雪の日やあれも人の子樽拾い
- 2024/08/16 06:05
- カテゴリー:読み物
この有名な句は、「磐城平五万石の大名、安藤対馬守信友」の作と、山田風太郎著「笊ノ目万兵衛門外へ」に記されている。が、安藤信友は、磐城平藩ではなく備中松山藩の大名ではないのかと以前ここに書いた。
先日、備中松山城について少し触れた際に、この句について改めて調べてみた。すると安藤信友を作者とするのはそもそも間違っており、正しくは水間沾徳(みずませんとく)の作なのだとか。
風太郎の「笊ノ目万兵衛門外へ」は、あの句の作者が安藤氏であればこそ、最後の締め括りへと物語が収斂していく仕組みになっていたはずだが。
北村薫著「雪月花」(2020年)の中で、なぜ作者が間違って伝えられてきたのか、その謎解きがされているのだとか。その本は未読。近い内に読んでみよう。
# 北村薫、笊ノ目万兵衛門外へ、なんとなく備中松山城(いずれもサイト内)。謎解き私小説『雪月花』(北村薫)では、『笊ノ目万兵衛門外へ』(山田風太郎)に登場する句「雪の日やあれも人の子樽拾い」の作者が間違って流布されていることをつきとめ~|レファレンス共同データベース