作者とするのはそもそも間違っており、正しくは水間沾徳(みずませんとく)の作なのだとか。

風太郎の「笊ノ目万兵衛門外へ」は、あの句の作者が安藤氏であればこそ、最後の締め括りへと物語が収斂していく仕組みになっていたはずだが。

北村薫著「雪月花」(2020年)の中で、なぜ作者が間違って伝えられてきたのか、その謎解きがされているのだとか。その本は未読。近い内に読んでみよう。

北村薫笊ノ目万兵衛門外へなんとなく備中松山城(いずれもサイト内)。謎解き私小説『雪月花』(北村薫)では、『笊ノ目万兵衛門外へ』(山田風太郎)に登場する句「雪の日やあれも人の子樽拾い」の作者が間違って流布されていることをつきとめ~|レファレンス共同データベース

いい空気を一瞬でつくる

  • 2024/08/06 05:52
  • カテゴリー:読み物

「髪切った?」たったこれだけの言葉で、「あなたに関心がありますよ」ということを示しています。

最寄り図書館で借りて来た、秀島史香著「いい空気を一瞬でつくる~誰とでも会話がはずむ42の法則」(朝日新聞出版、2017年)から(p24)。

ある時、ラジオの番組を聴いていると、秀島という人が話し出した。どこかで見たことがある名前だ、そうそう、読みたい本のリストにその名があった。そういう次第で、リストの順番を早めてこの本を図書館で借りたのだった。

NHKラジオ100年プロジェクト「100人インタビュー」大竹まこと/秀島史香(NHKラジオ第一、5/6初回放送)

超・殺人事件

  • 2024/08/03 05:43
  • カテゴリー:読み物

こういう小説を読んで、正解に至ったためしがない。二時間ドラマの犯人なら、役者を見ればわかるんだけどな

確かにそうだ。引用は、東野圭吾著「超・殺人事件」(角川文庫、2020年)に所収の「超犯人当て小説殺人事件・問題編」から(p94)。最寄り図書館で借りた。

著者は、小説家仲間や、出版関係、書評家、読者らに対して、思うところがあって、時々こうやって吐き出すんだろうな。やや楽屋オチの傾向あり。帯に「切れ味抜群、毒気満載。」とある。毒気はたっぷり仕込まれているけれど、切れ味はどうだろうか。

東野圭吾(サイト内)

手紙

  • 2024/08/01 05:43
  • カテゴリー:読み物

私はまだ道楽を始めませんから、だいじょうぶですというはがきが来た。重吉の用いたこのまだという字がいかにもおかしく思われた。妻に、当人本気なのかなと言ったくらいである。

重吉に縁談話があり本人も乗り気なのだが、先方から女道楽をしない堅い人でなけりゃと条件が付く。夏目漱石「手紙」(1911年)から。

あれは5月のことだった。野党の立憲民主党は、政治資金パーティーの全面禁止を規定する法案を衆院に提出しておきながら、党幹部はパーティを続けていることが判明した。仮に法案が成立しても、施行までには2年以上の経過期間がある、その間にパーティを開くことは何ら問題ないと釈明した。

この報道に触れて、これに似た話があったなぁと思ったもののタイトルは頭に浮かんで来なかった。2か月ほど経って、ふとしたことで、それは漱石の短編であると思い出した。

果たして、重吉は遊び人だった。「だいじょうぶ」という言葉はまったくの嘘。「君のような道楽ものは向こうの夫になる資格がない」と指摘されると、「僕は病気なんかに、まだかかりゃしませんよ」と開き直るのだった。

# 夏目漱石政治資金(いずれもサイト内)。夏目漱石「手紙」|青空文庫、立民幹部の政治資金パーティーは「全面禁止法案」と矛盾? 泉健太代表は記者会見で何と答えた【一問一答】(東京新聞、5/24)

握手のマナー

  • 2024/07/29 05:46
  • カテゴリー:読み物

握手のマナーで大事なことは、相手の力を確かめながら、同じ力で握ることが望ましい。いきなり強く握って驚かせるのはヤボだし、反対に相手よりも握り返す力が弱いと、不本意なのに仕方なく手を握っているように思われてしまう。

妹尾河童著「河童の手のうち幕の内 」(新潮社、1992年)から(p259)。

武器は持っていません、敵意はありません、と手を差し出す。

よろしくない握手は四つと習った。強すぎる、弱すぎる、これらは上の引用にもある。あとの二つは、近すぎる、そして、濡れている。

欧州で何度か近すぎる握手を経験したことがある。握手したまま、ぐっと体を寄せて来る。顔も接近する、つばきも来る。逃げるわけには行かない。

濡れた握手、中国の取引先でのことを覚えている。先方の担当者が社長に会う機会をつくってくれた。社長室のある階を訪ねると社長はちょうど用を足していたようで、そのドアから出て来るところだった。廊下での挨拶となった。社長さんの手は濡れていた。

愛読書十選 (1)(サイト内)

ユーティリティ

« 2025年10月 »

- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

systemd-resolved、E200HA
2025/10/28 06:39
母の待つ里
2025/10/27 06:46
高市新政権発足
2025/10/26 06:30
夭折の画家 石田徹也
2025/10/25 07:10
四つの伝説、N響#2044
2025/10/24 06:01
「私と八木一夫」
2025/10/23 06:55
再びArch Linux、E200HA
2025/10/22 06:21
政局の行方、25年10月
2025/10/21 05:17
わたしの自叙伝、新藤兼人
2025/10/20 06:40
社説が見た石破首相所感
2025/10/19 07:16

過去ログ

Feed